スポンサーリンク

【数Ⅲ】複素数平面まとめ⑤(複素数の乗法・除法)回転|入試問題演習

複素数平面まとめ(数Ⅲ)

【問題5】

複素数 \(z_{1}\)、\(z_{2}\) があって、\(| z_{1} | = | z_{2} | = 1\)、\(arg z_{1}=\theta_{1}\)、\(arg z_{2}=\theta_{2}\) \(\left(0≦\theta_{1}<\theta_{2}≦\displaystyle\frac{\pi}{4}\right)\) とする.

\(w_{1}=z_{1}+z_{2}\)、\(w_{2}=z_{1}z_{2}\)、\(w_{3}=\displaystyle\frac{z_{2}}{z_{1}}\) とするとき、次の問に答えよ.

ただし、複素数平面の原点を \(O\) とする.

(1) \(w_{1}\)、\(w_{2}\)、\(w_{3}\) の偏角を求めよ.

(2) 線分 \(Ow_{3}\) が \(∠w_{1}Ow_{2}\) の二等分線となるとき、\(|w_{1}|\) を \(\theta_{1}\) で表せ.

ここでは、数学Ⅲで学習する複素数平面について、実践問題(入試問題)を使って、ポイント(考え方)まとめをしていきます。

正直に言いますと、教科書をやっただけでは、入試レベルの問題に対応するのは難しいです。

ですから、教科書と入試レベルの橋渡しとして、過去に出題された入試問題を例に、複素数平面においておさえておきたい(入試でよく出る考え方)をまとめていきます。

基本的な考え方をしっかりと身に付け、2次試験で得点源にできるようにしていきましょう!

複素数の積と絶対値、偏角

\(z_{1}=r_{1}(\cos \theta_{1}+i\sin \theta_{1})\)、\(z_{2}=r_{2}(\cos \theta_{2}+i\sin \theta_{2})\) のとき

  1. \(z_{1}z_{2} = r_{1}r_{2}\left\{\cos (\theta_{1}+\theta_{2})+i\sin (\theta_{1}+\theta_{2})\right\}\)
  2. \(| z_{1}z_{2} | = r_{1}r_{2}\)
  3. \(arg z_{1}z_{2} = arg z_{1}+arg z_{2}\)

複素数の商と絶対値、偏角

\(z_{1}=r_{1}(\cos \theta_{1}+i\sin \theta_{1})\)、\(z_{2}=r_{2}(\cos \theta_{2}+i\sin \theta_{2})\) のとき

  1. \(\displaystyle\frac{z_{1}}{z_{2}} = \displaystyle\frac{r_{1}}{r_{2}}\left\{\cos (\theta_{1}-\theta_{2})+i\sin (\theta_{1}-\theta_{2})\right\}\)
  2. \(\left| \displaystyle\frac{z_{1}}{z_{2}}\right| = \displaystyle\frac{r_{1}}{r_{2}}\)
  3. \(arg \displaystyle\frac{z_{1}}{z_{2}} = arg z_{1}-arg z_{2}\)

解答

(1) \(| z_{1} | = | z_{2} | = 1\)、\(w_{1}=z_{1}+z_{2}\) より、\(4\) 点 \(O\)、\(z_{1}\)、\(z_{2}\)、\(w_{1}\) は、下図のようなひし形の頂点となる.

よって、\(arg w_{1}=\displaystyle\frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2}\)

 

また、\(w_{2}=z_{1}z_{2}=\cos (\theta_{1}+\theta_{2})+i\sin (\theta_{1}+\theta_{2})\) で、(1)の結果より

\(arg w_{2}=\theta_{1}+\theta_{2}\)

\(w_{3}=\displaystyle\frac{z_{2}}{z_{1}} = \cos (\theta_{2}-\theta_{1})+i\sin (\theta_{2}-\theta_{1})\) より

\(arg w_{3}=\theta_{2}-\theta_{1}\)

 

(2) \(arg w_{3}=\displaystyle\frac{arg w_{1}+arg w_{2}}{2}\) より

\(\theta_{2}-\theta_{1}=\displaystyle\frac{1}{2}\left(\displaystyle\frac{\theta_{1}+\theta_{2}}{2}+\theta_{1}+\theta_{2}\right)\)

よって、\(\theta_{2}=7\theta_{1}\)

このとき、\(∠z_{1}Oz_{2}=\theta_{2}-\theta_{1}=6\theta_{1}\) なので、

\(∠z_{1}Ow_{1}=3\theta_{1}\)

\(\cos 3\theta_{1}=\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{1}{2}| w_{1} |}{| z_{1} |}=\displaystyle\frac{1}{2}| w_{1} |\)

したがって、\(| w_{1} |=2\cos 3\theta_{1}\)

【数Ⅲ】複素数平面まとめ④(複素数と図形)|入試問題演習
計算処理・図形処理の2通りの解法を確認。 2次試験対策。入試問題演習まとめ。様々なテーマごとに、ポイント、考え方、別解を解説。
【数Ⅲ】複素数平面まとめ⑥(原点を通る直線に関する対称点)|入試問題演習
直線に関する線対称について。回転。頻出テーマ。 2次試験対策。入試問題演習まとめ。様々なテーマごとに、ポイント、考え方、別解を解説。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました