【2023京都府立大学・生命環境・第1問】
\(a>0\) , \(b>0\) とする.△ \(ABC\) において,\(3\) つの辺 \(AB\) , \(AC\) , \(BC\) の長さをそれぞれ \(2a\) , \(5a\) , \(b\) とする.\(\angle BAC\) を \(\theta\) とおき,\(\angle BAC\) の二等分線と辺 \(BC\) の交点を \(D\) とする.\(3\) つの線分 \(AD\) , \(BD\) , \(CD\) の長さをそれぞれ \(p\) , \(q\) , \(r\) とする.
以下の問に答えよ.
(1) \(a=1\) , \(b\) が自然数,\(\angle BAC\) が鈍角であるとき,\(b\) の値を求めよ.
(2) \(p^2=10a^2-qr\) となることを示せ.
(3) \(p=\displaystyle\frac{20}{7}a\cdot \cos\displaystyle\frac{\theta}{2}\) となることを示せ.
解答・解説
(1) \(a=1\) , \(b\) が自然数,\(\angle BAC\) が鈍角であるとき,\(b\) の値
\(a=1\) のとき \(AB=2\) , \(AC=5\) より
三角形の成立条件から \(BC<2+5=7\)
よって \(b<7\) ・・・①
また \(\triangle ABC\) で余弦定理より
\(\cos \theta=\displaystyle\frac{4+25-b^2}{2\cdot 2\cdot 5}=\displaystyle\frac{29-b^2}{20}\)
\(\theta\) が鈍角のとき,\(\cos \theta<0\) より
\(\displaystyle\frac{29-b^2}{20}<0\) \(\iff\) \(29<b^2\)
\(b>0\) より \(\sqrt{29}<b\) ・・・②
①,②,\(b\) は自然数より \(b=6\)
(2) \(p^2=10a^2-qr\) となることを示せ.
\(\triangle ABD\) で余弦定理より
\(\cos\displaystyle\frac{\theta}{2}=\displaystyle\frac{4a^2+p^2-q^2}{2\cdot 2a\cdot p}=\displaystyle\frac{4a^2+p^2-q^2}{4ap}\)
\(\triangle ADC\) で余弦定理より
\(\cos\displaystyle\frac{\theta}{2}=\displaystyle\frac{p^2+25a^2-r^2}{2\cdot p\cdot 5a}=\displaystyle\frac{p^2+25a^2-r^2}{10ap}\)
よって
\(\displaystyle\frac{4a^2+p^2-q^2}{4ap}=\displaystyle\frac{p^2+25a^2-r^2}{10ap}\)
\(5(4a^2+p^2-q^2)=2(p^2+25a^2-r^2)\)
\(3p^2=30a^2+5q^2-2r^2\) ・・・③
また線分 \(AD\) は \(\angle BAC\) の二等分線より
\(q:r=2a:5a=2:5\) \(\iff\) \(2r=5q\) ・・・④
③より,\(3p^2=30a^2+q\cdot(5q)-r\cdot(2r)\)
④をそれぞれに代入すると
\(3p^2=30a^2+q\cdot 2r-r\cdot 5q\)
したがって,\(p^2=10a^2-qr\) が成立する.
(3) \(p=\displaystyle\frac{20}{7}a\cdot \cos\displaystyle\frac{\theta}{2}\) となることを示せ.
線分 \(AD\) は \(\angle BAC\) の二等分線より
\(q:r=2a:5a=2:5\) であり,\(q+r=b\) より
\(q=\displaystyle\frac{2}{7}b\) , \(r=\displaystyle\frac{5}{7}b\) を
(2) の結果 \(p^2=10a^2-qr\) に代入すると
\(p^2=10a^2-\displaystyle\frac{10}{49}b^2\) ・・・⑤
また,\(\triangle ABC\) で余弦定理より
\(b^2=4a^2+25a^2-2\cdot 2a\cdot 5a\cdot \cos\theta\)
\(b^2=29a^2-20a^2\cos\theta\) を⑤に代入すると
\(p^2=10a^2-\displaystyle\frac{10}{49}(29a^2-20a^2\cos\theta)\)
\(p^2=\displaystyle\frac{200}{49}(1+\cos\theta)\)
\( p^2=\displaystyle\frac{200}{49}\cdot\cos^2\displaystyle\frac{\theta}{2}\)
\(p>0\),\(a>0\),\(\cos\displaystyle\frac{\theta}{2}>0\) なので
\(p=\displaystyle\frac{20}{7}a\cdot \cos\displaystyle\frac{\theta}{2}\) が成立
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