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【2021浜松医科大学・医学部】漸化式と極限|階段を1段または1段飛ばしで登る

漸化式

【2021浜松医科大学・医学部・第3問】

階段を一度に \(1\) 段登る.または \(1\) 段飛ばして登る登り方をするとき,\(n\) 段目までの登り方の総数を \(a_{n}\) とする.例えば,\(a_{1}=1\),\(a_{2}=2\),\(a_{3}=3\) である.以下の問いに答えよ.

(1) \(n\) を \(3\) 以上の整数とする.\(n-1\) 段目を踏む \(n\) 段目までの登り方の総数を \(b_{n}\),\(n-1\) 段目を踏まない \(n\) 段目までの登り方の総数を \(c_{n}\) とする.\(b_{n}\),\(c_{n}\) を \(a_{1}\),\(a_{2}\),\(\cdots\),\(a_{n-1}\) を用いて表せ.

(2) 極限値 \(\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}\displaystyle\frac{a_{n+1}}{a_{n}}\) が存在することを認めて,この極限値を求めよ.

(3) \(n\) を \(2\) 以上の整数とするとき,等式

\(a_{2n}=a_{n}^2+a_{n-1}^2\)

が成立することを示せ.

解答・解説

(1)

\(n-1\) 段目までの登り方の総数は \(a_{n-1}\) 通りであり,そこから \(n\) 段目までの登り方は \(1\) 通りなので,\(b_{n}=a_{n-1}\)

また,\(n-2\) 段目までの登り方の総数は \(a_{n-2}\) 通りであり,そこから \(n-1\) 段目を踏まずに \(n\) 段目までの登り方は,\(1\) 段飛ばしでの \(1\) 通りより,\(c_{n}=a_{n-2}\)

したがって,\(b_{n}=a_{n-1}\),\(c_{n}=a_{n-2}\)

(2)

\(n≧3\) のとき \(n\) 段目までの登り方の総数は \(a_{n}\) 通りより

\(a_{n}=b_{n}+c_{n}\)

(1)より

\(a_{n}=a_{n-1}+a_{n-2}\)

ゆえに,\(a_{n+1}=a_{n}+a_{n-1}\)

\(a_{n}>0\) より両辺を \(a_{n}\) で割ると

\(\displaystyle\frac{a_{n+1}}{a_{n}}=1+\displaystyle\frac{a_{n-1}}{a_{n}}\)

ここで,\(t=\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}\displaystyle\frac{a_{n+1}}{a_{n}}\) とおく( \(t>0\) )

\(\displaystyle\frac{1}{t}=\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}\displaystyle\frac{a_{n-1}}{a_{n}} \)

よって,\(t=1+\displaystyle\frac{1}{t}\)

\(\iff\) \(t^2-t-1=0\)

\(t>0\) より \(t=\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{2}\)

したがって,\(\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}\displaystyle\frac{a_{n+1}}{a_{n}}=\displaystyle\frac{1+\sqrt{5}}{2}\)

(3)

\(n≧2\) のとき \(2n\) 段目までの登り方で \(n\) 段目を踏むかどうかで場合分けして考える.

・\(n\) 段目を踏むとき

\(n\) 段目までの登り方は \(a_{n}\) 通りあり,\(n\) 段目から \(2n\) 段目までの登り方も \(a_{n}\) 通り

ゆえに \(n\) 段目を踏むときの登り方は \(a_{n}^2\) 通り

・\(n\) 段目を踏まないとき

\(n-1\) 段目を踏み,\(1\) 段飛ばしで \(n+1\) 段目に行き,\(n+1\) 段目から \(2n\) 段目までの登り方を考えれば良い.

\(n-1\) 段目までの登り方は \(a_{n-1}\) 通り,\(n+1\) 段目から \(2n\) 段目までの登り方も \(a_{n-1}\) 通り

ゆえに \(n\) 段目を踏まないときの登り方は \(a_{n-1}^2\) 通り

したがって,\(a_{2n}=a_{n}^2+a_{n-1}^2\) が成立

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