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【2021お茶の水女子大・理】楕円の接線、法線、角の二等分線について

式と曲線

【2021お茶の水女子大学・理・第1問】

\(a>b>0\) として,座標平面上の楕円 \(\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\displaystyle\frac{y^2}{b^2}=1\) を \(C\) とおく.

\(C\) 上の点 \(P(p_{1},p_{2})\) ( \(p_{2}\not=0\) ) における \(C\) の接線を \(l\),法線を \(n\) とする.

(1) 接線 \(l\) および法線 \(n\) の方程式を求めよ.

(2) \(2\) 点 \(A(\sqrt{a^2-b^2},0)\) ,\(B(-\sqrt{a^2-b^2},0)\) に対して,法線 \(n\) は \(\angle APB\) の二等分線であることを示せ.

楕円について

楕円の定義

平面上で,異なる \(2\) 定点 \(F\),\(F^{\prime}\) から距離の和が一定である点 \(P\) の軌跡楕円 という.
この \(2\) 定点 \(F\),\(F^{\prime}\) を楕円の焦点という.

楕円の性質

楕円 \(\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\displaystyle\frac{y^2}{b^2}=1\) (\(a>0\) ,\(b>0\) )

  1. 中心は原点,長軸の長さは \(2a\),短軸の長さは \(2b\)
  2. 焦点は \(2\) 点 \((\sqrt{a^2-b^2},0)\) ,\((-\sqrt{a^2-b^2},0)\)
  3. 楕円は \(x\) 軸,\(y\) 軸,原点に関して対称である.
  4. 楕円上の点から \(2\) つの焦点までの距離の和は \(2a\)

楕円の接線の方程式

楕円 \(\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\displaystyle\frac{y^2}{b^2}=1\) 上の点 \(P(p_{1},p_{2})\) における楕円の接線の方程式は

\(\displaystyle\frac{p_{1}x}{a^2}+\displaystyle\frac{p_{2}y}{b^2}=1\)

頻出ですから結果は覚えておきましょう!

証明については,下記の(1)の解答を参考に。

解答・解説

(1)

楕円の接線の方程式について

\(\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\displaystyle\frac{y^2}{b^2}=1\) の両辺を \(x\) で微分すると

\(\displaystyle\frac{2x}{a^2}+\displaystyle\frac{2y}{b^2}\displaystyle\frac{dy}{dx}=0\)

\(y\not=0\) のとき \(\displaystyle\frac{dy}{dx}=-\displaystyle\frac{b^2x}{a^2y}\) より

求める接線の傾きは,\(\displaystyle\frac{dy}{dx}=-\displaystyle\frac{b^2p_{1}}{a^2p_{2}}\)

よって,接線の方程式は

\(y-p_{2}=-\displaystyle\frac{b^2p_{1}}{a^2p_{2}}\left(x-p_{1}\right)\)

\(\displaystyle\frac{p_{1}x}{a^2}+\displaystyle\frac{p_{2}y}{b^2}=\displaystyle\frac{p_{1}^2}{a^2}+\displaystyle\frac{p_{2}^2}{b^2}\)

点 \(P(p_{1},p_{2})\) は楕円 \(\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\displaystyle\frac{y^2}{b^2}=1\) 上の点より,\(\displaystyle\frac{p_{1}^2}{a^2}+\displaystyle\frac{p_{2}^2}{b^2}=1\) より

求める接線の方程式は,\(\displaystyle\frac{p_{1}x}{a^2}+\displaystyle\frac{p_{2}y}{b^2}=1\)

(また,\(y=p_{2}=0\) のとき \(p_{1}=\pm a\) より,接線の方程式は \(x=\pm a\) となり成立.)

楕円の法線の方程式について

・\(p_{1}\not=0\) のとき

\(p_{2}\not=0\) のとき接線の傾きは \(\displaystyle\frac{dy}{dx}=-\displaystyle\frac{b^2p_{1}}{a^2p_{2}}\) より,

法線の傾きは \(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\displaystyle\frac{a^2p_{2}}{b^2p_{1}}\)

よって法線の方程式は

\(y-p_{2}=\displaystyle\frac{a^2p_{2}}{b^2p_{1}}\left(x-p_{1}\right)\)

\(a^2p_{2}x-b^2p_{1}y=(a^2-b^2)p_{1}p_{2}\)

・\(p_{1}=0\) のとき

\(p_{2}=\pm b\) で,法線の方程式は \(x=0\) となり成立.

したがって法線の方程式は,\(a^2p_{2}x-b^2p_{1}y=(a^2-b^2)p_{1}p_{2}\)

(2)

法線 \(n\) と \(x\) 軸の交点を \(Q\) とする.

(1)より,\(Q\left(\displaystyle\frac{a^2-b^2}{a^2}p_{1},0\right)\) となる.

ここで,線分 \(AP\),\(BP\),\(AQ\),\(BQ\) について

\(AP^2=\left(\sqrt{a^2-b^2}-p_{1}\right)^2+p_{2}^2\)

\(=a^2-b^2-2\sqrt{a^2-b^2}p_{1}+p_{1}^2+p_{2}^2\)

\(\displaystyle\frac{p_{1}^2}{a^2}+\displaystyle\frac{p_{2}^2}{b^2}=1\)

\(\iff\) \(p_{2}^2=b^2-\displaystyle\frac{b^2p_{1}^2}{a^2}\) より

\(AP^2=\left(p_{1}^2-2\sqrt{a^2-b^2}p_{1}+a^2-b^2\right)+\left(b^2-\displaystyle\frac{b^2p_{1}^2}{a^2}\right)\)

\(=\displaystyle\frac{a^2-b^2}{a^2}p_{1}^2-2\sqrt{a^2-b^2}p_{1}+a^2\)

\(=\left(\displaystyle\frac{\sqrt{a^2-b^2}}{a}p_{1}-a\right)^2\)

よって,\(AP=a-\displaystyle\frac{\sqrt{a^2-b^2}}{a}p_{1}\) ( ∵\(p_{1}<a\) )

\(BP=2a-AP=a+\displaystyle\frac{\sqrt{a^2-b^2}}{a}p_{1}\)

\(AQ=\sqrt{a^2-b^2}-\displaystyle\frac{a^2-b^2}{a^2}p_{1}=\displaystyle\frac{\sqrt{a^2-b^2}}{a}AP\)

\(BQ=\sqrt{a^2-b^2}+\displaystyle\frac{a^2-b^2}{a^2}p_{1}=\displaystyle\frac{\sqrt{a^2-b^2}}{a}BP\)

ゆえに,\(AP:BP=AQ:BQ\) が成り立つので,法線 \(n\) は \(\angle APB\) の二等分線となる.

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