【2019一橋大学・第1問】
\(p\) を自然数とする.数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) を
\(a_{1}=1\)、\(a_{2}=p^2\)、\(a_{n+2}=a_{n+1}-a_{n}+13\) ( \(n = 1 , 2 , 3 , \cdots\) )
により定める.数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) に平方数でない項が存在することを示せ.
考え方【整数問題の極意】
整数問題において、様々なポイントはありますが、整数問題の極意は実験!!
何も方針がつかめないのであれば、まずは \(n = 1 , 2 , 3 , \cdots\) と具体的な値を代入して実験してみましょう!
具体的な値で実験し、規則や法則を見つけることを意識してください!
\(n = 1 , 2 , 3 , \cdots\) と具体的に実験
\(a_{1}=1\)、\(a_{2}=p^2\)、\(a_{n+2}=a_{n+1}-a_{n}+13\) より
\(a_{3}=a_{2}-a_{1}+13=p^2-1+13=p^2+12\)
\(a_{4}=a_{3}-a_{2}+13=(p^2+12)-p^2+13=25\)
\(a_{5}=a_{4}-a_{3}+13=25-(p^2+12)+13=-p^2+26\)
\(a_{6}=a_{5}-a_{4}+13=(-p^2+26)-25+13=-p^2+14\)
\(a_{7}=a_{6}-a_{5}+13=(-p^2+14)-(-p^2+26)+13=1\)
あれ!?\(a_{1}=a_{7}\) になりました!!
☞ \(a_{n}\) は周期性を持っている!
解答
\(a_{1}=1\)、\(a_{2}=p^2\)、\(a_{n+2}=a_{n+1}-a_{n}+13\) より
\(a_{3}=a_{2}-a_{1}+13=p^2-1+13=p^2+12\)
\(a_{4}=a_{3}-a_{2}+13=(p^2+12)-p^2+13=25\)
\(a_{5}=a_{4}-a_{3}+13=25-(p^2+12)+13=-p^2+26\)
\(a_{6}=a_{5}-a_{4}+13=(-p^2+26)-25+13=-p^2+14\)
\(a_{7}=a_{6}-a_{5}+13=(-p^2+14)-(-p^2+26)+13=1\)
\(a_{1}=a_{7}\) となり、数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) は周期 \(6\) の周期数列となる.
つまり題意を示すためには、\(a_{1}\) から \(a_{6}\) の中に平方数でない項が存在することを言えばよい.
\(a_{1}=1\)、\(a_{2}=p^2\)、\(a_{4}=25\) は \(p\) の値によらず常に平方数となるので、
\(a_{3}=p^2+12\)、\(a_{5}=26-p^2\)、\(a_{6}=14-p^2\) について考える.
ここで、\(a_{3}\)、\(a_{5}\)、\(a_{6}\) のすべてが平方数になると仮定すると、
\(a_{3}≧0\)、\(a_{5}≧0\)、\(a_{6}≧0\) である必要がある.
よって、\(p^2+12≧0\)、\(26-p^2≧0\)、\(14-p^2≧0\)
\(p\) は自然数であるので、\(p = 1 , 2 , 3\)
しかし
\(p=1\) のとき \(a_{6}=13\)
\(p=2\) のとき \(a_{6}=10\)
\(p=3\) のとき \(a_{6}=5\)
となり、いずれも平方数とはならない.
したがって、題意は示された.
コメント