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【2023九州大学・理系・第1問】相反方程式と複素数平面(三角形ABCの形について)

式と証明

【2023九州大学・理系・第1問】

以下の問いに答えよ.

(1) \(4\) 次方程式 \(x^4-2x^3+3x^2-2x+1=0\) を解け.

(2) 複素数平面上の \(\triangle ABC\) の頂点を表す複素数をそれぞれ \(\alpha\),\(\beta\),\(\gamma\) とする.

\((\alpha-\beta)^4+(\beta-\gamma)^4+(\gamma-\alpha)^4=0\)

が成り立つとき,\(\triangle ABC\) はどのような三角形になるか答えよ.

考え方・方針

相反方程式について

方程式の係数に注目してみましょう!

「\(1\) , \(-2\) , \(3\) , \(-2\) , \(1\)」と係数が左右対称になる方程式を相反方程式といいます。相反方程式は解法の手順が決まっていますので,しっかりとマスターしましょう!

相反方程式の解法手順

・最高次が偶数のとき \(x^{2n}+\cdots=0\)

👉  \(x^n\) で割って、\(t=x+\displaystyle\frac{1}{x}\) と置き換え

・最高次が奇数のとき \(x^{2n+1}+\cdots=0\)

👉 \(x+1\) を因数にもつ

つまり、\(x+1\) と 最高次が偶数の相反方程式に分解できる

相反方程式についてより詳しく(具体例あり)確認したい方は

係数が左右対称な【相反方程式】の解き方

をご参考に!

係数が左右対称な【相反方程式】の解き方
係数が左右対称な式を相反方程式という。相反方程式の解法は、最高次が偶数と奇数ののときでそれぞれ決まっている。解法手順のまとめ。

一般の点を中心とする回転

点 \(\alpha\) を中心に、点 \(\beta\) を \(k\) 倍して、角 \(\theta\) だけ回転した点が \(\gamma\) のとき

\(\gamma-\alpha=k(\cos \theta+i \sin \theta) (\beta-\alpha)\)

または

\(\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=k(\cos \theta+i \sin \theta)\)

\(\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=k(\cos \theta+i \sin \theta)\)

の形を作ることが出来れば,三角形の形状を掴むことができます!

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解答・解説

(1) \(4\) 次方程式 \(x^4-2x^3+3x^2-2x+1=0\) を解け.

\(x^4-2x^3+3x^2-2x+1=0\) ・・・①

①は \(x=0\) を解に持たないので \(x^2\) で割ると

\(x^2-2x+3-\displaystyle\frac{2}{x}+\displaystyle\frac{1}{x^2}=0\)

\(\left(x^2+\displaystyle\frac{1}{x^2}\right)-2\left(x+\displaystyle\frac{1}{x}\right)+3=0\)

\(\left\{\left(x+\displaystyle\frac{1}{x}\right)^2-2\right\}-2\left(x+\displaystyle\frac{1}{x}\right)+3=0\)

\(\left(x+\displaystyle\frac{1}{x}\right)^2-2\left(x+\displaystyle\frac{1}{x}\right)+1=0\)

\(\left(x+\displaystyle\frac{1}{x}-1\right)^2=0\)

\(x+\displaystyle\frac{1}{x}-1=0\)

\(x^2-x+1=0\)

\(x=\displaystyle\frac{1\pm\sqrt{3}i}{2}\)

(2) \(\triangle ABC\) はどのような三角形になるか

\((\alpha-\beta)^4+(\beta-\gamma)^4+(\gamma-\alpha)^4=0\) より

\((\beta-\alpha)^4+\left\{(\beta-\alpha)-(\gamma-\alpha)\right\}^4+(\gamma-\alpha)^4=0\)

\(\alpha\not=\beta\) より \((\beta-\alpha)^4\) で割ると

\(1+\left(1-\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\right)^4+\left(\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\right)^4=0\)

ここで,\(z=\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\) とおくと

\(1+(1-z)^4+z^4=0\)

\(z^4-2z^3+3z^2-2z+1=0\)

(1)の結果から

\(z=\displaystyle\frac{1\pm\sqrt{3}i}{2}\)

\(\displaystyle\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=\cos\left(\pm\displaystyle\frac{\pi}{3}\right)+i\sin\left(\pm\displaystyle\frac{\pi}{3}\right)\) (複号同順)

よって点 \(\gamma\) は \(\alpha\) を中心に \(\beta\) を \(\pm\displaystyle\frac{\pi}{3}\) 回転した点なので,

したがって \(\triangle ABC\) は正三角形となる.

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