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【2023藤田医科大学・後期・医学部】ベクトル方程式の領域図示

ベクトル

【2023藤田医科大学(後期)医学部・第2問】

\(O\) を原点とする \(xy\) 平面上に点 \(A(2,0)\) ,点 \(B(1,\sqrt{3})\) ,および実数 \(s\) ,\(t\) と \(\overrightarrow{OP}=s\overrightarrow{OA}+t\overrightarrow{OB}\) により定まる点 \(P\) がある. \(s\) ,\(t\) が(1)〜(3)のそれぞれの条件を満たす場合について,点 \(P\) がとりうる範囲を \(xy\) 平面上に図示し,その面積を求めよ.

(1) \(2≦s+2t≦6\),\(0≦s\),\(0≦t\)

(2) \(1≦|s|+|t|≦6\)

(3) \(s^2+(s+t)^2≦6\)

平面上の点の存在(異なる \(2\) 点を通る直線のベクトル方程式)

異なる \(2\) 点 \(A(\overrightarrow{a})\),\(B(\overrightarrow{b})\) を通る直線のベクトル方程式は

・\(\overrightarrow{p}=s\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b}\) かつ  \(s+t=1\)

さらに,\(s≧0\),\(t≧0\) のとき点 \(P\) の存在範囲は,『 線分 \(AB\) 』 となる.

\(\triangle OAB\) に対して,点 \(P\) が

\(\overrightarrow{OP}=s\overrightarrow{OA}+t\overrightarrow{OB}\),\(0≦s+t≦1\),\(s≧0\),\(t≧0\)

を満たしながら動くとき,点 \(P\) の存在範囲は『 \(\triangle OAB\) の周および内部 』となる.

解答・解説

(1) \(2≦s+2t≦6\),\(0≦s\),\(0≦t\)

\(s+2t=2\),\(0≦s\),\(0≦t\) ・・・① のとき

\(\displaystyle\frac{1}{2}s+t=1\) より

\(\overrightarrow{OP}=\displaystyle\frac{1}{2}s\left(2\overrightarrow{OA}\right)+t\overrightarrow{OB}\)

よって①を満たす点 \(P\) の存在範囲は

\(2\overrightarrow{OA}=(4,0)\) と \(\overrightarrow{OB}=(1,\sqrt{3})\) の終点を結ぶ線分となる.

\(s+2t=6\),\(0≦s\),\(0≦t\) ・・・② のとき

\(\displaystyle\frac{1}{6}s+\displaystyle\frac{1}{3}t=1\) より

\(\overrightarrow{OP}=\displaystyle\frac{1}{6}s\left(6\overrightarrow{OA}\right)+\displaystyle\frac{1}{3}t\left(3\overrightarrow{OB}\right)\)

よって②を満たす点 \(P\) の存在範囲は

\(6\overrightarrow{OA}=(12,0)\) と \(3\overrightarrow{OB}=(3,3\sqrt{3})\) の終点を結ぶ線分となる.

よって,\(2≦s+2t≦6\),\(0≦s\),\(0≦t\) を満たす点 \(P\) の存在範囲は右図の斜線部分の四角形の周および内部

したがって求める面積は

\(\displaystyle\frac{1}{2}\cdot 12\cdot 3\sqrt{3}-\displaystyle\frac{1}{2}\cdot 4\cdot \sqrt{3}=16\sqrt{3}\)

(2) \(1≦|s|+|t|≦6\)

( ⅰ ) \(s≧0\) ,\(t≧0\) のとき

\(1≦s+t≦6\) を満たす領域は(1)と同様に考えると

\(4\) 点 \((2,0)\) ,\((12,0)\) ,\((6,6\sqrt{3})\) ,\((1,\sqrt{3})\) でできる四角形の周および内部.

この部分の面積は,\(\displaystyle\frac{1}{2}\cdot 12\cdot 6\sqrt{3}-\displaystyle\frac{1}{2}\cdot 2\cdot \sqrt{3}=35\sqrt{3}\)

( ⅱ ) \(s≧0\) ,\(t≦0\) のとき

\(1≦s-t≦6\) \(\iff\) \(1≦s+(-t)≦6\) であり

\(\overrightarrow{OP}=s\overrightarrow{OA}+(-t)\left(-\overrightarrow{OB}\right)\) として考えると

これを満たす領域は

\(4\) 点 \((2,0)\) ,\((12,0)\) ,\((-6,-6\sqrt{3})\) ,\((-1,-\sqrt{3})\) でできる四角形の周および内部.

この部分の面積は,\(\displaystyle\frac{1}{2}\cdot 12\cdot 6\sqrt{3}-\displaystyle\frac{1}{2}\cdot 2\cdot \sqrt{3}=35\sqrt{3}\)

\(x≦0,y≧0\) のとき,\(x≦0,y≦0\) のときについても( ⅰ )( ⅱ )と対称な図形が得られるので,求める面積はいずれも \(35\sqrt{3}\)

したがって求める図形の面積は,\(35\sqrt{3}\times 4=140\sqrt{3}\)

(3) \(s^2+(s+t)^2≦6\)

\(P(x,y)\) とおくと,\(\overrightarrow{OP}=s\overrightarrow{OA}+t\overrightarrow{OB}\) より

\(\overrightarrow{OP}=(2s+t,\sqrt{3}t)\) なので

\(\begin{cases}x=2s+t\\y=\sqrt{3}t\end{cases}\) \(\iff\) \(\begin{cases}s=\displaystyle\frac{1}{2\sqrt{3}}(\sqrt{3}x-y)\\t=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{3}}y\end{cases}\)

\(s^2+(s+t)^2≦6\) に代入すると

\(\displaystyle\frac{(\sqrt{3}x-y)^2}{12}+\displaystyle\frac{(\sqrt{3}x+y)^2}{12}≦6\)

よって,\(\displaystyle\frac{x^2}{12}+\displaystyle\frac{y^2}{36}≦1\)

したがって求める図形は,右図の楕円の周および内部であるので

その面積は \(\pi\cdot 2\sqrt{3}\cdot 6=12\sqrt{3}\pi\)

楕円の面積公式

\(\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\displaystyle\frac{y^2}{b^2}=1\) ( \(a>0,b>0\) ) で表される楕円の面積は,\(\pi ab\)

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