2021 横浜市立大学・医学部・第1問
\(2\) つの正の整数 \(a\)、\(b\) の最大公約数を \(G\) 、最小公倍数を \(L\) とするとき、
\(L^2-G^2=72\)
が成り立ちます.このような正の整数の組み \(( a , b )\) をすべて求めなさい.
整数問題のPoint
まず整数問題すべてに共通して言えるPointは
- 積の形に変形
- 条件から範囲を絞る
- 倍数や余りに注目
整数問題の多くが、上の1から3のいずれかで処理できます。
考え方
→Pointの1から
・\(L^2-G^2=(L+G)(L-G)\) と積の形に変形できる!
→Pointの2から
・\(L+G>L-G>0\) を利用して絞り込み
・和や差をとって偶奇を利用することで絞り込み
最大公約数・最小公倍数の性質
\(2\) つの自然数 \(a\)、\(b\) の最大公約数を \(G\) 、最小公倍数を \(L\) とする.
\(a=Ga’\)、\(b=Gb’\) であるとすると、次のことが成り立つ.
- \(a’\)、\(b’\) は互いに素である.
- \(L=Ga’b’\)
- \(ab=GL\)
解答
\(L^2-G^2=72\) より
\((L+G)(L-G)=2^3\times3^2\) であり、
\(L\)、\(G\) は自然数なので
\(L+G>L-G>0\) である.
よって、
\((L+G , L-G )=( 72 , 1 ) , ( 36 , 2 ) , ( 24 , 3 ) , ( 18 , 4 ) , ( 12 , 6 ) , ( 9 , 8 )\)
\((L+G)+(L-G)=2L\) つまり偶数であるから、
和が偶数になるためには、ともに偶数、ともに奇数のいずれか
つまり、\((L+G , L-G )=( 72 , 1 ) , ( 24 , 3 ) , ( 9 , 8 )\) は不適となる
よって、\((L+G , L-G )= ( 36 , 2 ) , ( 18 , 4 ) , ( 12 , 6 )\)
したがって、\(( L , G )=( 19 , 17 ) , ( 11 , 7 ) , ( 9 , 3 )\)
また、\(L\) は \(G\) の倍数であるから、
\(( L , G )=( 9 , 3 )\) ・・・①
ここで、互いに素な整数 \(a’\)、\(b’\) を用いて、
\(a=Ga’\)、\(b=Gb’\) とおく.
このとき、\(L=Ga’b’\) であるから、①の結果から
\(9=3a’b’\)
\(a’b’=3\)
よって、\(( a’ , b’ )=( 1 , 3 ) , ( 3 , 1 )\)
以上より、\(( a , b )=( 3 , 9 ) , ( 9 , 3 )\)
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