【2023慶応義塾大学・薬学部・第1問(3)】
\(a\) , \(b\) を実数とし,実数 \(x\) の関数 \(f(x)\) を \(f(x)=x^3+ax^2+bx-6\) とおく.方程式 \(f(x)=0\) は \(x=-1\) を解に持ち,\(f^{\prime}(-1)=-7\) である.
( ⅰ ) \(a=\) [ オ ] ,\(b=\) [ カ ] である.
( ⅱ ) \(c\) は正の実数とする.\(f(x)≧3x^2+4(3c-1)x-16\) が \(x≧0\) において常に成立するとき,\(c\) の値の範囲は [ キ ] である.
考え方・Point
ある範囲で \(f(x)≧0\) が成立
→ (ある範囲における \(f(x)\) の最小値)\(≧0\)
(※厳密には最小値でなく下限)
そもそも不等式とは、両辺のグラフの上下関係を表した式である.
つまり、\(f(x)≧0\) が成り立つと言うことは、
\(y=f(x)\) のグラフが、\(y=0\) ( \(x\) 軸 ) より上側(または接する)
視覚的には下図のようなイメージ
この図の状況を満たすためには、(\(f(x)\) の最小値) \(≧0\)
であれば、\(y=f(x)\) のグラフは \(y=0\) ( \(x\) 軸 ) より上側(または接する)にあり、条件を満たすことが出来る。
※ざっくり言うと、一番低いところが浮いていたら、残りのグラフも浮いている
解答・解説
\(f(x)=x^3+ax^2+bx-6\) において
\(f(-1)=0\) より \(a-b=7\) ・・・①
\(f^{\prime}(x)=3x^2+2ax+b\) で \(f^{\prime}(-1)=-7\) より
\(-2a+b=-10\) ・・・②
①,②より \(a=3\) ,\(b=-4\) ・・・[ オカ ]
よって,\(f(x)=x^3+3x^2-4x-6\)
\(f(x)≧3x^2+4(3c-1)x-16\)
\(\iff\) \(x^3-12cx+10≧0\)
ここで \(f(x)=x^3-12cx+10\) とおくと
\(x≧0\) において \(g(x)≧0\) が常に成立する \(c\) を求めればよい.
\(g^{\prime}(x)=3x^2-12c=3(x^2-4c)\)
\(g^{\prime}(x)=0\) のとき \(x=\pm 2\sqrt{c}\)
\(x\) | \(0\) | ・・・ | \(2\sqrt{c}\) | ・・・ |
\(g^{\prime}(x)\) | ー | \(0\) | + | |
\(g(x)\) | ↘️ | ↗️ |
\(x≧0\) において \(g(x)≧0\) が常に成立するためには
\(g(2\sqrt{c})≧0\) をみたせばよい.
\(g(2\sqrt{c})=-16c\sqrt{c}+10≧0\)
\(c\sqrt{c}≦\displaystyle\frac{5}{8}\)
\(c^{\frac{3}{2}}≦\displaystyle\frac{5}{8}\)
\(c≦\left(\displaystyle\frac{5}{8}\right)^{\frac{2}{3}}=\displaystyle\frac{\sqrt[3]{25}}{4}\)
\(c\) は正の実数より
\(0<c≦\displaystyle\frac{\sqrt[3]{25}}{4}\) ・・・[ キ ]
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