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【2023大阪公立大学・文系・第2問】anが奇数であることの証明

数列

【2023大阪公立大学・文系・第2問】

数列 \(\left\{a_{n}\right\}\),\(\left\{b_{n}\right\}\) をそれぞれ

\(a_{n}=\displaystyle\frac{5^{2^{n-1}}-1}{2^{n+1}}\),\(b_{n}=\displaystyle\frac{a_{n+1}}{a_{n}}\) \(\left(n=1,2,3,\cdots\right)\)

により定める.ただし,\(5^{2^{n-1}}\) は \(5\) の \(2^{n-1}\) 乗を表す.次の問いに答えよ.

問1 \(a_{1}\),\(a_{2}\),\(a_{3}\) を求めよ.

問2 すべての自然数 \(n\) について \(b_{n}\) は整数であることを示せ.

問3 すべての自然数 \(n\) について \(a_{n}\) は整数であることを示せ.

問4 すべての自然数 \(n\) について \(a_{n}\) は奇数であることを示せ.

解答・解説

問1 \(a_{1}\),\(a_{2}\),\(a_{3}\) を求めよ.

\(a_{1}=\displaystyle\frac{5^1-1}{2^2}=1\)

\(a_{2}=\displaystyle\frac{5^2-1}{2^3}=3\)

\(a_{3}=\displaystyle\frac{5^4-1}{2^4}=39\)

よって,\(a_{1}=1\),\(a_{2}=3\),\(a_{3}=39\)

 

問2 すべての自然数 \(n\) について \(b_{n}\) は整数であることを示せ.

\(b_{n}=\displaystyle\frac{a_{n+1}}{a_{n}}\) より

\(b_{n}=\displaystyle\frac{5^{2^{n}}-1}{2^{n+2}}\cdot\displaystyle\frac{2^{n+1}}{5^{2^{n-1}}-1}=\displaystyle\frac{1}{2}\cdot\displaystyle\frac{5^{2^n}-1}{5^{2^{n-1}}-1}\)

ここで,\(5^{2^{n}}-1=\left(5^{2^{n-1}}-1\right)\left(5^{2^{n-1}}+1\right)\) より

\(b_{n}=\displaystyle\frac{5^{2^{n-1}}+1}{2}\)

\(n\) は自然数より \(5^{2^{n-1}}\) は奇数であるから,\(5^{2^{n-1}}+1\) は偶数

したがって,\(b_{n}\) は整数である.

問3 すべての自然数 \(n\) について \(a_{n}\) は整数であることを示せ.

数学的帰納法を用いて証明する.

(ⅰ) \(n=1\) のとき

\(a_{1}=1\) より整数となる.

(ⅱ) \(n=k\) のとき

\(a_{k}\) が整数であると仮定すると

\(b_{k}=\displaystyle\frac{a_{k+1}}{a_{k}}\) \(\iff\) \(a_{k+1}=a_{k}b_{k}\)

仮定から \(a_{k}\) は整数であり,

また問2の結果から \(b_{k}\) も整数なので

\(a_{k+1}\) は整数となる.

よって \(n=k+1\) のときも成立する.

したがって,すべての自然数 \(n\) について \(a_{n}\) は整数である

問4 すべての自然数 \(n\) について \(a_{n}\) は奇数であることを示せ.

\(5^{2^{n-1}}≡1^{2^{n-1}}=1\) (\(mod 4\)) より

\(5^{2^{n-1}}+1≡2\) (\(mod 4\)) なので

\(5^{2^{n-1}}+1\) は \(2\) の倍数であるが \(4\) の倍数ではない.

つまり,\(b_{n}=\displaystyle\frac{5^{2^{n-1}}+1}{2}\) は奇数となる.

\(a_{k+1}=b_{k}a_{k}\) であり,\(b_{n}\) は奇数より

\(a_{n}\) と \(a_{n+1}\) の偶奇は一致する.

\(a_{1}=1\)(奇数)より,すべての自然数 \(n\) について \(a_{n}\) は奇数である.

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