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【2022宮崎大学・医学部】指数関数の3次不等式、相加・相乗平均の利用

指数・対数関数

【2022宮崎大学・医学部・第1問】

\(x\) を実数とするとき,次の不等式を満たす \(x\) の値の範囲を求めよ.

\(8^x+8^{-x}-(4^x+4^{-x})-11≧0\)

適切な置き換え・式変形・範囲の確認

\(t=2^{x}+2^{-x}\) の置き換え,\(t\) の範囲

\(t=2^x+2^{-x}\) とおくとき,\(t≧2\)

(※相加平均・相乗平均の関係を利用する)

\(2^x>0\) ,\(2^{-x}>0\) より相加平均・相乗平均の関係から

\(2^{x}+2^{-x}≧2\sqrt{2^{x}\cdot 2^{-x}}=2\)

また等号成立は,

\(2^{x}=2^{-x}\) \(\iff\) \(\left(2^x\right)^2=1\)

\(2^x>0\) より \(2^x=1\) \(\iff\) \(x=0\) のとき

\(A≧0\),\(B≧0\) のとき \(A+B≧2\sqrt{AB}\)

等号成立は \(A=B\) のとき

対称式を利用した式変形

・\(p^2+q^2=(p+q)^2-2pq\)

・\(p^3+q^3=(p+q)^3-3pq(p+q)\)

\(p=2^x\),\(q=2^{-x}\) とすると

\(4^x+4^{-x}=\left(2^x+2^{-x}\right)^2-2\cdot 2^x\cdot 2^{-x}\)

\(8^x+8^{-x}=\left(2^x+2^{-x}\right)^3-3\cdot 2^x\cdot 2^{-x}\left(2^x+2^{-x}\right)\)

\(t=2^x+2^{-x}\) とおくとき

\(4^x+4^{-x}=t^2-2\),\(8^x+8^{-x}=t^3-3t\)

解答・解説

\(t=2^x+2^{-x}\) とおく.

\(2^x>0\) ,\(2^{-x}>0\) より相加平均・相乗平均の関係から

\(t=2^{x}+2^{-x}≧2\sqrt{2^{x}\cdot 2^{-x}}=2\)

また等号成立は,\(x=0\) のとき

また,\(4^x+4^{-x}=t^2-2\),\(8^x+8^{-x}=t^3-3t\) より

与えられた不等式は,

\(t≧2\) のとき \((t^3-3t)-(t^2-2)-11≧0\)

\(t^3-t^2-3t-9≧0\)

\((t-3)(t^2+2t+3)≧0\)

ここで,\(t^2+2t+3=(t+1)^2+2>0\) より

\(t-3≧0\) \(\iff\) \(t≧3\) (これは \(t≧2\) を満たす)

よって,\(2^x+2^{-x}≧3\)

\(a=2^x\) とおくと,\(a>0\) であり,

\(a+\displaystyle\frac{1}{a}≧3\)

\(a>0\) より両辺を \(a\) 倍して

\(a^2-3a+1≧0\)

\(0<a≦\displaystyle\frac{3-\sqrt{5}}{2}\) ,\(\displaystyle\frac{3+\sqrt{5}}{2}≦a\)

\(0<2^x≦\displaystyle\frac{3-\sqrt{5}}{2}\) ,\(\displaystyle\frac{3+\sqrt{5}}{2}≦2^x\)

底を \(2\) とする対数をとると,

\(x≦\log_{2}{\displaystyle\frac{3-\sqrt{5}}{2}}\) ,\(\log_{2}{\displaystyle\frac{3+\sqrt{5}}{2}}≦x\)

\(\iff\) \(x≦\log_{2}{(3-\sqrt{5})}-1\),\(\log_{2}{(3+\sqrt{5})}-1≦x\)

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