方程式 \(x^4+2x^3-x^2+2x+1=0\) を解け.
相反方程式とは
相反方程式とは、係数が左右対称な方程式のことを言います。
例えば、『 \(x^4+2x^3-x^2+2x+1=0\) 』のような式です。
係数に注目すると、
「 1 , 2 , -1 , 2 , 1 」
となり、左右対称な形になっています。
このような相反方程式については、解法手順が決まっていますので、しっかりとパターンを覚えましょう!
相反方程式の解法手順
・最高次が偶数のとき \(x^{2n}+\cdots=0\)
👉 \(x^n\) で割って、\(t=x+\displaystyle\frac{1}{x}\) と置き換え
・最高次が奇数のとき \(x^{2n+1}+\cdots=0\)
👉 \(x+1\) を因数にもつ
つまり、\(x+1\) と 最高次が偶数の相反方程式に分解できる
例 \(x^5+3x^4+x^3+x^2+3x+1=0\)
(左辺)\(=f(x)\) とおく.
\(f(-1)=0\) より、
\(x^5+3x^4+x^3+x^2+3x+1=(x+1)(x^4+2x^3-x^2+2x+1)\)
よって、
\(x=-1\)、\(x^4+2x^3-x^2+2x+1=0\) となり、
最高次が偶数の相反方程式ができる
→以下の解答は下記
解答
\(x^4+2x^3-x^2+2x+1=0\) ・・・①
最高次が偶数の相反方程式!
まず \(x^2\) で両辺を割るために、
\(x\) が 0 でないことを記述しよう!
①に \(x=0\) を代入すると \(1=0\) となり成立しないため、
①は \(x=0\) を解に持たない.
つまり、\(x≠0\)
①を \(x^2(≠0)\) で割ると、
\(x^2+2x-1+\displaystyle\frac{2}{x}+\displaystyle\frac{1}{x^2}=0\)
\((x^2+\displaystyle\frac{1}{x^2})+2(x+\displaystyle\frac{1}{x})-1=0\) ・・・②
\(x^2+\displaystyle\frac{1}{x^2}=(x+\displaystyle\frac{1}{x})^2-2\) より
②は
\((x+\displaystyle\frac{1}{x})^2+2(x+\displaystyle\frac{1}{x})-3=0\)
\(t=x+\displaystyle\frac{1}{x}\) とおくと、
\(t^2+2t-3=0\)
\((t+3)(t-1)=0\)
\(t= -3 , 1\)
( ⅰ ) \(t= -3\) のとき
\(x+\displaystyle\frac{1}{x}=-3\)
\(x^2+3x+1=0\)
\(x=\displaystyle\frac{-3±\sqrt{5}}{2}\)
( ⅱ ) \(t= 1\) のとき
\(x+\displaystyle\frac{1}{x}=1\)
\(x^2-1x+1=0\)
\(x^2-1x+1=\displaystyle (x-\frac{1}{2})^2+\displaystyle\frac{3}{4}>0\) より
実数解を持たない
したがって、\(x=\displaystyle\frac{-3±\sqrt{5}}{2}\)
【発展参考】奇関数の利用
奇関数とは、原点に関して対称なグラフ\((f(-x)=-f(x) を満たす関数)\)
\(t=x+\displaystyle\frac{1}{x}=g(x)\) とおくと、
\(g(-x)=-g(x)\) より、\(y=g(x)\) は奇関数となる.
つまり原点に関して対称なグラフとなる.
\(x>0\) のとき、相加平均・相乗平均の関係から
\(t= x+\displaystyle\frac{1}{x}≧2\sqrt{x\cdot \frac{1}{x}}=2\)
よって \(t≧2\)
奇関数(原点に関して対称なグラフ)なので、
\(t≦-2 , 2≦t\)
したがって、上では \(t= -3 , 1\) のそれぞれを場合分けして考えたが、
\(t=1\) は不適であることが分かる
【参考】3次以上の方程式の処理について
① そのまま因数分解(因数定理の利用)
② 相反方程式
③ 複 \(n\) 次式 (\(t=x^2\) とおくなど)
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