【2021京都教育大学】
\(n\) は自然数とする.
(1) \(n\) が偶数であることは、\(n(n+1)(n+2)\) が \(24\) の倍数であるための
十分条件であることを証明せよ.
(2) \(n\) が偶数であることは、\(n(n+1)(n+2)\) が \(24\) の倍数であるための
必要条件ではないことを証明せよ.
(1)考え方・解答
考え方
\(n\) が偶数であることは、\(n(n+1)(n+2)\) が \(24\) の倍数であるための十分条件であるとは、
「\(n\) が偶数」 \(\Rightarrow\) 「\(n(n+1)(n+2)\) が \(24\) の倍数」
の命題が真であるということです.
\(24\) の倍数 \(\iff\) 『\(3\) の倍数』 かつ『\(8\) の倍数』を示せば良い
※ \(3\) と \(8\) は互いに素であるから、それぞれ分けて考えれば良い!
解答
初めに、\(n\)、\(n+1\)、\(n+2\) は連続する\(3\) つの整数であるから、この中のいずれかは \(3\) の倍数となる.
次に\(n\) は偶数であるから、正の整数 \(k\) を用いて、\(n=2k\) とおける.
\(n(n+1)(n+2)=2k(2k+1)(2k+2)=4k(k+1)(2k+1)\)
\(k(k+1)\) は連続する \(2\) つの整数の積であるから \(2\) の倍数.
つまり、\(n(n+1)(n+2)=4k(k+1)(2k+1)\) は \(8\) の倍数となる.
\(3\) と \(8\) は互いに素であるから、\(n\) が偶数であるとき \(n(n+1)(n+2)\) が \(24\) の倍数.
(2)考え方・解答
考え方
\(n\) が偶数であることは、\(n(n+1)(n+2)\) が \(24\) の倍数であるための十分条件であるとは、
「\(n(n+1)(n+2)\) が \(24\) の倍数」 \(\Rightarrow\) 「\(n\) が偶数」
の命題が偽であるということです.
解答
\(n=23\) とする.
このとき、\(n+1=24\) であるから、\(n(n+1)(n+2)\) は \(24\) の倍数である.
しかし \(n\) は奇数であるので、これは命題
「\(n(n+1)(n+2)\) が \(24\) の倍数」 \(\Rightarrow\) 「\(n\) が偶数」
の反例となる.
したがって、\(n\) が偶数であることは、\(n(n+1)(n+2)\) が \(24\) の倍数であるための必要条件ではない.
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