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【2023大阪医科薬科大学】放物線上の点における法線と、曲線の長さ

2023年入試問題

【2023大阪医科薬科大学・医学部・第1問】

座標平面上で,放物線 \(C\):\(y=x^2\) 上の異なる \(2\) 点 \(A(a,a^2)\),\(B(b,b^2)\) における \(2\) 本の法線の交点を \(P\) とし,点 \(B\) を点 \(A\) に限りなく近づけたときに点 \(P\) が近づく点を \(Q\) とする.

(1) 放物線 \(C\) の点 \(A\) における法線の方程式を求めよ.

(2) \(Q\) の座標を \(a\) を用いて表せ.

(3) \(a\) が \(-1≦a≦1\) の範囲を動くとき,点 \(Q\) が描く曲線の長さを求めよ.

解答・解説

(1) 放物線 \(C\) の点 \(A\) における法線の方程式

\(y=x^2\) より \(y^{\prime}=2x\) なので,\(a\not=0\) のとき点 \(A\) における法線の方程式は

\(y-a^2=-\displaystyle\frac{1}{2a}(x-a)\) \(\iff\) \(x+2ay=2a^3+a\) ・・・①

\(a=0\) のときの法線は \(x=0\) となるが,これは①において \(a=0\) を代入したときと一致.

よって求める法線の方程式は,\(x+2ay=2a^3+a\)

(2) \(Q\) の座標を \(a\) を用いて表せ.

(1)の結果から,点 \(A\),\(B\) における法線の方程式はそれぞれ

\(x+2ay=2a^3+a\),\(x+2by=2b^3+b\)

この \(2\) つの法線の交点 \(P\) の座標は,

\(P\left(-2ab(a+b),a^2+b^2+ab+\displaystyle\frac{1}{2}\right)\)

ここで,点 \(B\) を点 \(A\) に限りなく近づけたとき

\(\displaystyle\lim_{b\rightarrow a} \left\{-2ab(a+b)\right\}=-4a^3\)

\(\displaystyle\lim_{b\rightarrow a} \left(a^2+b^2+ab+\displaystyle\frac{1}{2}\right)=3a^2+\displaystyle\frac{1}{2}\) より

\(Q\left(-4a^3,3a^2+\displaystyle\frac{1}{2}\right)\)

(3) \(a\) が \(-1≦a≦1\) のとき,点 \(Q\) が描く曲線の長さ

媒介変数された曲線の長さ

曲線 \(x=f(t)\) , \(y=g(t)\) ( \(\alpha≦t≦\beta\) ) の長さ \(L\) は

\(L=\displaystyle\int^{\beta}_{\alpha}\sqrt{\left(\displaystyle\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\displaystyle\frac{dy}{dt}\right)^2} dt=\displaystyle\int^{\beta}_{\alpha}\sqrt{\left\{f^{\prime}(t)\right\}^2+\left\{g^{\prime}(t)\right\}^2} dt\)

\(x=-4a^3\),\(y=3a^2+\displaystyle\frac{1}{2}\) より

\(x^{\prime}=-12a^2\),\(y^{\prime}=6a\) なので

求める曲線の長さは

\(\displaystyle\int^{1}_{-1}\sqrt{(-12a^2)^2+(6a)^2} da\)

\(=12\displaystyle\int^{1}_{0}a\sqrt{4a^2+1} da\)

偶関数である性質を利用したよ!

\(=12\displaystyle\int^{1}_{0}\displaystyle\frac{1}{8}(4a^2+1)^{\prime}\sqrt{4a^2+1} da\)

\(=\Bigl[(4a^2+1)^{\frac{3}{2}}\Bigr]^{1}_{0}\)

\(=5\sqrt{5}-1\)

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