【2021早稲田大学・人間科学】
不等式 \((x-6)^2+(y-4)^2≦4\) の表す領域を点 \(P (x,y)\) が動くものとする.
(1) \(x^2+y^2\) の最大値を求めよ.
(2) \(\displaystyle\frac{y}{x}\) の最小値を求めよ.
(3) \(x+y\) の最大値を求めよ.
解答・解説
円 \((x-6)^2+(y-4)^2=4\) を \(C\) とする.
不等式 \((x-6)^2+(y-4)^2≦4\) の表す領域は右の図の影付き部分である.
ただし,境界線を含む.
(1) \(x^2+y^2\) の最大値
\(x^2+y^2=r^2\) ・・・① とおく.
①は中心原点,半径 \(r\) の円を表す.
半径 \(r\) が最大となるのは,右図より
円①と円 \(C\) が内接するときであるから,
\(\sqrt{6^2+4^2}=r-2\)
よって,\(r=2\sqrt{13}+2\)
したがって,求める最大値は \(r^2=56+8\sqrt{13}\)
(2) \(\displaystyle\frac{y}{x}\) の最小値
\(\displaystyle\frac{y}{x}=k\) ・・・② とおく.
このとき \(y=kx\) は傾き \(k\) で原点を亨通る直線を表す.
直線②と円 \(C\) が共有点をもつ条件は,
円 \(C\) の中心 \((6,4)\) と直線②との距離が円 \(C\) の半径以下になるときであるから
\(\displaystyle\frac{|m\cdot 6+(-1)\cdot 4|}{\sqrt{k^2+(-1)^2}}≦2\)
\(|3m-2|≦\sqrt{k^2+1}\)
両辺を \(2\) 乗して式を整理すると
\(8k^2-12k+3≦0\)
よって,\(\displaystyle\frac{3-\sqrt{3}}{4}≦k≦\displaystyle\frac{3+\sqrt{3}}{4}\)
したがって,求める最小値は \(\displaystyle\frac{3-\sqrt{3}}{4}\)
(3) \(x+y\) の最大値
\(x+y=p\) ・・・③ とおく.
③は傾き \(-1\) , \(y\) 切片 \(p\) の直線を表す.
直線③と円 \(C\) が共有点をもつための条件は,
円 \(C\) の中心 \((6,4)\) と直線③との距離が円 \(C\) の半径以下になるときであるから
\(\displaystyle\frac{|1\cdot 6+1\cdot 4-p|}{\sqrt{1^2+1^2}}≦2\)
\(|p-10|≦2\sqrt{2}\)
\(-2\sqrt{2}≦p-10≦2\sqrt{2}\)
\(-2\sqrt{2}+10≦p≦2\sqrt{2}+10\)
したがって求める最大値は,\(2\sqrt{2}+10\)
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