塾講師、担任指導の経験からお話をさせて頂くと、受験指導を行う上で、保護者の協力は不可欠です。
ただ近年の大学受験の形態も複雑で、なかなか理解し難いものとなっています。
受験指導の最前線で指導して15年目になりますが、それでも毎年毎年新しくアップデートをしていかなければいけない状態です。ゆえに、受験の全てを理解することは不可能に近いと思います。
だからこそ以下の最低限のポイントを押さえ、お子様が目指す志望校における受験のみしっかり理解するという形を作っていきましょう。
よくある失敗例(こんな受験生の保護者になってはダメ!)
兄、姉の大学受験の経験で考える
受験は生き物のように日々変化をしています。
特に昨年は入試改革、コロナウイルスの影響で、例年通りの受験指導は全くと言っていいほどあてになりませんでした。これから数年は同じようなことが続くと思います。
※ごくまれに、保護者の方が受験した時の経験(20年以上前)をもとにお話をされる方がいます。大変申し上げにくいのですが、その受験に関する知識は化石です・・・。
「受験のことは本人、先生に一任します」という発言
受験は複雑で難しい・・・。お気持ちは分かります。
ただ、「知らない」ことと、「知ろうとしない」ことは違います。
大切なのは、保護者の方も学ぼうとする姿勢。
細かいことは学校の先生に任せるのは良いと思いますが、大枠は理解して欲しい。
理解しようと努力して欲しいです。
丸投げの保護者よりも、知ろうとする姿勢があるだけで、子どもからすると、一緒に受験を戦ってくれると感じます。
それではどのようなことを知るべきか?
最低限おさえておいて欲しいポイントを上げておきます。
受験生の保護者が受験に向けてできること、やってほしいこと
受験校の決定(お金に関する話)
綺麗ごと抜きに、受験とお金は分けて話すことはできません。
まずはこの表をご覧ください。受験に必要な一般的なお金です。
例えば、一般的な受験生を例に受験料を算出
国公立大学を第一志望とし、私立大学を滑り止めで3校受験
・共通テスト 18,000
・国公立前期 17,000
・国公立後期 17,000
・私立大学3校 35,000×3=105,000
・私立大学入学金 約250,000(※)
合計 407,000 円
(※)私立大学に合格した場合、合格をおさえておくために入学金を支払う必要があります。
国公立の合否より前に、私立大学の手続きの締め切りがあります。また入学金は返金されません。
さらに、これに加えて、県外の大学を受験する場合は、移動費、宿泊費も必要となります。
子どもに対して厳密にリアルなお金の話を言わなくても大丈夫ですが、せめてどれくらい費用がかかるのかの把握しておいてください。
その上で、一人暮らしOK?自宅から通える大学?私立大学の併願校は何校ぐらい受験してOK?など、大枠の話はできると思います。
子どもの立場として一番困るのは、好きなようにして良いと言っておきながら、後々お金のことを持ち出されて志望校を変えることに・・・。これは実際に良くある話です。
受験の大まかな種類、スケジュール、期限の把握
受験の大まかな種類、スケジュールに関しては👇をご確認ください。
近年、インターネット出願が拡大してきました。とても便利である一方、期限に関しては注意しておかなければいけないことがあります。
〈出願に関する3つの期限〉
- ①ネットでの登録期限(本人はこれしか知らない場合が多い)
- ②受験料支払期限
- ③必要物の郵送期限(必着or消印有効)
①について
出願の前に、登録(エントリー)をしなければならない期間が設けられていることがあります。出願期限の前にエントリー期限が終わっていてそもそも出願すらできないことも・・・
③について
特に③は注意して欲しいのですが、ネット出願ですが、調査書や推薦書など、学校から発行される書類を郵送しなければいけない大学がほとんど。
ネット出願だからギリギリだけどまだ大丈夫と思っていたら、郵送物が間に合わずにアウトと言うことも実際に起っています。
〈手続きに関する期限〉
これは本当に細心の注意を払って下さい。
入学金の支払期限や、授業料の支払期限など、1期、2期と分けられていることが多い。
せっかく合格をしたのに、支払いを忘れて合格取り消しと言うことが・・・。
※支払期限を忘れるなんて信じられない!?と思われるかもしれませんが、実際に毎年います。
悲しいことに私のクラスでも、第一志望校に合格したにも関わらず、手続きの締め切りを忘れ、合格取り消しになりました・・・。
子どもに任せると言うのも一つの考え方ですが、完全に丸投げは危険。
しっかりと保護者の方が期限などスケジュールを把握しましょう。
生活習慣の確立のサポート
学力と生活習慣には明確な相関関係があります。
学校、塾は監督・コーチであり、本人は選手。そして保護者はマネージャー。
学習に専念できる環境づくりをしてあげてください。
・食事をはじめとする健康管理、体調面、精神面のサポート
・最も不安でプレッシャーを感じているのは本人 ➡ 最大の応援者に
・「ほめる」「しかる」「放任」のバランスが大切!
子どもが保護者にしてほしいこと、やめてほしいこと
現場で受験生にとったアンケートをもとに集計しています。お子様のリアルな声です。
保護者にしてほしいこと
保護者にやめてほしいこと
大切なのは、子どもの良き理解者となり、信じて見守ることです。
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