【2021茨城大学・教育・第1問(1)】
正の整数 \(a\),\(b\) に関する \(2\) つの条件 \(p\),\(q\) を次のように定める.
\(p\) : \(a^2+ab+b^2\) は \(3\) の倍数である
\(q\) : \(a+2b\) は \(3\) の倍数である
このとき,「必要条件であるが十分条件ではない」,「十分条件であるが必要条件ではない」,「必要十分条件である」,「必要条件でも十分条件でもない」のうち,次の [ ] にあてはまるものを理由をつけて答えよ.
\(p\) は \(q\) であるための [ ]
必要条件と十分条件
\(2\) つの条件 \(p\),\(q\) について,命題 \(p ⇒ q\) が真であるとき,
\(q\) は \(p\) であるための必要条件である,
\(p\) は \(q\) であるための十分条件である という.
解答・解説
( ⅰ ) \(p ⇒ q\) について
\(a^2+ab+b^2=(a+2b)^2-3ab-3b^2\)
\(a^2+ab+b^2=(a+2b)^2-3b(a+b)\) ・・・①
\(a\),\(b\) は正の整数より,\(b(a+b)\) は整数であるため,\(3b(a+b)\) は \(3\) の倍数である.
よって,\(a^2+ab+b^2\) が \(3\) の倍数のとき,
\((a+2b)^2\) は \(3\) の倍数となる.
つまり,\(a+2b\) が \(3\) の倍数
「\((a+2b)^2\) が \(3\) の倍数」⇒「\(a+2b\) が \(3\) の倍数」
については,補足として下記に証明を与えています。
したがって,\(p ⇒ q\) は真
( ⅱ ) \(q ⇒ p\) について
\(a+2b\) が \(3\) の倍数のとき,①より
\(a^2+ab+b^2\) も \(3\) の倍数となる.
よって,\(q ⇒ p\) は真
( ⅰ ),( ⅱ )より \(p\) \(\iff\) \(q\) となり
\(p\) は \(q\) であるための [ 必要十分条件 ] である
補足証明
対偶を利用して証明しましょう!
対偶をととると
「\(n\) が \(3\) の倍数でない」 ⇒ 「\(n^2\) は \(3\) の倍数でない」ことを示す.
整数 \(k\) を用いて
\(n=3k\pm 1\) とおける.
\(n^2=(3k\pm 1)^2=3(3k^2\pm 2k)+1\)
\(3k^2\pm 2k\) は整数より,\(n^2\) は \(3\) の倍数でない.
よって対偶が真であるから,元の命題も真である.
合同式を利用すると,\(mod 3\) として考えて
\(n≡\pm 1\) のとき \(n^2≡1\)
と解答はシンプルに済みますね!
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