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【2021滋賀医科大学】正四、六面体のn色での色塗り問題

場合の数・確率

【2021滋賀医科大学】

\(n\) を自然数とする.\(n\) 色の異なる色を用意し,そのうちの何色かを使って正多面体の面を塗り分ける方法を考える.つまり,\(1\) つの面には \(1\) 色を塗り,辺をはさんで隣り合う面どうしは異なる色となるように塗る.ただし,正多面体を回転させて一致する塗り分け方どうしは区別しない.

(1) 正四面体の面を用意した色で塗り分ける.

(ア) 少なくとも何色必要か.

(イ) \(n≧4\) とする.この方法は何通りあるか.

(2) 正六面体(立方体)の面を用意した色で塗り分ける.

(ア) 少なくとも何色必要か.

(イ) \(n≧6\) とする.この方法は何通りあるか.

立方体の色塗り問題|6色、5色、4色での塗り方(円順列、じゅず順列)
隣り合った面の色は異なるように色を塗る立方体について。4色、5色、6色の場合でそれぞれ何通りあるか場合の数を考える。回転・裏返して一致する場合を考慮する必要があり、円順列、じゅず順列の確認として良問。数学A:場合の数・確率。典型有名問題。4STEP、定期考査対策。色塗り問題。

解答・解説

(1) 正四面体

(ア) 少なくとも何色必要か.

正四面体の \(1\) つの面は,他すべての面と辺をはさんで隣り合う面どうしであるから,他の面と同じ色を塗ることができない.

したがって,正四面体に色を塗るためには少なくとも \(4\) 色必要である.

(イ) \(n≧4\) とする.この方法は何通りあるか.

(ア)より,正四面体を塗り分ける色の数は \(4\) 色のみである.

\(n\) 色から \(4\) 色の選び方は,\(_{n}C_{4}\) 通り

よって,色の塗り方は

\(_{n}C_{4}\times (3-1)!=\displaystyle\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)}{12}\) 通り

(2) 正六面体(立方体)

(ア) 少なくとも何色必要か.

正六面体のある \(1\) つの面には,辺をはさんで隣り合わない面(向かい合う面のこと)がただ \(1\) つ存在する.

よって正六面体には,ある \(1\) つの面と,その面の向かい合う面の組み合わせが \(3\) 組できる.

それぞれの向かい合う面は同じ色で塗ることができるので,正六面体を塗り分けるには少なくとも \(3\) 色必要である.

(イ) \(n≧6\) とする.この方法は何通りあるか.

(ア)より,正六面体を塗り分ける色の数は  \(3\) , \(4\) , \(5\) , \(6\) 色のときがある.

( ⅰ ) \(3\) 色で塗り分けるとき

\(3\) 色の選び方は,\(_{n}C_{3}\) 通り

このとき,向かい合う面にはそれぞれ同じ色で塗る \(1\) 通り

よって,\(_{n}C_{3}\times 1=\displaystyle\frac{n(n-1)(n-2)}{6}\) 通り

( ⅱ ) \(4\) 色で塗り分けるとき

\(4\) 色の選び方は,\(_{n}C_{4}\) 通り

このとき,\(2\) 色を \(2\) 組の向かい合う面に塗るので,この \(2\) 色の選び方は

\(_{4}C_{2}=6\) 通り

残りの \(2\) つの面を残りの \(2\) 色で塗る方法は \(1\) 通り

よって,\(6\times 1=6\) 通りであるから

\(_{n}C_{4}\times 6=\displaystyle\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)}{4}\) 通り

( ⅲ ) \(5\) 色で塗り分けるとき

\(5\) 色の選び方は,\(_{n}C_{5}\) 通り

ある \(1\) 色を \(2\) つの面に塗る(向かい合う \(2\) 面)

この色の選び方は \(_{5}C_{1}=5\) 通り

残りの \(4\) つの側面を残りの \(4\) 色で塗る方法は,異なる \(4\) 個のもののじゅず順列の総数に等しいので,

\(\displaystyle\frac{(4-1)!}{2}=3\) 通り

よって,\(5\times 3=15\) 通りであるから,

\(_{n}C_{5}\times 15=\displaystyle\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)}{8}\) 通り

( ⅳ ) \(6\) 色で塗り分けるとき

\(6\) 色の選び方は,\(_{n}C_{6}\) 通り

異なる \(6\) 色のうち,任意の \(1\) 色を立方体の任意の \(1\) つの面に塗る.

その面の反対側の面に塗る色の選び方は,\(_{5}C_{1}=5\) 通り

残りの \(4\) つの側面を残りの \(4\) 色で塗る方法は,異なる \(4\) 個のものの円順列の総数に等しいので,

\((4-1)!=6\) 通り

よって,\(5\times 6=30\) 通りであるから,

\(_{n}C_{6}\times 30=\displaystyle\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)(n-5)}{24}\) 通り

 

( ⅰ )〜( ⅳ )から,

\(\displaystyle\frac{n(n-1)(n-2)}{6}+\displaystyle\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)}{4}\\+\displaystyle\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)}{8}\\+\displaystyle\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)(n-5)}{24}\\=\displaystyle\frac{n(n-1)(n-2)(n^3-9n^2+32n-38)}{24}\)

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