新高校1年、2年、3年生へ
新学年に向けて勉強を始めようと、本屋に行くものの、たくさんの参考書、問題集が並び、どれを手に取り始めたらよいか悩んだことがある人も多いと思います。
ここでは、元塾講師(現高校数学教師)として、100冊以上の参考書、問題集を集め、解いてきた私から、定期考査対策、受験に向けてお勧めの本を厳選してお伝えします。
当然ですが、現状の自身のレベル(偏差値)によって取り組むべき内容は異なります。
背伸びして身の丈に合わない参考書、問題集を解いても、力になりません(消化不良になる)。
自分のレベルにあった1冊を見つけ、その1冊をしっかりやり込み、レベルアップをしていきましょう!
この記事では、
- 偏差値50以下
- 数学が苦手で克服したい
- 今年度の復習をしたい
- 大学受験のために基礎力を上げたい
- 高校数学を先取りした中学生
を主な対象としておすすめの参考書を紹介していきます。
※もっと標準・発展的な問題集を探している方はこちらを参考にしてください。
網羅系の参考書・問題集
スバラシク面白いと評判の初めから始める数学
マセマ出版社の、数学参考書シリーズの中でも最も簡単なレベルに位置する「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」のシリーズ。
中学レベルから復習でき、高校内容に繋げるための、基礎をもの凄く丁寧に説明した1冊です。
講義(説明) ⇒ 問題演習 ⇒ 丁寧な解説
の流れで、読み進めやすい1冊になっています。
この本の特徴・強み
- 問題の難易度は教科書レベル(基礎問題)
- 対象偏差値は30~50
- 数Ⅰ、数A、数Ⅱ、数B、数Ⅲ(part1、2)の計6冊
- 中学レベルから復習でき、高校の内容に繋げられる
- まずは定期考査対策、教科書の友としての1冊
この本の弱点
・問題数は少ないため、演習量が不足する
⇒ 別に問題集を1冊準備した方がよい.(おすすめは、下記に紹介する白チャート)
スバラシク強くなると評判の元気が出る数学
上で紹介した、「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」から次に繋げる参考書として最適な本で、「元気が出る数学」シリーズです。
「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」と同じで、
講義(説明) ⇒ 問題演習 ⇒ 丁寧な解説
の流れで、読み進めやすい1冊になっています。
本書の特徴としては、「絶対暗記問題」です。
数学の勉強において、ただすべてを暗記するだけではダメですが、ある一定量の、典型問題と呼ばれる有名解法を暗記する必要があります。特に数学苦手な生徒は、覚えるべき問題解法を覚えられていません。
典型問題の解法を定着させ、受験勉強のスタートのための1冊に最適な参考書になります。
この本の特徴・強み
- 対象偏差値は40~60
- 定期考査対策~受験基礎レベル
- 数ⅠA、数Ⅱ、数B、数Ⅲの計4冊
- 解説が丁寧
- 覚えるべき解法(有名問題)が1冊にまとめられている
- 受験勉強のスタートのための1冊
この本の弱点
・問題数は少ないため、演習量が不足する
⇒ 演習用に別に問題集を1冊準備した方がよい.
(下記に紹介する白チャート、基礎問題精講など)
白チャート
受験数学の問題集では1番有名と言っても過言ではない、数学出版の「チャート式」シリーズです。
レベルによって問題集の色が異なり、難易度が高い順位に赤→青→黄→白の4冊があります。
白チャートは、教科書の例題・章末問題レベルで、共通テストまでしか数学を必要としない人にとっては、白チャートをしっかりとやり込めば問題ありません。逆に、2次試験で数学を必要とする場合は、白チャートでは不十分です。
この本の特徴・強み
- 対象偏差値は40~55程度
- 定期考査対策~受験基礎レベル
- 数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの計3冊
- 問題数が多く、解説も丁寧
- 網羅性が強い
この本の弱点
- 問題数が多く、1冊を終わらせるのに時間はかかる
※「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」、「スバラシク強くなると評判の元気が出る数学」などの参考書の問題演習用として活用するのがよい
基礎問題精講
旺文社が出版している問題集で、本格的に受験勉強を始める方におすすめの1冊です。
基礎問題精講は、『例題』→『精講』→『解答』→『ポイント』→『演習問題』で1つのテーマが完結するようになっています。
網羅性も強く、この1冊をしっかりとやり込むことで、受験でおさえておきたい基礎力は十分に身に付きます!
この本の特徴・強み
- 対象偏差値は45~60程度
- 数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの計3冊
- チャートほど問題が多くない(程よい量の問題数)
- 網羅性が強い
この本の弱点
- 解説は、チャートほど丁寧ではな
→「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」、「スバラシク強くなると評判の元気が出る数学」などの参考書の問題演習用として活用するのがよい
分野別対策用 参考書
上では、数学Ⅰ、A・・・と一通りの網羅的な学習におすすめの参考書・問題集を3冊取り上げましたが、ここでは、「場合の数・確率」や「ベクトル」などの分野別に対策をしたいと言う方向けの参考書になります。
①数学が面白いほどわかるシリーズ
②細野真宏の数学が本当によくわかる本
①、②ともに各分野ごとにあり、苦手な分野ごとに取り組むことが出来ます。
対象偏差値は40~55程度です。
講義形式で丁寧な解説、イラストなどもたくさんあり、読み進めやすく、意外のほか1冊を終えるのに時間はそれほどかかりません。
しかし、問題数は少ないため、白チャートや基礎問題精講など、別にもう一冊問題集は準備した方が良いです。
①、②については、どちらを選んでも基本的に間違いはありません。
あとは好みになるかと思いますので、本屋さんで一度手に取ってみて、中をパラパラと見た上で、直感で選べば問題ありません。そして、問題集や参考書を選ぶ上で、意外と大切なのは、表紙が好きかどうかと言うことです。「えっ?そんな基準??」と思われるかもしれませんが、これから長く愛用する参考書になりますので、パッと見た印象や、やってみたいというモチベーション、自身の直感は大切にしてください!
問題集・参考書選び・受験で失敗する人
上で紹介した問題集・参考書は、多少の好みの差はあるかもしれませんが、どれも中身は全く問題のなく、素晴らしい本ばかりです。
ですからどの問題集を選んでもそこは問題ありませんが、必ず押さえておいて欲しいポイントは、
- 自分のレベルにあっている問題集・参考書を選ぶこと
- 1冊を徹底的にやり込むこと
の2点です。
1については、背伸びをして少し難しい問題集・参考書をやったところで、やった気にはなるかもしれませんが、力にはなっていません。
よくいる受験生の失敗例としては、「志望校が難関大学だから、問題数も発展レベルを選ぶ」という考え方の人です。志望校のレベルに関係なく、基礎を疎かにする人は受験で上手くいきませんので、見栄を張らず、徹底的に基礎問題をやりましょう!
その際に、今回購入した参考書などは、その1冊を隅から隅までやってください。次から次へと違うものにうつらないでください。
3冊の参考書をそれぞれ1周ずつ勉強するよりも、1冊の参考書を3周する方が、基礎力は確実に身に付きます。
特に基礎問題、典型問題に関しては、即答できるレベル、つまり暗記しなければいけません。
数学はよく発想力が必要だと言われますが、大学受験の数学の問題で発想力が本当に必要なのは、極々一部の大学の一部の学科だけ。解法暗記と計算力があれば、多くの大学の問題で平均点以上は絶対に取れるようになりますので、上で紹介した参考書・問題集を1冊完璧に仕上げ、基礎力向上に取り組みましょう!
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