【2023久留米大学・医学部・第2問】
どの目も等しい確率で出る 1 個のサイコロを 1 回投げ,出た目が 3 の倍数ならば 2 点が加点され,3 の倍数でなければ 1 点が減点されるゲームを繰り返し行う.最初の持ち点を 0 点とするとき,
(1) 3 回目のゲーム終了時に 0 点となる確率は [ ] である.
(2) 6 回目のゲーム終了時にはじめて 0 点となる確率は [ ] である.
(3) 3 回目のゲーム終了時に 0 点になり,9 回目のゲーム終了時に 2 回目の 0 点となる確率は [ ] である.
(4) 9 回目のゲーム終了時にはじめて 0 点となる確率は [ ] である.
考え方(ランダムウォーク・推移図の利用)

ゲームの回数と持ち点の変化は,下図のように表すことができます。
視覚的に捉えることで,数え間違い,漏れがなくなります!
※3 の倍数の目が出た時は右上(赤矢印),
3 の倍数でなければ右下(青矢印) に動きます。
解答・解説
(1) 3 回目のゲーム終了時に 0 点となる確率
1 個のサイコロを 1 回投げ,出た目が 3 の倍数となる事象を A,3 の倍数でない事象を B とする.
このとき,それぞれの確率 P(A)=\displaystyle\frac{1}{3} ,P(B)=\displaystyle\frac{2}{3} となる.
右図のようにゲーム回数と持ち点を右図のように表すとき,
(3,0) に到達するのは,3 回のうち事象 A が 1 回,B が 2 回起こればよいので,
_{3}C_{1}\left(\displaystyle\frac{1}{3}\right)\left(\displaystyle\frac{2}{3}\right)^2=\displaystyle\frac{4}{9}
(2) 6 回目のゲーム終了時にはじめて 0 点となる確率
6 回目のゲーム終了時にはじめて 0 点となるのは,
(6,0) に到達する全事象から,(3,0) に到達したのちに (6,0) に到達する場合を除けばよいので
_{6}C_{2}\left(\displaystyle\frac{1}{3}\right)^2\left(\displaystyle\frac{2}{3}\right)^4-\left(\displaystyle\frac{4}{9}\right)^2=\displaystyle\frac{80}{243}-\displaystyle\frac{16}{81}=\displaystyle\frac{32}{243}
(3) 3 回目のゲーム終了時に 0 点になり,9 回目のゲーム終了時に 2 回目の 0 点となる確率
(1),(2)の結果から
\displaystyle\frac{4}{9}\times \displaystyle\frac{32}{243}=\displaystyle\frac{128}{2187}
(4) 9 回目のゲーム終了時にはじめて 0 点となる確率
まず (9,0) に到達する確率は
_{9}C_{3}\left(\displaystyle\frac{1}{3}\right)^3\left(\displaystyle\frac{2}{3}\right)^6=\displaystyle\frac{1792}{6561}
この確率から,次の( ⅰ )( ⅱ )( ⅲ )を除けばよい.
( ⅰ ) (3,0) と (6,0) の両方を通る場合
( ⅱ ) (3,0) のみを通る場合
( ⅲ ) (6,0) のみを通る場合
( ⅰ )のとき
(1)の結果を利用すると
\left(\displaystyle\frac{4}{9}\right)^3=\displaystyle\frac{64}{729}
( ⅱ ),( ⅲ )のとき
いずれも(3)の結果に等しいので,\displaystyle\frac{128}{2187}\times 2
よって求める確率は,
\displaystyle\frac{1792}{6561}-\displaystyle\frac{64}{729}-\displaystyle\frac{128}{2187}\times 2=\displaystyle\frac{448}{6561}
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