スポンサーリンク

整数問題(1次不定方程式)|x=3m+5n で表せない正の整数xは?【大阪大・同志社】

整数問題

【大阪大・同志社大】

どのような負でない \(2\) つの整数 \(m\) と \(n\) を用いても

$$x=3m+5n$$

とは表すことができない正の整数 \(x\) をすべて求めよ.

考え方(ポイント)

まず整数問題すべてに共通して言えるPointは

  1. 積の形に変形
  2. 条件から範囲を絞る
  3. 倍数や余りに注目

整数問題の多くが、上の1〜3のいずれかで処理できます。

さらに上のポイントに加えて、方針が立たない時は次のポイントを考えましょう。

整数問題の極意 👉 実験する

※規則性や法則を見つけたい

※規則や法則を見つけ、証明を必ず与えるように!

ただ実験して規則や法則を見つけただけでは、ただの予想です!

方針が見えなければ実験!

例えば、\(n=0\) とすると、\(x=3m\) となるから、

\(x\) は \(0 , 3 , 6 , 9 , 12 , 15 , 18 , \cdots\) を表すことができます。

 

例えば、\(n=1\) とすると、\(x=3m+5\) となるから、

\(x\) は \(5 , 8 , 11 , 14 , 17 , \cdots\) を表すことができます。

 

例えば、\(n=2\) とすると、\(x=3m+10\) となるから、

\(x\) は \(10 , 13 , 16 , 19 ,  \cdots\) を表すことができます。

 

ここまで表すことができた数をまとめる(小さい順から並び替える)と、

3 , 5 , 6 , 8 , 9 , 10 , 11 , 12 , 13 , 14 , 15 , 16 , 17 , 18 , 19 , ・・・

\(8\) 以降はずっと表すことが出来そう??

つまり答え(表すことができない正の整数)は、「 \(1 , 2 , 4 , 7\) 」であることは検討がつく!

ここまで実験をした上で、改めて整数問題のPOINTに立ち返ります。

  1. 積の形に変形
  2. 条件から範囲を絞る
  3. 倍数や余りに注目

本問において、解答をつくる(記述する)上で、どれが有効であるか分かりますか?

今回は、「余り」に注目して解答を作ってみます。

解答

\(x=3m+5n\) ( \(m , n\) は \(0\) 以上の整数 ) において

(Ⅰ) \(n=0\) のとき

\(x=3m\) となるので、\(0\) 以上の数の中で\(3\) で割ると 余りが \(0\) の数を表すことができる。

(Ⅱ) \(n=1\) のとき

\(x=3m+5=3(m+1)+2\) となるので、\(5\) 以上の数の中で、\(3\) で割ると 余りが \(2\) の数を表すことができる。

(Ⅲ) \(n=2\) のとき

\(x=3m+10=3(m+3)+1\) となるので、\(10\) 以上の数の中で\(3\) で割ると 余りが \(1\) の数を表すことができる。

(Ⅳ) \(n≧3\) のとき

\(x=3m+5n≧3x+15≧15\) となり \(15\) より小さい数は表すことができない。

(Ⅰ)~(Ⅳ)より

求める数は、\(1 , 2 , 4 , 7\)

参考別解

考え方(実験)

上では、\(n\) に具体的な値を入れて実験してみましたが、\(x\) に具体的に値を代入して考えてみます。

例えば、

・\(x=1\) をみたす \(0\) 以上の整数 \(m , n\) はあるか?

→ ない!

・\(x=2\) をみたす \(0\) 以上の整数 \(m , n\) はあるか?

→ ない!

・\(x=3\) をみたす \(0\) 以上の整数 \(m , n\) はあるか?

→ \(( m , n )=( 1 , 0 )\) のとき!

・・・

あとはこれをひたすら繰り返していく。

ただ当然、これをエンドレスにやっていくのは大変ですから、

・\(x=a\) をみたす \(0\) 以上の整数 \(m , n\) はあるか?

→ \(3m+5n=a\) ( 1次不定方程式を解けばよい!!)

別解として、このような解答を作ってみます。

※1次不定方程式の解法が不安な人はこちらを参考に!

【頻出】1次不定方程式 (ax+by=c)の解法2つ(模範解答と時短裏技)
2021共通テスト(5x-3y=1)・2019センター試験(49x-23y=1)の「1次不定方程式」解法を2つ紹介。 特殊解(頑張って探すorユークリッドの互除法)。格子点を利用。時間短縮裏技テクニック。定期考査・大学受験頻出テーマ。

別解(途中まで)

正の整数 \(a\) に対して、

方程式 \(3m+5n=a\) ・・・①

の整数解の \(1\) つは \(( m , n )=( 2a , -a )\) であるから、

\(x=3(2a)+5(-a)\) ・・・②

①-②より

\(3(m-2a)+5(x+a)=0\)

よって、\(3(m-2a)=-5(x+a)\)

\(3\) と \(5\) は互いに素であるから、整数 \(k\) を用いて、

\(m-2a=5k\)

よって、\(m=5k+2a\)、\(n=-3k-a\)

ここで、\(m≧0\)、\(n≧0\) より、

\(m=5k+2a≧0\)、\(n=-3k-a≧0\)

\(a\) は正の整数であるから、

\(-\displaystyle\frac{2a}{5}≦k≦-\displaystyle\frac{a}{3}\) ・・・③

ここで、③を満たす整数 \(k\) が少なくとも \(1\) つ存在するとき、

\((-\displaystyle\frac{a}{3})-(-\displaystyle\frac{2a}{5})≧1\)

よって、\(a≧15\)

したがって、\(a≧15\) のとき、③を満たす \(k\) が少なくとも \(1\) つ存在するので、条件を満たす \(m , n\) が少なくとも \(1\) つ存在する.

したがって、\(a<15\) のときについて、条件を満たす \(m , n\) が存在するどうかを調べれば良い.

あとは \(1\) つ \(1\) つの値を調べていけば答えが求まります!

コメント

タイトルとURLをコピーしました