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減衰曲線の極値、x=aで極値をもつ(必要条件)、無限等比数列の収束と和

極限

【京都工芸繊維大学】

関数 \(f(x)=e^{ax}\sin x\) は \(x=\displaystyle\frac{\pi}{4}\) で極大値をとる.

(1) 定数 \(a\) の値を求めよ.

(2) \(x>0\) における \(f(x)\) のすべての極大値の和を求めよ.

(1)考え方・解答・解説

(1)\(x=a\) で極値をもつとき(逆の確認を!)

\(x=a\) で極値をもつ \(\Rightarrow\) \(f^{\prime}(a)=0\)

の「 \(f^{\prime}(a)=0\) \(\Rightarrow\) \(x=a\) で極値をもつ 」に関しては,成り立つとは限らない.

反例:\(f(x)=x^3\) ( \(x=0\) について )

必要条件で考え、十分条件の確認をしっかりしましょう!

(1)解答・解説

\(f^{\prime}(x)=ae^{ax}\sin x+e^{ax}\cos x\)

\(=e^{ax}(a\sin x+\cos x)\)

\(x=\displaystyle\frac{\pi}{4}\) で極大値をとるとき,

\(f^{\prime}\left(\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)=e^{\frac{\pi a}{4}}\cdot\displaystyle\frac{a+1}{\sqrt{2}}=0\)

よって,\(a=-1\)

このとき,\(f(x)=e^{-x}\sin x\)

\(f^{\prime}(x)=e^{-x}(-\sin x+\cos x)\)

\(=-\sqrt{2}e^{-x}\sin\left(x-\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\) ・・・①

となるので,\(f^{\prime}(x)\) の符号は \(x=\displaystyle\frac{\pi}{4}\) の前後で正から負に変化するため, \(x=\displaystyle\frac{\pi}{4}\) で極大値をとる.

したがって,\(a=-1\)

(2)考え方・解答・解説

(2)減衰曲線

\(y=e^{-x}\sin x\) のグラフは,振幅が小さくなっていき,非常に早く \(0\) に近づく.このような曲線を減衰曲線と言います。

グラフの概形は有名ですから覚えておきましょう!

\(f(x)\) の極大値は,公比が \(e^{-2\pi}\) の無限等比数列となります。収束条件を確認した上で,無限等比数列の和を考えましょう!

無限等比数列の収束条件、和について確認は

【無限等比級数】収束条件と和|Σ(cosx-sinx)^k

を参考に!!

(2)解答・解説

\(f^{\prime}(x)=-\sqrt{2}e^{-x}\sin\left(x-\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\) ・・・①

①より,\(x>0\) で極大となるのは

\(x-\displaystyle\frac{\pi}{4}=2n\pi\) ( \(n\) は \(0\) 以上の整数 ) のとき

よって極大値は,

\(f\left(\displaystyle\frac{\pi}{4}+2n\pi\right)=e^{-\left(\frac{\pi}{4}+2n\pi\right)}\cdot\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}=\displaystyle\frac{e^{-\frac{\pi}{4}}}{\sqrt{2}}\left(e^{-2\pi}\right)^n\)

となり,これらの総和は,公比が \(e^{-2\pi}\) の無限等比級数となる.

\(-1<e^{-2\pi}<1\) より,和は収束し,その和は

\(\displaystyle\frac{e^{-\frac{\pi}{4}}}{\sqrt{2}(1-e^{-2\pi})}\)

 

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