サイコロを 3 回振り、出た目の数を順に \(a , b , c\) とする.
(1) \(a , b , c\) を 3 辺の長さとする三角形ができる確率を求めよ.
(2) \(a , b , c\) を 3 辺の長さとする鋭角三角形ができる確率を求めよ.
三角形の成立条件
上の図のように、
\(b+c<a\) のとき( 2 辺を足しても辺 \(a\) に届かない)
三角形は当然ながら存在しない.
つまり、三角形が存在するためには
\(\begin{cases}a<b+c\\b<c+a\\c<a+b\end{cases}\)
つまり、
\(\begin{cases}a-b<c\\b-a<c\\c<a+b \end{cases}\)
これを 1 つにまとめて、
\(|a-b|<c<a+b\)
三角形の成立(存在)条件
\(a , b , c\) を 3 辺の長さとする三角形が存在
👉 \(|a-b|<c<a+b\)
(1)解答
\(a , b , c\) を 3 辺の長さとする三角形が出来る条件は、
\(|a-b|<c<a+b\) ・・・①
サイコロの問題
👉 6×6の表を利用
サイコロを振って 1、2 回目に出る目 \(( a , b )\) の数に応じ、
①を満たす \(c\) の目を、下の表に表すと、
上の表より、①を満たすのは、
\(6+15+21+24+24+21=111\)
\(\displaystyle{\frac{111}{6^3}=\frac{37}{72}}\)
(1)の別解
普通にカウントしていくとなかなか大変・・・
場合の数・確率の問題の解法2つ
👉 正攻法 と 余事象
先ほどは、正攻法(そのまま)で考えてみたが、それなりに大変であった.
よって2つ目の解法である「余事象」で考えてみる.
余事象を利用した(1)の別解
三角形ができないのは、
(ⅰ) \(a+b≦c\)
(ⅱ) \(b+c≦a\)
(ⅲ) \(c+a≦b\) のとき
(ⅰ)について
・\(c=1\) のとき
\(a+b≦1\) を満たす \(( a , b )\) は存在しない
・\(c=2\) のとき
\(a+b≦2\) を満たす \(( a , b ) は
\(( a , b )=( 1 , 1 )\) の 1 通り
・\(c=3\) のとき
\(a+b≦3\) を満たす \(( a , b ) は
\(( a , b )=( 1 , 1 )、( 1 , 2 )、( 2 , 1 )\) の 3 通り
・\(c=4\) のとき
\(a+b≦4\) を満たす \(( a , b ) は
\(c=3\) のときを満たす 3 通りと、
\(( a , b )=( 1 , 3 )、( 2 , 2 )、( 3 , 1 )\) の 3 通り
よって、計 6 通り
・\(c=5\) のとき
\(a+b≦5\) を満たす \(( a , b ) は
\(c=4\) のときを満たす 6 通りと、
\(( a , b )=( 1 , 4 )、( 2 , 3 )、( 3 , 2 )、( 4 , 1 )\) の 4 通り
よって、計 10 通り
・\(c=6\) のとき
\(a+b≦6\) を満たす \(( a , b ) は
\(c=5\) のときを満たす 10 通りと、
\(( a , b )=( 1 , 5 )、( 2 , 4 )、( 3 , 3 )、( 4 , 2 )、( 5 , 1 )\) の 5 通り
よって、計 15 通り
以上から、
\(1+3+6+10+15=35\) 通り
(ⅱ)、(ⅲ)についても(ⅰ)と同様であるから、
求める確率は、
\(1-\displaystyle\frac{35\times3}{6^3}=\displaystyle\frac{37}{72}\)
どちらの解法が優れているかどうかではありません!
重要なのは両方考えられるようになること!
(2)解答
鋭角三角形ができる条件について
鋭角三角形
→ \(0<\angle{A}<90\text{°})\ かつ \(0<\angle{B}<90\text{°})\ かつ \(0<\angle{C}<90\text{°})\
→ \(\cos A>0\) かつ \(\cos B>0\) かつ \(\cos C>0\)
余弦定理から、
\(\cos A=\displaystyle\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}\) より、
→ \(\cos A=\displaystyle\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}>0\)
\(2bc>0\) より
\( b^2+c^2-a^2>0\)
同様に \(\cos B\)、\(\cos C\) について考えると、
\( c^2+a^2-b^2>0\)
\( a^2+b^2-c^2>0\)
よって、
\(|a^2-b^2|<c^2<a^2+b^2\)
鋭角三角形の成立(存在)条件
\(a , b , c\) を 3 辺の長さとする鋭角三角形が存在
👉 \(|a^2-b^2|<c^2<a^2+b^2\)
(1)と同様に表にまとめると、
上の表から、
\(6+7+10+14+15+14=66\)
\(\displaystyle{\frac{66}{6^3}=\frac{11}{36}}\)
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