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【2010京都大学】数学的帰納法(全段仮定)|差がつく良問(数学B数列)

数学(大学入試問題)

【2010京都大学】

数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) は,すべての正の整数 \(n\) に対して \(0≦3a_{n}≦\displaystyle\sum_{k=1}^{n}{a_{k}}\) を満たしているとする.このとき,すべての \(n\) に対して \(a_{n}=0\) であることを示せ.

数学的帰納法(全段仮定)

(ⅰ) \(n = 1\) のとき

命題が成立することを示す

(ⅱ) \(n ≦ k\) のとき

命題が成立すると仮定し、\(n=k+1\) のとき命題が成立することを示す

全段仮定の数学的帰納法は,一般的な帰納法に比べると出題されるう頻度は少ないです。

しかし,経験がないとなかなか思いつく解法ではありません。(知っていれば簡単♩)

一般的な帰納法,2段仮定の数学的帰納法,そして本問の全段仮定の数学的帰納法の3タイプをしっかりとマスターしておきましょう!

全段仮定の考え方

最初に,どのような仕組みで成り立つのかを理解しておきましょう!

以下では,「 \(n\) 本目のドミノが倒れる」⇒「 \(n\) において命題が成立」と考えて読んでください!

まず一般的な帰納法の考え方は,

\(k\) 本目のドミノが倒れたときに, \(k+1\) 本目のドミノが倒れる仮定すると

\(1\) 本目のドミノを倒せばOKという流れ!

\(1\) 本目が倒れる ⇒ \(2\) 本目が倒れる

\(2\) 本目が倒れる ⇒ \(3\) 本目が倒れる

\(3\) 本目が倒れる ⇒ \(4\) 本目が倒れる

・・・・・とずっと倒れ続けることで,すべてのドミノを倒すことができます!

それに対して全段仮定は,

\(k\) 本目までのすべてのドミノが倒れたときに, \(k+1\) 本目のドミノが倒れる仮定すると

\(1\) 本目のドミノを倒せばOKという流れ!

\(1\) 本目が倒れる ⇒ \(2\) 本目が倒れる

\(1,2\) 本目が倒れる ⇒ \(3\) 本目が倒れる

\(1,2,3\) 本目が倒れる ⇒ \(4\) 本目が倒れる

・・・・・とずっと倒れ続けることで,すべてのドミノを倒すことができます!

解答・解説

解法1.数学的帰納法(全段仮定)

\(0≦3a_{n}≦\displaystyle\sum_{k=1}^{n}{a_{k}}\) ・・・① とおく

( ⅰ ) \(n=1\) のとき

①より,\(0≦3a_{1}≦a_{1}\)

これより,\(0≦3a_{1}≦0\) となり \(a_{1}=0\)

( ⅱ ) \(n≦l\) となるすべての自然数で \(a_{n}=0\) が成立すると仮定する.

つまり,\(a_{1}=a_{2}=a_{3}=\cdots=a_{l}=0\) ・・・② と仮定する.

\(n=l+1\) のとき①より

\(0≦3a_{l+1}≦\displaystyle\sum_{k=1}^{l+1}{a_{k}}=a_{1}+a_{2}+a_{3}+\cdots+a_{l}+a_{l+1}\)

②より,\(0≦3a_{l+1}≦a_{l+1}\) となり \(a_{l+1}=0\)

( ⅰ ),( ⅱ )より題意は示された.

解法2.背理法

数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) の中に, \(0\) でない項が存在すると仮定する.

その \(0\) でない最初の項を \(a_{m}\) とおくと,

\(n=1\) のとき \(0≦3a_{1}≦a_{1}\) であるから,

\(0≦3a_{1}≦0\) となり \(a_{1}=0\)

よって \(m≧2\) となる.

つまり,\(a_{1}=a_{2}=a_{3}=\cdots=a_{m-1}=0\) , \(a_{m}\not=0\) ・・・③

\(0≦3a_{n}≦\displaystyle\sum_{k=1}^{n}{a_{k}}\) に \(n=m\) を代入すると

\(0≦3a_{m}≦a_{1}+a_{2}+a_{3}+\cdots+a_{m-1}+a_{m}\)

③より \(0≦3a_{m}≦0\) となり \(a_{m}=0\)

しかしこれは \(a_{m}\not=0\) に矛盾する.

したがって,題意は示された.

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