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2022一橋大学・第1問【整数問題】2^a3^b+2^c3^d=2022を満たす0以上の整数

整数問題

【2022一橋大学・第1問】

\(2^a3^b+2^c3^d=2022\) を満たす \(0\) 以上の整数 \(a\)、\(b\)、\(c\)、\(d\) の組を求めよ.

考え方・解答

対称性の利用

\(2^a3^b\) と \(2^c3^d\) には対称性があるため、\(b≦d\) としても一般性を失わない.

※\(a≦c\) としてもよい.

※最後求めた答えで、\(b\)、\(d\) の入れ替えた答えの言い忘れに注意!

 

範囲の絞り込み

まず整数問題すべてに共通して言えるPointは

  1. 積の形に変形
  2. 条件から範囲を絞る
  3. 倍数や余りに注目

整数問題の多くが、上の1から3のいずれかで処理できます。

条件から範囲を絞る

\(3\) のべき乗に注目すると、

\(n\) 0 1 2 3 4 5 6 7
\(3^n\) 1 3 9 27 81 243 729 2187

\(b\)、\(d\) は \(7\) 以上の整数とはならない.

よって、\(0≦b≦6\)、\(0≦d≦6\) とわかる

※\(2\) のべき乗で考えても良いが、\(3\) の方がより範囲が絞れるため、\(3\) について考えた

倍数や余りに注目

右辺を素因数すると \(2022=2\times 3\times 337\) であるから、

\(2022\) は \(3\) の倍数であるが、\(3^n\) (n は 2 以上の整数 ) の倍数ではない.

つまり、\(b\)、\(d\) がともに \(2\) 以上となることはない.

 

ここまでをまとめると、

・\(b≦d\) としても一般性を失わない.

・\(0≦b≦6\)、\(0≦d≦6\)

・\(b\)、\(d\) がともに \(2\) 以上とならない.

☞ \(b\) は \(0\) または \(1\) 

\(b=0\) のとき

(ⅰ) \(d=0\) のとき

\(2^a3^b+2^c3^d=2022\) \(\iff 2^a+2^c=2022\)

\(n\) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
\(2^n\) 1 2 4 8 16 32 64 128 256 512 1024 2048

上の表より、\(2\) のべき乗の和が \(2022\) とならないため不適.

 

(ⅱ) \(d≧1\) のとき

\(2^a3^b+2^c3^d=2022\)

\(\iff 2^a+2^c3^d=2022\)

\(\iff 2^a=2022-2^c3^d=3(674-2^c3^{d-1})\)

右辺は \(3\) の倍数となるが、左辺は \(3\) を因数に持たないため不適.

(ⅰ)、(ⅱ)より、\(b\not=0\) である.

\(b=1\) のとき

\(2^a3^b+2^c3^d=2022\)

\(\iff 2^a\times 3+2^c3^d=2022\)

\(\iff 2^a+2^c3^{d-1}=674\) ・・・①

また、\(b≦d≦6\) より、\(d=1,2,3,4,5,6\)

 

・\(d=1\) のとき

①より、\(2^a+2^c=674\)

\(n\) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
\(2^n\) 1 2 4 8 16 32 64 128 256 512 1024

上記の表より、和が \(674\) となる \(2\) のべき乗は存在しない.

 

・\(d=2\) のとき

①より、\(2^a+3\times 2^c=674\)

これを満たすためには、\(3\times 2^c<674\) であることが必要

\(2^c<\displaystyle\frac{674}{3}=224.666\cdots\) より

\(c≦7\) であることが必要

①より、\(2^a=674-3\times 2^c\) にそれぞれ代入すると、

\(c\) 0 1 2 3 4 5 6 7
\(2^a\) 671 668 662 650 626 578 482 290

となり、これらを満たす \(0\) 以上の \(a\) は存在しない.

 

・\(d=3\) のとき

①より、\(2^a+9\times 2^c=674\)

これを満たすためには、\(9\times 2^c<674\) であることが必要

\(2^c<\displaystyle\frac{674}{9}=74.888\cdots\) より

\(c≦6\) であることが必要

①より、\(2^a=674-9\times 2^c\) にそれぞれ代入すると、

\(c\) 0 1 2 3 4 5 6
\(2^a\) 665 656 638 602 530 386 98

となり、これらを満たす \(0\) 以上の \(a\) は存在しない.

 

・\(d=4\) のとき

①より、\(2^a+27\times 2^c=674\)

これを満たすためには、\(27\times 2^c<674\) であることが必要

\(2^c<\displaystyle\frac{674}{27}=24.962\cdots\) より

\(c≦4\) であることが必要

①より、\(2^a=674-27\times 2^c\) にそれぞれ代入すると、

\(c\) 0 1 2 3 4
\(2^a\) 647 620 566 458 242

となり、これらを満たす \(0\) 以上の \(a\) は存在しない.

 

・\(d=5\) のとき

①より、\(2^a+81\times 2^c=674\)

これを満たすためには、\(81\times 2^c<674\) であることが必要

\(2^c<\displaystyle\frac{674}{81}=8.320\cdots\) より

\(c≦3\) であることが必要

①より、\(2^a=674-81\times 2^c\) にそれぞれ代入すると、

\(c\) 0 1 2 3
\(2^a\) 593 512=\(2^9\) 350 26

となり、条件を満たすのは、\((a,c)=(9,1)\) のとき

 

・\(d=6\) のとき

①より、\(2^a+243\times 2^c=674\)

これを満たすためには、\(243\times 2^c<674\) であることが必要

\(2^c<\displaystyle\frac{674}{243}=2.773\cdots\) より

\(c≦1\) であることが必要

①より、\(2^a=674-81\times 2^c\) にそれぞれ代入すると、

\(c\) 0 1
\(2^a\) 431 188

となり、これらを満たす \(0\) 以上の \(a\) は存在しない.

 

以上より、\(b≦d\) のとき求める整数 \(a\)、\(b\)、\(c\)、\(d\) の組は、

\(( a , b , c , d )=(9,1,1,5)\)

\(d≦b\) のときも同様に考え、\(( a , b , c , d )=(1,5,9,1)\)

したがって、\(( a , b , c , d )=(1,5,9,1)\)、\((9,1,1,5)\)

最後に

今回は最後の方は1つ1つ実験し不適になることを確認していった。

もっと上手に範囲を絞り込み、実験する量を減らすことも可能であろう。

試験中に可能な限り範囲の絞り込みの案を出し、どれほど絞り込めるかで、後々の計算量は大きく変わってくる。

かと言って、絞ることばかり考え、妙案が出ずに時間オーバーになるのもいけない。

自宅での演習の際は、是非もっと絞り込むことは出来ないかと考える練習をし、模試や本番ではある程度まで絞れたら、最後は1つ1つ潰していくと言うのも全然ありである!

いずれにせよ、この1問を通して、条件から範囲を絞る練習、そして範囲を絞ることの大切さを学んでほしい。

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