大学受験の仕組みは大変複雑で、学校や塾の先生に進路指導を丸投げしていませんか?
確かに毎年毎年受験のスタイルも変化し、10年以上現場で受験指導をしている私でさえも、全てを把握できているかと言えば自信がありません。
それだけ複雑な受験を、全て理解しようとするのは無理でも、せめて最低限の知識を入れた上で、学校や塾の先生に相談できるようにしましょう!
ここでは受験大枠、細かいことまではお話ししません。受験に詳しい方がこれを読むと情報が不足しているとご指摘があるかもしれませんが、まず最低限おさえて欲しい点だけまとめました。
国公立大学について
①大学共通入学テスト
9月末に学校を通して出願。(浪人生は個人)
毎年1月の15日付近の土日に実施!
※国公立大学志望の人は必ず受験する。
②一般選抜(前期・中期・後期試験)
①の共通テストの結果をもとに、国公立大学の前期・中期・後期を1月末頃までに出願。
※前期・中期・後期には1校ずつしか出願できない。
※前期・中期・後期は同時に出願。
※中期は実施している大学が少ない。また近年、後期試験も実施する大学は少なくなってきている。
前期試験
試験:2月25日
結果発表:3月6~10日頃
中期試験
試験:3月8日頃
結果発表:3月20日頃
後期試験
試験:3月12日頃
結果発表:3月20~23日頃
③総合型選抜(旧:AO入試)
・出願の目安は9月~
・学校長の推薦書は不要
・専願
・選考では「大学が求める人物像と合っているか」「入学への強い意欲があるか」「大学・学部学科のことをよく理解しているか」「入学後の明確な目標があるか」などが重視され、大学・学部学科にふさわしいかで審査される入試。
④学校型推薦選抜(旧:推薦入試)
・出願の目安は10月~11月
・学校長の推薦書が必要
・専願
・学業成績やスポーツ・課外活動実績などについて一定の水準が求められる
・高校ごとで出願できる枠に制限がある
・書類、面接、小論文、口頭試問、実技などで選抜される
・大学入学共通テストの結果を活用する大学や学力試験を課す大学もあるため事前に調べる必要あり
私立大学について
私立大学の入試は本当に複雑です。
とある大学の説明会で聞いた話ですが、その大学の入試は、最大で20回ほど何かしらの形で受験できると言っていました。それすべてを説明するのは難しすぎるため、どこの大学でも実施しているメインの入試だけを抜粋します。
①一般入試(前期・中期・後期)
- 前期 試験:1月下旬~2月中旬
- 中期 試験:2月中旬~2月下旬
- 後期 試験:2月下旬~3月中旬
国公立との違い
・前期試験だけでも複数日試験がある。(日程が重ならなければ何校でも出願可能)
・大学共通テストを受験しなくても受けられる。
②大学共通テスト利用入試
共通テストの結果のみで合否を判定してくれる試験や、国公立大学のように共通テストの結果と、前期試験の結果の合計で合否を判定してくれる併用型など、共通テストを利用しても受験できる。
③推薦入試関係
総合型選抜(旧:AO入試)
これに関しては国公立大学とほぼほぼ似たようなもの
学校型推薦選抜(旧:推薦入試)
これも国公立大学と同じ点に関しては説明省略
異なる点について
・面接や小論文と言った試験だけの大学も確かにありますが、学力試験のみで合否を決めるものも多数。
・名前は推薦入試だが、実質、早い一般入試と考えてもらってよい。
・学校長の推薦書を必要としない大学もある
・専願・併願と大学によってバラバラ
指定校推薦
指定校として認定した高校に対して一定数(1〜3人程度)の入学枠を大学が与える代わりに、優秀な生徒(入学希望者)を推薦してもらう仕組み。大学と高校の信頼関係で成り立っている制度。
指定校にどのような大学・学部があるかどうかは、各高校の進路指導の先生にお尋ねください。学校によってバラバラです。
指定校推薦を希望する場合、多くの高校で7月末頃に指定校の一覧が発表され、希望者は夏の三者面談で担任と相談。その後、校内での選抜(評定や実力テストなどの結果をもとに判定。判定基準は高校ごと)が行われ、指定校推薦される。※まだ大学に合格したわけではない
11月頃に大学に出願し、その後大学から指示された入試を受験し、12月頃に合否が出る。
指定校推薦されれば特別な理由がないかぎりは合格できるため、生徒、保護者の方にとっては魅力的。ただし専願での出願になるため、合格したら必ず進学しなければなりません。
また大学との信頼関係の下での入試になりますので、大学合格後に成績不振などがある場合、指定校が解除されることがあります。
指定校に関しては、必ず行きたい学部学科があるとは限らないため、志望している大学の学部があったらラッキーぐらいに思っておくのが良いでしょう。
他にもまだまだたくさん入試のスタイルがあります。
入試は情報戦でもあります。
噂やデマに振り回されることなく、正しい情報をしっかりと手に入れましょう。
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