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1990京都大学【整数問題・素数】B=60、bは整数、a、cは素数のとき、△ABCは正三角形

整数問題

【1990京都大学・第2問・文理共通】

三角形 \(ABC\) において、\(\angle{B}=60°\)、\(B\) の対辺の長さ \(b\) は整数、他の \(2\) 辺の長さ \(a\)、\(c\) はいずれも素数である.このとき三角形 \(ABC\) は正三角形であることを示せ.

整数問題のPoint

整数問題は3つのアプローチで!

まず整数問題すべてに共通して言えるPointは

  1. 積の形に変形
  2. 条件から範囲を絞る
  3. 倍数や余りに注目

整数問題の多くが、上の1から3のいずれかで処理できます。

この3つのPointは絶対に頭の中に叩き込んでください!

 

素数は積の形に弱い!

(素数) = (積の形) に変形できれば、素数の約数は \(1\) か自分自身しかないため、大きく可能性を絞ることができます!

解答

\(a≧c\) として一般性を失わないため、以下では

\(a≧c>0\) ・・・① とする.

 

余弦定理より、

\(b^2=a^2+c^2-2ac\cos 60°=a^2+c^2-ac\)

\(b^2=a^2-2ac+c^2+ac=(a-c)^2+ac\) より

\(b^2-(a-c)^2=ac\) \(\iff (b+a-c)(b-a+c)=ac\) ・・・②

\(a\)、\(b\)、\(c\) は三角形の \(3\) 辺であるから、

\(b+a-c>0\)、\(b-a+c>0\) であり、

三角形の成立条件

\(a\)、\(b\)、\(c\) を \(3\) 辺とする三角形が成立する条件は、\(| b-c | < a < b+c\)

また①より、\(b+a-c≧b-a+c\) 、さらに \(a\)、\(c\) は素数であるから、②を満たすのは

(ア)\(\begin{cases}b+a-c=ac\\b-a+c=1 \end{cases}\)

(イ)\(\begin{cases}b+a-c=a\\b-a+c=c \end{cases}\)

 

(ア)のとき、差をとると

\(2a-2c=ac-1\)

\((a+2)(c-2)=-3\)

\(a+2>c-2>-2\) より \(a+2=3\)、\(c-2=-1\)

したがって、\(a=c=1\)

これは素数であることに反する.

(イ)のとき

\(a=b=c\) となり、三角形 \(ABC\) は正三角形となる.

(ア)、(イ)より題意は示された.

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