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対数log{10}{2}、log{2}{3}の評価|近似値の求め方|小数第1、2位

指数・対数関数

\(\log_{10}{2}\) の値はおおよそ \(0.3010\) と知られているが、この近似値を使わずに以下の問に答えよ.

(1) \(2^{13}\) を計算せよ.

(2) \(\log_{10}{2}\) を小数第 \(2\) 位まで正しく求めよ.

(3) \(\log_{2}{3}\) を小数第 \(1\) 位まで正しく求めよ.



考え方

(1)について

基本的にはただただ計算を頑張りましょう!

➡(2)へのヒントであることを意識しましょう!!

\(2^{10}=1024\) であることを覚えていると、

\(2^{13}=2^3\times 2^{10}=8\times 1024=8192\) と楽に計算できる.

\(2^{10}\) については、ちょいちょい出てくる値ですので、覚えておいて損はないかと.

(2)について

\(\log_{10}{2}\) について考えるので、「\(2\) の何乗」と「\(10\) の何乗」に関する評価式を考える.

 

(1)で \(2^{13}=8192\) であることがわかった.

この値にできるだけ近い値で、「\(10\) の何乗」を考える

\(10^4=10000\) なので、\(2^{13}<10^4\)

両辺に \(\log_{10}\) をとると・・・

また上と同様に、「\(2\) の何乗」と「\(10\) の何乗」に関する評価式をもう一つ考える.

 

(3)について

(2)と同じように、\(\log_{2}{3}\) について考えるので、「\(2\) の何乗」と「\(3\) の何乗」に関する評価式を考えればよい.

 

\(\log_{10}{2}=0.3010\)、\(\log_{10}{3}=0.4771\) の近似値はとても有名ですから、覚えている人も多いかと.

つまり、底の変換公式を利用して、

\(\log_{2}{3}=\displaystyle\frac{\log_{10}{3}}{\log_{10}{2}}=\displaystyle\frac{0.4771}{0.3010}=1.58\cdots \)

であるから、答えは \(1.5\) であることは検討がつく.

解答

(1) \(2^{13}=8192\)

 

(2) (1)より、\(2^{13}=8192\) なので、\(2^{13}<10^4\)

両辺に \(\log_{10}\) をとると、

\(\log_{10}{2^{13}}<4\)

\(13\log_{10}{2}<4\)

\(\log_{10}{2}<\displaystyle\frac{4}{13}=0.307\cdots\) ・・・①

 

また、\(10^3<2^{10}\) より

両辺に \(\log_{10}\) をとると、

\(3<\log_{10}{2^{10}}\)

\(3<10\log_{10}{2}\)

\(0.3<\log_{10}{2}\) ・・・②

 

①、②より\(0.3<\log_{10}{2}<0.307\cdots\)

したがって、\(\log_{10}{2}\) の小数第 \(2\) 位までは

\(\log_{10}{2}=0.30\)

 

(3) \(3^5=243\)、\(2^8=256\) より

\(3^5<2^8\)

両辺に \(\log_{2}\) をとると、

\(5\log_{2}{3}<8\)

\(\log_{2}{3}<\displaystyle\frac{8}{5}=1.6\) ・・・③

 

また、\(2^3<3^2\) の両辺に \(\log_{2}\) をとると、

\(3<2\log_{2}{3}\)

\(1.5<\log_{2}{3}\) ・・・④

③、④より

\(1.5<\log_{2}{3}<1.6\)

したがって、\(\log_{2}{3}\) の小数第 \(1\) 位までは

\(\log_{2}{3}=1.5\)

 

さいごに

まず、\(\log_{10}{2}=0.3010\)、\(\log_{10}{3}=0.4771\) の近似値は覚えておくことをお勧めする。

とりあえず値を覚えておくことで、答えの検討を付けることができる!

しかし、問題文に使ってよいと書かれていなければ、勝手に使用することが出来ない。そこで上の問題の解法のように、「\(2\) の何乗」と「\(10\) の何乗」を考えることで評価式を作り、おおよその近似値を求められるようになっておいて欲しい。

私の経験からすると、難関大学と呼ばれる大学ほど、近似値直接使わせるのではなく、自信で評価させてから問題を考えさせる問題が多いように感じる。

ただ答えが求められるだけでなく、記述することを意識しましょう!

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常用対数を用いた、桁数・最高位問題。また、15で割った余りに対して、合同式を利用。 典型有名頻出問題。数学Ⅱ:対数・対数関数。定期考査対策、2次試験対策。私大医学部。

 

コメント

  1. 某大院卒エンジニア より:

    常用対数の近似値ってどうやって求めるんだっけと調べてたらこのページに辿り着きました。記事を拝見して気になることがあったためコメントいたします。

    (2)について、小数第2位まで求めるということは、少数第3位を四捨五入した値を求めるということと同義だと思います。

    > ①、②より0.3<log102 したがって、log102 の小数第 2 位までは
    > log102=0.30

    これだとlog102の少数第3位が5より小さいことを示せていない(つまりlog102=0.31となる可能性が残っている)ので、解答として不十分だと感じました。
    ちゃんとやるなら2の23乗が10,000,000より小さいことを利用してやるのが正しいような気がします。

    • マス学ぶ より:

      コメントありがとうございます。

      ご指摘の件についてですが、
      ①からlog(10)2<0.307・・・
      であることがわかりますので、現時点において
      log(10)2の小数第2位の数が1(log102=0.31となる可能性)になることはあり得ません。

      もちろんより厳しい評価(2の23乗が10,000,000より小さいことようなもの)が安易に見つかる(または説明できる)のであればそのような評価をしても問題はありませんが、
      2の23乗が10,000,000より小さいことをパッと思いつく(説明できる)方が難しいかと・・・

      • 某大院卒エンジニア より:

        返信ありがとうございます。
        すみません。題意を勘違いしていました。

        小数第2位までの近似値ではなく、小数第2位までの数字の並びを求める問題ということですね。
        納得できました。ありがとうございます。

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