【島根大学】
\(f(x)=\begin{cases}0 (x=0)\\x\sin \displaystyle\frac{1}{x} (x\not=0)\end{cases}\) , \(g(x)=\begin{cases}0 (x=0)\\x^2\sin \displaystyle\frac{1}{x} (x\not=0)\end{cases}\) とする.
(1) \(f(x)\) は \(x=0\) で連続であるが,\(f^{\prime}(0)\) は存在しないことを示せ.
(2) \(g^{\prime}(0)\) は存在するが,\(g^{\prime}(x)\) は \(x=0\) で不連続であることをしめせ.
関数の連続性について
\(a\) を関数 \(f(x)\) の定義域に属する値とするとき,関数 \(f(x)\) が \(x=a\) で連続であるとき
- 極限値 \(\displaystyle\lim_{x\rightarrow a}f(x)\) が存在する
- \(\displaystyle\lim_{x\rightarrow a}f(x)=f(a) \) が成り立つ
関数の微分可能性
ある関数 \(f(x)\) において,微分係数
\(f^{\prime}(a)=\displaystyle\lim_{h\rightarrow 0}\displaystyle\frac{f(a+h)-f(a)}{h}=\displaystyle\lim_{x\rightarrow a}\displaystyle\frac{f(x)-f(a)}{x-a}\)
が存在するとき,
\(f(x)\) は \(x=a\) において微分可能である
連 続・・・つながっている
微分可能・・・滑らかにつながっている
というざっくりとしたイメージを持っておきましょう!
関数の連続性と微分可能性について
「微分可能である」⇒「連続である」
が成り立つ.ただし逆は成り立たない.
逆が成り立たない反例については,(1)を参考に!
解答・解説
(1)
\(f(0)=0\) より,
\(0≦|f(h)-f(0)|=|f(h)|=\left|h\sin h\right|≦|h|\)
\(\displaystyle\lim_{h\rightarrow 0}|h|=0\) より,はさみうちの原理から
\(\displaystyle\lim_{h\rightarrow 0} |f(h)-f(0)|=0\)
よって,\(\displaystyle\lim_{h\rightarrow a}f(x)=f(a)\)
ゆえに,\(f(x)\) は \(x=a\) で連続である.
次に
\(\displaystyle\frac{f(h)-f(0)}{h-0}=\displaystyle\frac{f(h)}{h}=\displaystyle\frac{1}{h}\cdot h\sin \displaystyle\frac{1}{h}=\sin \displaystyle\frac{1}{h}\) ( \(h\not=0\) )
において,\(\displaystyle\lim_{h\rightarrow 0}\sin\displaystyle\frac{1}{h}\) は振動するため有限な値に収束しない.
つまり,\(f^{\prime}(0)\) は存在しない.
(2)
\(\displaystyle\lim_{h\rightarrow 0}\displaystyle\frac{g(h)-g(0)}{h}=\displaystyle\lim_{h\rightarrow 0}\displaystyle\frac{g(0)}{h}=\displaystyle\lim_{h\rightarrow 0}h\sin\displaystyle\frac{1}{h}\)
(1)より
\(\displaystyle\lim_{h\rightarrow 0}\displaystyle\frac{g(h)-g(0)}{h}=\displaystyle\lim_{h\rightarrow 0}f(h)=f(0)=0\)
よって,\(g^{\prime}(0)\) は存在する.
\(g^{\prime}(x)=\begin{cases}0(x=0)\\2x\sin \displaystyle\frac{1}{x}-\cos\displaystyle\frac{1}{x}(x\not=0)\end{cases}\)
\(x\rightarrow 0\) のとき,(1)より \(2x\sin \displaystyle\frac{1}{x}\rightarrow 0\) となるが,
\(\cos \displaystyle\frac{1}{x}\) は振動するため,\(\displaystyle\lim_{x\rightarrow 0}g^{\prime}(x)\) は存在しない.
つまり,\(g^{\prime}(x)\) は \(x=0\) で不連続である.
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