2021兵庫県立大学
整数問題のPoint
まず整数問題すべてに共通して言えるPointは
- 積の形に変形
- 条件から範囲を絞る
- 倍数や余りに注目
整数問題の多くが、上の1から3のいずれかで処理できます。
この3つのPointは絶対に頭の中に叩き込んでください!
☆平方数・指数はmod 3,mod 4 が有効
難関大学ではよく出題されるPointの1つ!
まずは下の表を見てください。
平方数において
何かの2乗(平方数)において、
mod 3→「1,1,0」の繰り返し
mod 4→「1,0」の繰り返し
という規則が存在!
指数において
指数においてもmod 3,mod 4を考えることで規則性を見つけることが出来る!
参考:平方数とmod 3、4、5、8について
上で紹介したように、平方数と合同式は非常に相性抜群です!
特に \(mod 3\) や \(mod 4\) は頻出ですので絶対に抑え、さらに参考として、\(mod 5\)、\(mod 8\) についても 紹介しておきます。
- mod 3 ➡ 「0、1」のみ
- mod 4 ➡ 「0、1」のみ
- mod 5 ➡ 「0、1、4」のみ
- mod 8 ➡ 「0、1、4」のみ
解法1:合同式の利用
\(mod 4\) で考える
(ア) \(m≡0\) のとき \(m^2≡0\)
(イ) \(m≡1\) のとき \(m^2≡1\)
(ウ) \(m≡2\) のとき \(m^2≡4≡0\)
(エ) \(m≡3\) のとき \(m^2≡9≡1\)
(ア)~(エ)より、\(m^2\) を \(4\) で割った余りは \(0\) または \(1\)
一方で、\(48n+3≡3\) より、\(48n+3\) を \(4\) で割った余りは \(3\)
したがって、\(4\) で割った余りが左辺と右辺で異なるため、\(48n+3=m^2\) を満たす整数 \(m , n\) の組は存在しない.
解法2:背理法
背理法で考える.
\(48n+3=m^2\) を満たす整数 \(m , n\) の組が存在すると仮定する.
\(48n+3=2(24n+1)+1\) より奇数であるから、
\(m^2\) は奇数.
つまり【※補足(下記で証明)】より、\(m\) も奇数となる.
ここで\(m=2a+1\) (\(a\) は整数) とおくと、
\(48n+3=(2a+1)^2\)
\(48n+3=4a^2+4a+1\)
\(24n+1=2a^2+2a\)
\(2(12n)+1=2(a^2+a)\)
左辺は奇数、右辺は偶数となり、矛盾.
したがって、\(48n+3=m^2\) を満たす整数 \(m , n\) の組は存在しない
【※補足】
対偶をとって、「\(m\) が偶数ならば \(m^2\) は偶数」であることを示せばよい.
\(m\) は偶数より、整数 \(k\) を用いて、
\(m=2k\) とおける.
このとき、
\(m^2=(2k)^2=2(2k^2)\)
\(2k^2\) は整数なので、\(m^2\) は偶数である.
よって、対偶が成立するので、もと命題(※)も成立する.
整数問題について
整数問題は、教科書だけではなかなか学習しきれない分野です。
今回「平方数・指数はmod 3,mod 4 が有効」などのテーマを扱いましたが、このような発想は一度経験したことがないとなかなか難しいです。(しかし頻出)
このサイトでは整数問題をメインに、学校ではなかなか学習しない有名入試問題の解法・考え方を紹介しています。受験勉強の参考に活用してください!
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