【2021早稲田大学・商】
(1) \(225\) のすべての正の約数の和を求めよ.
(2) \(2021\) 以下の正の整数で、すべての正の約数の和が奇数であるものの個数を求めよ.
正の約数の個数・総和の公式
自然数 \(n\) の素因数分解が
\(n=p_{1}^{a_{1}}\times p_{2}^{a_{2}}\times p_{3}^{a_{3}}\times\cdots\times p_{k}^{a_{k}}\) のとき
ただし、\(p_{1}<p_{2}<\cdots<p_{k}\) を満たす素数、\(a_{1},a_{2},\cdots,a_{k},k\) は自然数
正の約数の個数
\((a_{1}+1)(a_{2}+1)\cdots(a_{k}+1)\)
正の約数の総和
\((1+p_{1}+p_{1}^2+\cdots+p_{1}^{a_{1}})(1+p_{2}+p_{2}^2+\cdots+p_{2}^{a_{2}})\cdots(1+p_{k}+p_{k}^2+\cdots+p_{k}^{a_{k}})\)
本問は正の約数の総和に関する問題です。
正の約数の個数に関する入試問題演習はこちら⏬
解答
(1)
\(225=3^2\times 5^2\) より、\(225\) の正の約数の和は、
\((1+3+3^2)(1+5+5^2)=13\times 31=403\)
(2)
\(p_{1}<p_{2}<\cdots<p_{k}\) を満たす素数、\(a_{1},a_{2},\cdots,a_{k},k\) は自然数とするとき、
自然数 \(n\) の素因数分解が
\(n=p_{1}^{a_{1}}\times p_{2}^{a_{2}}\times p_{3}^{a_{3}}\times\cdots\times p_{k}^{a_{k}}\)
のとき正の約数の和は
\((1+p_{1}+p_{1}^2+\cdots+p_{1}^{a_{1}})(1+p_{2}+p_{2}^2+\cdots+p_{2}^{a_{2}})\cdots(1+p_{k}+p_{k}^2+\cdots+p_{k}^{a_{k}})\) ・・・①
①が奇数になるための条件は、①の各項が奇数になることである.
・\(p_{1}=2\) のとき
\(1+2+2^2+\cdots+2^{a_{1}}\) は \(1+\)( 偶数の和 ) であるから常に奇数となる.
・\(p_{1}≧3\) のとき
\(p_{1},p_{2},\cdots,p_{k}\) はすべて奇数であるから、\(1≦i≦k\) を満たす任意の整数 \(i\) に対して、
\(1+p_{i}+p_{i}^2+\cdots+p_{i}^{a_{i}}\) が奇数となるためには、これが奇数個の和となれば良い.
\(1+p_{i}+p_{i}^2+\cdots+p_{i}^{a_{i}}\) は \(a_{i}+1\) 個の和であるから、
題意を満たすためには、\(a_{i}+1\) が奇数、つまり \(a_{i}\) は偶数となる.
このとき、\(0\) 以上の整数 \(a\) を用いて、
\(n=2^a\times (\text{奇数})^2\) ・・・② と表せる.
( ⅰ ) \(a\) が偶数のとき
②より、\(n\) は平方数となるので
\(44^2=1936<2021<45^2=2025\) より、
\(1^2,2^2,\cdots,44^2\) の \(44\) 個
( ⅱ ) \(a\) が奇数のとき
②より、\(n\) は \(2\times\)( 平方数 ) となるので
\(2\times 31^2=1922<2021<2\times 32^2=2048\) より、
\(2\times 1^2,2\times 2^2,\cdots,2\times 31^2\) の \(31\) 個
以上より、求める答えは \(44+31=75\) 個
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