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【2021九州大学・理】四面体に内接する球|平面の方程式、点と面の距離の公式の利用

ベクトル

【2021九州大学・理】

座標空間内の \(4\) 点 \(O(0,0,0)\) , \(A(1,0,0)\) , \(B(0,1,0)\) , \(C(0,0,2)\) を考える.以下の問に答えよ.

(1) 四面体 \(OABC\) に内接する球の中心の座標を求めよ.

(2) 中心の \(x\) 座標,\(y\) 座標,\(z\) 座標がすべて正の実数であり,\(xy\) 平面,\(yz\) 平面,\(zx\) 平面のすべてと接する球を考える.この球が平面 \(ABC\) と交わるとき,その交わりとしてできる円の面積の最大値を求めよ.

考え方・方針

求める球の中心を \(P\) とおき,球の半径を \(r\) ( \(>0\) ) とおく

(1) \(xy\) 平面,\(yz\) 平面,\(zx\) 平面のすべてと接する球であるから,

\(P (r,r,r)\) と表すことができる

四面体 \(OABC\) に内接するとき,点 \(P\) から平面 \(ABC\) への距離が \(r\) と等しくなれば良い!

平面の方程式の公式と,点と面の距離の公式を活用することで処理することができる!

平面の方程式

公式の証明や使い方などについては、「平面の方程式・点と平面の距離・空間上の直線の方程式・外積の公式まとめ・例題演習」を参考にしてください!

参考(\(x\)切片,\(y\)切片,\(z\)切片を通る平面の方程式)

本問では \(A(1,0,0)\) , \(B(0,1,0)\) , \(C(0,0,2)\) を通る平面 \(ABC\) の方程式だからすぐにわかるね!

点と平面の距離の公式・証明

点と直線の距離の公式の形に似ているので,覚えるのは比較的簡単ですね!

公式の証明等については、「平面の方程式・点と平面の距離・空間上の直線の方程式・外積の公式まとめ・例題演習」を参考にしてください。

 

解答・解説

【2021九州大学・理】

座標空間内の \(4\) 点 \(O(0,0,0)\) , \(A(1,0,0)\) , \(B(0,1,0)\) , \(C(0,0,2)\) を考える.以下の問に答えよ.

(1) 四面体 \(OABC\) に内接する球の中心の座標を求めよ.

(2) 中心の \(x\) 座標,\(y\) 座標,\(z\) 座標がすべて正の実数であり,\(xy\) 平面,\(yz\) 平面,\(zx\) 平面のすべてと接する球を考える.この球が平面 \(ABC\) と交わるとき,その交わりとしてできる円の面積の最大値を求めよ.

(1)

四面体 \(OABC\) に内接する球の中心を \(P\) , 半径を \(r\) ( \(r>0\) ) とおく.

この球は,\(xy\) 平面,\(yz\) 平面,\(zx\) 平面のすべてと接するから

\(P(r,r,r)\) とおくことができる.

次に,\(3\) 点 \(A(1,0,0)\) , \(B(0,1,0)\) , \(C(0,0,2)\) を通る平面の方程式は,

\(\displaystyle\frac{x}{1}+\displaystyle\frac{y}{1}+\displaystyle\frac{z}{2}=1\)

\(\iff\) \(2x+2y+z-2=0\) ・・・①

球の中心点 \(P\) から,平面①までの距離を \(h\) とおくと,

題意の条件を満たすのは,\(h=r\) のとき.

よって

\(h=\displaystyle\frac{|2r+2r+r-2|}{\sqrt{2^2+2^2+1^2}}=r\)

\(|5r-2|=3r\)

\(2\) 乗すると

\((5r-2)^2=9r^2\)

式を整理してまとめると,

\((4r-1)(r-1)=0\)

よって, \(r=\displaystyle\frac{1}{4}\), \(1\)

ここで,\(r=1\) のとき \(P(1,1,1)\) は四面体 \(OABC\) の外部にあるため不適.

したがって求める球の中心は \(P\left(\displaystyle\frac{1}{4} , \displaystyle\frac{1}{4} ,\displaystyle\frac{1}{4}\right)\)

(2)

(1)の結果を利用すると,\(h<r\) を満たせば良い

よって,\(h=\displaystyle\frac{|5r-2|}{3}<r\)

両辺正であるから \(2\) 乗しても不等号の向きは変わらないので

\((5r-2)^2<9r^2\)

\((4r-1)(r-1)<0\)

\(\displaystyle\frac{1}{4}<r<1\) ・・・②

このとき,球 \(P\) と平面が \(ABC\) が交わってできる円の半径を \(R\) とおくと

\(R^2=r^2-h^2=r^2-\left(\displaystyle\frac{|5r-2|}{3}\right)^2\)

よって,\(R=-\displaystyle\frac{16}{9}\left(r-\displaystyle\frac{5}{8}\right)^2+\displaystyle\frac{1}{4}\)

となるから,②の範囲における \(R^2\) の最大値は

\(r=\displaystyle\frac{5}{8}\) のとき \(\displaystyle\frac{1}{4}\)

したがって,求める円の面積の最大値は,\(\displaystyle\frac{\pi}{4}\)

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