【2022神戸大学・文】
(1)考え方・解答
(1)考え方
本問では、\(a^x\) の方にのった \(x\) を下におろして、\(\displaystyle\frac{1}{x}\) の形を作りたいので、
\(a^x=b^y=(ab)^z\) の各辺に常用対数 ( ※底を \(10\) とする対数 ) をとろう!
(※底は何でもよい.今回は常用対数をとったが、底が \(2\) や \(3\) としても同様に扱える.)
特に、(分数式)=(分数式)=(分数式) の形で \(k\) とおくことが多いですね!
(1)解答
\(a^x=b^y=(ab)^z\) の各辺に常用対数 ( ※底を \(10\) とする対数 ) をとると、
\(\log_{10}{a^x}=\log_{10}{b^x}=\log_{10}{(ab)^z}\)
\(\iff x\log_{10}{a}=y\log_{10}{b}=z\log_{10}{ab}\)
ここで、\(x\log_{10}{a}=y\log_{10}{b}=z\log_{10}{ab}=k\) とおくと、
\(\begin{cases}k=x\log_{10}{a}\\k=y\log_{10}{b}\\k=z\log_{10}{ab}\end{cases}\)
\(x\)、\(y\)、\(z\) は \(0\) ではないので、
\(\begin{cases}\displaystyle\frac{1}{x}=\displaystyle\frac{\log_{10}{a}}{k}\\ \displaystyle\frac{1}{y}=\displaystyle\frac{\log_{10}{b}}{k}\\ \displaystyle\frac{1}{z}=\displaystyle\frac{\log_{10}{ab}}{k}\end{cases}\)
よって、
\(\displaystyle\frac{1}{x}+\displaystyle\frac{1}{y}=\displaystyle\frac{\log_{10}{a}}{k}+\displaystyle\frac{\log_{10}{b}}{k}=\displaystyle\frac{\log_{10}{ab}}{k}=\displaystyle\frac{1}{z}\)
となり成立する.
(2)考え方・解答
整数問題のPoint
まず整数問題すべてに共通して言えるPointは
- 積の形に変形
- 条件から範囲を絞る
- 倍数や余りに注目
整数問題の多くが、上の1から3のいずれかで処理できます。
この3つのPointは絶対に頭の中に叩き込んでください!
また有名な整数方程式の有名パターンを以下でまとめています。ご参考に!
(2)解答
\(\displaystyle\frac{1}{m}+\displaystyle\frac{1}{n}=\displaystyle\frac{1}{5}\) の両辺を \(5mn\) 倍すると、
\(mn-5m-5n=0\)
\((m-5)(n-5)=25\) ・・・①
\(m>n≧1\) より \(m-5>n-5≧-4\) であるから、
①を満たすのは、\((m-5,n-5)=(25,1)\) のみ
よって、\((m,n)=(30,6)\)
(3)解答 [(1)、(2)の流れから考える]
\(a^m=b^n=(ab)^5\) ・・・②、\(1<a<b\) ・・・③ とおく.
③より、\(a^n<b^n\) が成り立ち、さらに②から
\(a^n<b^n=a^m\)
底 \(a>1\) であるから、
\(n<m\) ・・・④ が成り立つ.
(1)の結果より、②ならば
\(\displaystyle\frac{1}{m}+\displaystyle\frac{1}{n}=\displaystyle\frac{1}{5}\) ・・・⑤
が成り立つ
④、⑤より、(2)の結果を用いると、\((m,n)=(30,6)\)
このとき②は、\(a^{30}=b^6=(ab)^5\)
したがって、\(b=a^5\)
2022神戸大学・理の問題
文系では、(2)、(3)で『 \(5\) 』となっていますが、
理系の問題では、『 \(p\)(素数) 』に変わっています.
基本的に同じ流れでの解法になりますが、文字に変わった分だけ、少し配慮しながら解答を作成する必要が有ります。良かったら演習として、理系の問題にも取り組んで見て下さい.
2022神戸大学・理・第5問
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