数学は暗記?発想力?数学的なセンスは必要なのか?
結論から言うと,受験数学においては,ほぼほぼ暗記です。
ちなみに大学で数学を本気で学ぼうと考えている人(数学科への進学を考えている人)については,発想力やセンスは必要です。
しかし受験数学においては、しっかりと有名な解法パターンを暗記し,それを組み合わせて取り組むことで確実に突破できます。特に高校数学からは,中学校で学習してきた内容よりも量・質ともに増えますので,数学的なセンスよりも日々の学習習慣の方がはるかに大切です。
※過去の担当してきた生徒でも,中学までは全く数学が出来なかったが,日々の学習習慣がしっかり身についており,ものすごく数学の力がついた生徒がたくさんいます。また逆に,中学まではそれなりに数学を得意としていても,高校内容になり,学習習慣がなくついていけなくなった生徒もたくさんいます。
日々の数学の勉強(予習・復習)について
予習について
授業の予習はしていますか?
数学の予習となると,難しくて出来ないという人がよくいます。
しかしそれは予習のやり方にも問題が。「予習=問題を解く」は半分正解,半分不正解です。
それでは予習で何をするべきなのか?
新しく出てくる定義(用語),定理,公式をしっかりと完璧に覚える!
これは数学が得意とか不得意とか関係なくできることです。
・例えば平面図形の分野で,「外心」という言葉が初めて登場するとします。
外心とはそもそも何なのか,どのような性質を持っているのか,どのように作図するのか,などなど・・・と言ったルールをしっかり覚えることがとても重要です。もちろんなぜそのような性質になるのかが教科書を読んだだけでは分からないとしても,とりあえずは外心とは○○だ!という定義を完璧に覚えてください。
数学の世界では,言葉の定義,ルールに関しては絶対です。誰に教えてもらっても同じです。だったら自分で事前に覚えてから授業に臨んでください。
数学を苦手とする人の多くが,問題が解ける,解けない以前の問題として,ルールをそもそも覚えていないことがほとんどです。
サッカーをやっていて突然ボールを抱えて走り出したらどうしますか?数学が苦手な人は平気でそのようなことをしているんです!まずは「手は使ってはいけない。ただしキーパーはあるエリアの中なら手を使ってOK」という最低限のルールを覚えないと,いくら練習しても試合は出来ません・・・。
授業の前にルールをしっかりと覚えて臨み,どのように問題を解くのか,教科書にのっていない他にも大切なことを授業の中で学習していけるようにしてください。
※ 理解もしていないのにとりあえず覚えるのは効率が悪い。理解してから覚えるべきだ!と言う意見があります。それが間違えているというつもりはありません。それが出来る人はそれをやればよいと思います。
数学が苦手な人は,とりあえず受け入れて,使っていく中で理解していくことがとても大切です。
ちなみに,高校数学を厳密にしっかりと理解しようとすれば,大学数学以上の知識が必要となりますので,そもそもしっかりと完璧に理解しようということ自体が無理な話!
ルールを覚えたら,簡単な問題で良いのでとりあえず解いてみる
変にむずかしい問題を解く必要はありません。ただただ公式を当てはめるだけの問題でOK!
ちゃんと公式が覚えて使えているかの確認をしましょう。
「分かる,覚えた」≠「問題が解ける」です。分かる,覚えたことと,問題が解けることは全く別物。
基本的な問題を解くことで,公式を体にしみこませてください。
余力があれば教科書例題にチャレンジ。理解できなくてもOK。問題文を読んでおくだけでもOK。
その際に,授業ノートに図だけでも書いておくと授業で聞くことに集中できます。
たいていの場合,新しいルールを習い,そのルールになれる前に授業では問題を解いていくため,そのスピードについていけずに分からなくなっていきます。だからこそルールを先にしっかりと予習しておくことで,問題を解くこと,授業を聞くことに集中できるため,1時間の授業で定着する内容が全く変わります。
復習(授業後)について
人間は忘れる生き物である。
「エビングハウスの忘却曲線」は有名ですね。知らない人のために簡単に説明をすると,勉強した20分後に42%忘れ,1時間後には56%,さらに,1日後には74%忘れるというものです。
だからこそ効率的に復習をしていかなければいけません。
復習の頻度について
- 授業後すぐ
- 授業があった日
- 週末
- テスト期間、模試の前
① その日の授業で一番大切なことは○○!と心の中で唱える
1時間の授業の中でたくさんのことを学習していると思いますが,あえて1つだけに絞ってください。その代り,その一つのことは絶対に忘れないぞ!!と言う強い気持ちを込める。
授業後の僅か数秒で終わる復習法ですが,意外と効果があります。良かったらお試しを!
② 授業があった日,放課後または帰宅後に問題演習を通して復習
「エビングハウスの忘却曲線」によれば,今日中に復習しておかないと7割以上忘れていきます。
さすがにこれはもったいない。その日に解いた教科書の問題をもう一度取り組んでも良いと思いますし,問題集を使って類題を解いてもOK。
その際に,「公式,解答を見ながら解かない!」「解く時間を意識する!」の2点に気を付けてください。
解答を見ながら問題を解いても,出来た気になっているだけ。それでは力は付きません。
また,入試は時間との勝負でもあります。演習をする際は,「○分以内に解く!」と言った目標を立てて解くように。
他教科とのバランスもあるので,どうしても時間が取れないという場合でも,その日のノートをパラパラと見返すだけでも全然違います。大切なのは記憶が新しいうちに再度確認をすること!
③ 週末にその一週間で学習した内容の復習
①や②でどれだけ復習したかによってこの週末の復習にかかる時間が大きく変わります。
効率的に復習を行いたのであれば,③に力を入れるよりも,①や②を短時間でも良いので毎日行う方がはるかに良いと思います。
④ テスト期間、模試の前に総復習
①から③で復習をコツコツと取り組んできた人は④がとても楽になります。
逆に①から③を全く行なっていない人は、その期間にいくら詰め込んでも、テストが終われば・・・。となっていませんか?
そのような勉強をしていては、大学受験では全く使い物になりません。
そしてテスト期間では今までよく間違えている問題を中心に,苦手をつぶすための復習を行いましょう。
復習の完成度は?
復習をする際に,よく聞かれる質問の1つです。
一番分かりやすい目安としては,友達に教えられるレベルです。
友達が多い人はどんどん友達に教えてください!これは本当にコスパが良い勉強です。
言葉にして伝えるという行為は,頭の中を整理することに繋がり,また自身が分かったつもりになっていた点を明確にしてくれます。その点をしっかりと再度復習すれば自分は完璧に定着していきます。
さらに複数の友達に教えていると,多くの人がつまずくポイントが見えてきます。そしてそのポイントがよくテストに狙われると言うことを覚えておいてください。
もちろん友達にも感謝されるわけですから,基本的にはメリットしかありません。
人見知りで友達には・・・と言う人は。
これは私も良くやっていた方法ですが,自分に自分で教えるという方法です。私という教師が,私という生徒に教えます。その際に,できるだけ生徒役の私は捻くれた質問を教師の私にしてください(笑)
別に友達に教えずとも,同じような効果が得られます。ただ一つ注意するとすれば,ちょっと寂しいです。
いずれにしても大切なことはその都度しっかりと復習をすること。
受験数学においては、まずは学習習慣をしっかりと確立することを第一にしましょう。
毎日お風呂に入るように,毎日歯を磨くように,勉強をクセにすることが大切です。
習慣さえ身につけば,大学受験の数学はできるようになります!
私には数学のセンスがないから・・・はただの言い訳です。勉強の習慣がないだけ。
基本的なことではありますが,予習復習をしっかりと行い,数学を得意にしていきましょう!
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