【2024一橋大学・第3問】
f(x) は x に関する 4 次多項式で 4 次の係数は 1 である.f(x) は (x+1)^2 で割ると 1 余り,(x-1)^2 で割ると 2 余る.f(x) を求めよ.
剰余の定理、平方剰余
整式 P(x) を x-k で割ったときの商を Q(x),余りを R とすると
P(x)=(x-k)Q(x)+R と表され,この式に x=k を代入すると
P(k)=R が導ける.
整式 P(x) を (x-k)^2 で割った余りが ax+b について
P(k)=ak+b かつ P^{\prime}(k)=a が成立
数学Ⅲの微分の知識が必要になるのですが,とても便利な公式ですので,文系の方も覚えておこう!
整式 P(x) を (x-k)^2 で割ったときの商が Q(x),余りが ax+b のとき
P(x)=(x-k)^2Q(x)+ax+b とおける.
これに x=k を代入すると,P(k)=ak+b が導ける.
また,積の微分 \left\{ f(x)g(x)\right\}^{\prime}= f^{\prime}(x)g(x)+f(x) g^{\prime}(x) を利用すると,
P^{\prime}(x)=2(x-k)Q(x)+(x-k)^2Q^{\prime}(x)+a
これに x=k を代入すると,P^{\prime}(k)=a が導ける.
解答・解説
f(x)=x^4+ax^3+bx^2+cx+d とおくと,f^{\prime}(x)=4x^3+3ax^2+2bx+c
f(x) は (x+1)^2 で割ると 1 余るので
f(-1)=1,f^{\prime}(-1)=0 を満たす.
f(-1)=1 より
1-a+b-c+d=1 \iff a-b+c-d=0 ・・・①
f^{\prime}(-1)=0 より
-4+3a-2b+c=0 \iff 3a-2b+c=4 ・・・②
また f(x) は (x-1)^2 で割ると 2 余るので
f(1)=2,f^{\prime}(1)=0
f(1)=2 より
f(1)=1+a+b+c+d=2 \iff a+b+c+d=1 ・・・③
f^{\prime}(1)=0 より
4+3a+2b+c=0 \iff 3a+2b+c=-4 ・・・④
①~④を解くと
a=-\displaystyle\frac{1}{4},b=-2,c=\displaystyle\frac{3}{4},d=\displaystyle\frac{5}{2}
したがって,f(x)=x^4-\displaystyle\frac{1}{4}x^3-2x^2+\displaystyle\frac{3}{4}x+\displaystyle\frac{5}{2}
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