【2017横浜市立大学・医学部】
\(\displaystyle\frac{148953}{298767}\) を約分して、既約分数にせよ.
実際に医学部で出題された問題になります。
たかが約分、されど約分。
ただ約分をするだけの問題ですから、分母分子をガッツで探し続ければいつかは答えが求まりますが・・・
さて、この問題を見てしっかりと方針が立てれるでしょうか?当然、ただただガッツで求める問題ではありません!
倍数判定法
倍数判定について
- \(2\) の倍数 ⇒ 下 \(1\) 桁が \(2\) の倍数
- \(4\) の倍数 ⇒ 下 \(2\) 桁が \(4\) の倍数
- \(8\) の倍数 ⇒ 下 \(3\) 桁が \(8\) の倍数
- \(5\) の倍数 ⇒ 下 \(1\) 桁が \(5\) の倍数
- \(3\) の倍数 ⇒ 各位の和が \(3\) の倍数
- \(9\) の倍数 ⇒ 各位の和が \(9\) の倍数
- \(11\) の倍数:「奇数桁の数の和」と「偶数桁の数の和」の差が \(11\) の倍数
まず初めに、分子の \(148953\) について各位の和を考えると、
\(1+4+8+9+5+3=30\) となる \(3\) の倍数
分母の \(298767\) について各位の和を考えると、
\(2+9+8+7+6+7=39\) となる \(3\) の倍数
したがって、分母分子ともに \(3\) で割れるので、
\(\displaystyle\frac{148953}{298767}=\displaystyle\frac{49651}{99589}\)
多くの人がここまではできます。差がつくのはこの先。
この分数がこれ以上約分できるかどうかの判断はできますか?
ここからが本問のポイントになります!
ユークリッドの互除法
【ユークリッドの互除法】
\(2\) つの自然数 \(a\) 、\(b\) において、\(a\) を \(b\) で割ったときの商を \(q\)、余りを \(r\)
\(a=b\times q+r\) のとき
\(a\) と \(b\) の最大公約数は、\(b\) と \(r\) の最大公約数に等しい
まだ約分ができるということは、分母分子の最大公約数が \(1\) よりも大きいことを意味します。
つまり、分母と分子の最大公約数を求めることができれば、約分できるかどうがを判断することができます。
そこで、大きな値(または文字式)の最大公約数についての問題は、ユークリッドの互除法を利用できるようになりましょう!
解答
\(\displaystyle\frac{148953}{298767}\) の分母分子はともに \(3\) で割れるため
\(\displaystyle\frac{148953}{298767}=\displaystyle\frac{49651}{99589}\)
次に、
\(99589=49651\times 2+287\)
\(49651=287\times 173+0\)
ユークリッドの互除法より、
\(99589\) と \(49651\) の最大公約数は、\(287\) となる.
したがって、
\(\displaystyle\frac{49651}{99589}=\displaystyle\frac{287\times 173}{287\times 347}=\displaystyle\frac{173}{347}\)
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