【2023早稲田大学・社会科学】
定数 \(m\) に対して,\(x\) , \(y\) , \(z\) の方程式
\(xyz+x+y+z=xy+yz+zx+m\) ・・・①
を考える.
(1) \(m=1\) のとき①式を満たす実数 \(x\) , \(y\) , \(z\) の組をすべて求めよ.
(2) \(m=5\) のとき①式を満たす実数 \(x\) , \(y\) , \(z\) の組をすべて求めよ.ただし \(x≦y≦z\) とする.
(3) \(xyz=x+y+z\) を満たす整数 \(x\) , \(y\) , \(z\) の組をすべて求めよ.ただし \(0<x≦y≦z\) とする.
整数問題のPoint
まず整数問題すべてに共通して言えるPointは
- 積の形に変形
- 条件から範囲を絞る
- 倍数や余りに注目
整数問題の多くが、上の1から3のいずれかで処理できます。
解答・解説
(1) \(m=1\) のとき
① \(\iff\) \( xyz+x+y+z-xy-yz-zx-1=0\) ・・・②
\(x=1\) を代入すると②は成立するので
②の左辺は \(x-1\) を因数にもつ
また同様に考えると \(y-1\) , \(z-1\) も因数にもつことがわかる.
よって,
② \(\iff\) \((x-1)(y-1)(z-1)=0\)
\(x=1\) または \(y=1\) または \(z=1\)
したがって求める実数 \(x\) , \(y\) , \(z\) の組は
\(a\) , \(b\) , \(c\) , \(d\) , \(e\) , \(f\) を任意の実数とするとき
\((x,y,z)=(1,a,b),(c,1,d),(e,f,1)\)
(2) \(m=5\) のとき
(1)の結果を利用すると,
① \(\iff\) \((x-1)(y-1)(z-1)=4\)
\(x≦y≦z\) より \(x-1≦y-1≦z-1\) なので
\((x-1,y-1,z-1)\\=(-4,-1,1),(-2,-2,1),(-2,-1,2),(-1,-1,4),(1,1,4),(1,2,2)\)
\((x,y,z)=(-3,0,2),(-1,-1,2),(-1,0,3),(0,0,5),(2,2,5),(2,3,3)\)
(3) \(xyz=x+y+z\) を満たす整数 \(x\) , \(y\) , \(z\) の組
\(0<x≦y≦z\) より
\(x+y+z≦z+z+z=3z\)
よって \(xyz≦3z\) であり,\(z>0\) より \(xy≦3\)
\(0<x≦y \) であることから,\(xy=1,2,3\)
つまり,\((x,y)=(1,1),(1,2),(1,3)\)
(ⅰ) \((x,y)=(1,1) \) のとき
\(xyz=x+y+z\) \(\iff\) \(z=2+z\) となり不適
(ⅱ) \((x,y)=(1,2) \) のとき
\(xyz=x+y+z\) \(\iff\) \(2z=3+z\)
よって \(z=3\)
これは \(0<x≦y≦z\) を満たす.
(ⅲ) \((x,y)=(1,3) \) のとき
\(xyz=x+y+z\) \(\iff\) \(3z=4+z\)
よって \(z=2\)
これは \(0<x≦y≦z\) を満たさないため不適.
以上より,求める整数 \(x\) , \(y\) , \(z\) の組は
\((x,y,z)=(1,2,3)\)
コメント