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【2023日本大学・医学部】nが4の倍数でないとき、n^3+2n^2+3n+2が4の倍数の証明

2023年入試問題

【2023日本大学・医学部・N方式・第1問】

以下の問いに答えなさい.

(1) 方程式 \(x^3+2x^2+3x+2=4x+4\) の解を求めなさい.

(2) 自然数 \(n\) が \(4\) の倍数でないならば,\(f(n)=n^3+2n^2+3n+2\) は \(4\) の倍数であることを示しなさい.

解答・解説

(1) \(x^3+2x^2+3x+2=4x+4\) の解

\(x^3+2x^2+3x+2=4x+4\)

\(\iff\) \(x^3+2x^2-x-2=0\) ・・・①

\(x=1\) を代入すると①を満たすので

① \(\iff\) \((x-1)(x^2+3x+2)=0\)

\(\iff\) \((x-1)(x+1)(x+2)=0\)

よって,\(x=1,-1,-2\)

(2) 解法① (1)の利用

「\(f(n)=n^3+2n^2+3n+2\) が \(4\) の倍数」であることと

「\(f(n)-(4n+4)=f(n)-4(n+1)\) が \(4\) の倍数」であることは同値であるから,

自然数 \(n\) が \(4\) の倍数でないならば,\(f(n)-(4n+4)\) が \(4\) の倍数であることを示せばよい.

(1)の結果を利用すると

\(f(n)-(4n+4)=(n-1)(n+1)(n+2)\) ・・・②

\(n\) が \(4\) の倍数でないとき,自然数 \(k\) を用いて

\(n=4k-3,4k-2,4k-1\) とおける.

\(n=4k-3\) のとき \(n-1=4(k-1)\)

\(n=4k-2\) のとき \(n+2=4k\)

\(n=4k-1\) のとき \(n+1=4k\)

となり,\(n-1,n+1,n+2\) のいずれかが \(4\) の倍数となる.

したがって②より,

自然数 \(n\) が \(4\) の倍数でないならば,\(f(n)-(4n+4)\) が \(4\) の倍数

つまり,自然数 \(n\) が \(4\) の倍数でないならば,\(f(n)\) が \(4\) の倍数となる.

以下では(1)の誘導なしで,合同式を利用した解法も紹介しておきます。

合同式は整数問題を扱う上で必須アイテムになりますので,しっかりマスターしておきましょう!

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(2) 解法② 合同式の利用

以下, \(mod 4\) として考える.

・\(n≡-1\) のとき

\(f(n)=n^3+2n^2+3n+2≡0\)

・\(n≡1\) のとき

\(f(n)=n^3+2n^2+3n+2≡8≡0\)

・\(n≡2\) のとき

\(f(n)=n^3+2n^2+3n+2≡24≡0\)

となり,自然数 \(n\) が \(4\) の倍数でないならば,\(f(n)=n^3+2n^2+3n+2\) は \(4\) の倍数である

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