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【2010神戸大学・理系(数学Ⅲ)】関数が極値をもつ・もたない条件|f'(x)の符号変化に注目!

微分・積分(数学Ⅲ)

【2010神戸大学・理系・第1問】

\(a\) を実数とする.関数 \(f(x)=ax+\cos x+\displaystyle\frac{1}{2}\sin 2x\) が極値をもたないように,\(a\) の値の範囲を定めよ.

極値の存在条件

関数 \(y=f(x)\) が \(x=\alpha\) で極値をもつ条件は,

\(f^{\prime}(x)\) の符号が \(x=\alpha\) の前後で変化すること

《注意》

『\(y=f(x)\) が \(x=\alpha\) で極値をもつ』は『\(f^{\prime}(a)=0\)』と同値ではありません!

『\(y=f(x)\) が \(x=\alpha\) で極値をもつ』 ⇒ 『\(f^{\prime}(a)=0\)』は成立するが,

一般に逆は成り立たない!

本問は,「極値をもたない」条件ですから,\(f^{\prime}(x)\) が符号変化をしない。

つまり,つねに \(f^{\prime}(x)≧0\) または \(f^{\prime}(x)≦0\) が成り立てばよいということですね!

解答・解説

\(f(x)=ax+\cos x+\displaystyle\frac{1}{2}\sin 2x\) より

\(f^{\prime}(x)=a-\sin x+\cos 2x=a-(2\sin^2 x+\sin x-1)\)

ここで,\(t=\sin x\) ( \(-1≦t≦1\) ) , \(g(t)=2t^2+t-1\) とおくと,

\(g(t)=2\left(t+\displaystyle\frac{1}{4}\right)^2-\displaystyle\frac{9}{8}\) ( \(-1≦t≦1\) )

であるから,

\(g\left(-\displaystyle\frac{1}{4}\right)≦g(t)≦g(1)\)

つまり,\(-\displaystyle\frac{9}{8}≦g(t)≦2\) ・・・①

\(f(x)\) が極値をもたない条件は,\(f^{\prime}(x)\) が符号変化をしなければよい.

つまり,つねに \(f^{\prime}(x)≧0\) または \(f^{\prime}(x)≦0\) が成り立てばよい

・\(f^{\prime}(x)≧0\) のとき

\(a-g(t)≧0\) \(\iff\) \(a≧g(t)\)

①より,\(a≧2\) のときである.

・\(f^{\prime}(x)≦0\) のとき

\(a-g(t)≦0\) \(\iff\) \(a≦g(t)\)

①より,\(a≦-\displaystyle\frac{9}{8}\) のときである.

したがって,求める \(a\) の値の範囲は

\(a≦-\displaystyle\frac{9}{8}\) または \(2≦a\)

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