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【頻出】有理数の解をもつ⇒その解は整数|2001神戸大学・理

式と証明

【2001神戸大学・理(一部改)】

次の問に答えよ.

(1) \(a\)、\(b\)、\(c\) を整数とする.\(x\) に関する \(3\) 次方程式

\(x^3+ax^2+bx+c=0\)

が有理数の解をもつならば、その解は整数であることを示せ.

(2) 方程式 \(x^3+2x^2+2=0\) は、有理数の解をもたないことを示せ.

超有名頻出問題です。解法を丸暗記しても良いぐらい様々な大学で出題されている問題になります!

考え方

有理数の解

\(m\) と \(n\) は互いに素な整数として、

\(x=\displaystyle\frac{n}{m}\) とおく!

本問では、これが整数解になる

つまり、\(n=\pm1\) となることを示せばよい

~をもたないことを示せ

背理法を検討すべき問題です!

背理法を利用する有名場面は多々ありますが、「もたない」ことを直接示すのは難しい.

そこで「解をもつ」と仮定して、矛盾を導こう!もちろん(1)の結果は利用したい

解答

(1) \(3\) 次方程式 \(x^3+ax^2+bx+c=0\) が有理数の解をもつとき、

\(x=\displaystyle\frac{n}{m}\) ( \(m\) と \(n\) は互いに素な整数 )

とおける.これを \(3\) 次方程式に代入すると、

\(\left(\displaystyle\frac{n}{m}\right)^3+a\left(\displaystyle\frac{n}{m}\right)^2+b\cdot \displaystyle\frac{n}{m}+c=0\)

\(m^3\) を両辺にかけて整理すると、

\(n^3+amn^2+bm^2n+cm^3=0\)

\(n^3=-m(an^2+bmn+cm^2)\)

\(m\) と \(n\) は互いに素な整数であるから、

\(m=\pm1\)

したがって、\(x=\displaystyle\frac{n}{m}=\pm n\)

となり整数解となる.以上より題意は示された.

 

(2) 方程式 \(x^3+2x^2+2=0\) が、有理数の解をもつと仮定する.

(1)の結果より、その解は整数解となる.

その整数解を \(x=\alpha\) とおくと、

\(\alpha^3+2\alpha^2+2=0\)

\(\iff \alpha^2(\alpha+2)=-2\) ・・・①

\(\alpha\) は整数であり、\(\alpha^2≧0\) なので、

\(\alpha^2=1\) つまり、\(\alpha=\pm1\) となるが、

①に代入すると \(\alpha=\pm1\) ともに成り立たないため矛盾.

したがって、方程式 \(x^3+2x^2+2=0\) は、有理数の解をもたない.

 

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