【東京大学・理類】
関数 f(x) を f(x)=\displaystyle\frac{1}{2}x\left\{1+e^{-2(x-1)}\right\} とする.
ただし,e は自然数対数の底である.
(1) x>\displaystyle\frac{1}{2} ならば 0≦f^{\prime}(x)<\displaystyle\frac{1}{2} であることを示せ.
(2) x_{0} を正の数とするとき,数列 \left\{x_{n}\right\} ( n=0,1,\cdots ) を,x_{n+1}=f(x_{n}) によって定める.
x_{0}>\displaystyle\frac{1}{2} であれば,\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}x_{n}=1
であることを示せ.
漸化式で定められた数列の極限の求め方
漸化式の一般項が求められなくても,極限値を求めることができる問題は頻出タイプです!
解法の手順を確認しておきましょう!
数列 \left\{a_{n}\right\} が漸化式
a_{1}=a , a_{n+1}=f(a_{n}) ・・・①
を満たし,\left\{a_{n}\right\} は \alpha に収束するとする.
( ⅰ ) ①の両辺で n \rightarrow \infty とすると \alpha=f(\alpha) となる.
よって,極限値 \alpha は,x=f(x) の解
( ⅱ ) 不等式 |a_{n+1}-\alpha|≦r|a_{n}-\alpha| ( r は 0<r<1 を満たす定数 ) ・・・②
を導く.
( ⅲ ) ②を繰り返し用いて,
0≦|a_{n+1}-\alpha|≦r^{n-1}|a_{1}-\alpha|
0<r<1 より,\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}r^{n-1}|a_{1}-\alpha|=0 であるから,
はさみうちの原理より,\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}|a_{n}-\alpha|=0
つまり,\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}a_{n}=\alpha
解答・解説
(1)
f(x)=\displaystyle\frac{1}{2}x\left\{1+e^{-2(x-1)}\right\} より
f^{\prime}(x)=\displaystyle\frac{1}{2}\left\{1+e^{-2(x-1)}-2xe^{-2(x-1)}\right\}
f^{\prime\prime}(x)=\displaystyle\frac{1}{2}\left\{-2e^{-2(x-1)}-2e^{-2(x-1)}+4xe^{-2(x-1)}\right\}
=2e^{-2(x-1)}(x-1)
x | \left(\displaystyle\frac{1}{2}\right) | ・・・ | 1 | ・・・ |
f^{\prime\prime}(x) | ー | 0 | + | |
f^{\prime}(x) | \left(\displaystyle\frac{1}{2}\right) | ↘️ | 0 | ↗️ |
\displaystyle\lim_{x\rightarrow\infty}f^{\prime}(x)=\displaystyle\lim_{x\rightarrow\infty}\displaystyle\frac{1}{2}\left\{1+\displaystyle\frac{1}{e^{2(x-1)}}+\displaystyle\frac{2x}{e^{2(x-1)}}\right\}=\displaystyle\frac{1}{2}
よって x>\displaystyle\frac{1}{2} ならば 0≦f^{\prime}(x)<\displaystyle\frac{1}{2}
(2)
まず初めに,x_{n}>\displaystyle\frac{1}{2} ( n=0,1,2,\cdots ) ・・・①
が成り立つことを数学的帰納法を用いて示す.
( ⅰ ) n=0 のとき
x_{0}>\displaystyle\frac{1}{2} より成立する.
( ⅱ ) n=k のとき,x_{k}>\displaystyle\frac{1}{2} と仮定する
(1)より,x>\displaystyle\frac{1}{2} のとき
0≦f^{\prime}(x)<\displaystyle\frac{1}{2} であるから,
f(x) は x>\displaystyle\frac{1}{2} において単調増加である.
よって,f(x)>f\left(\displaystyle\frac{1}{2}\right)
f(x)>\displaystyle\frac{1}{4}(1+e)>\displaystyle\frac{1}{4}(1+1)=\displaystyle\frac{1}{2}
よって,x_{n+1}=f(x_{n})>\displaystyle\frac{1}{2}
となり n=k+1 のときも成り立つ.
( ⅰ ),( ⅱ )より,①は常に成り立つ.
次に a , b を x>\displaystyle\frac{1}{2} を満たす数とする.
a\not=b のとき平均値の定理より
\displaystyle\frac{f(b)-f(a)}{b-a}=f^{\prime}(c) ・・・②
をみたす c が a と b の間に存在する.
c>\displaystyle\frac{1}{2} であるから,(1)より 0≦f^{\prime}(c)<\displaystyle\frac{1}{2} なので②より
|f(b)-f(a)|=|f^{\prime}(c)||b-a|≦\displaystyle\frac{1}{2}|b-a| ・・・③
また,a=b のときも③は成り立つ.
③において,a=1 , b=x_{n} とすると
|f(x_{n})-f(1)|≦\displaystyle\frac{1}{2}|x_{n}-1|
|f(x_{n})-1|≦\displaystyle\frac{1}{2}|x_{n}-1| ・・・④
④を繰り返し用いると
0≦|x_{n}-1|<\left(\displaystyle\frac{1}{2}\right)^n|x_{0}-1|
\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}\left(\displaystyle\frac{1}{2}\right)^n|x_{0}-1|=0
であるから,はさみうちの原理より
\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty} |x_{n}-1|=0
したがって,\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}x_{n}=1
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