【2021愛知医科大学・医学部・第2問】
次のように郡に分けられた数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) を考える.
\(1\),\(1\)|\(2\)|\(3\),\(3\)|\(4\),\(4\),\(4\),\(4\),\(4\)|\(5\),\(5\),\(5\),\(5\),\(5\),\(5\),\(5\),\(5\),\(5\),\(5\)|\(6\),\(6\),\(6\),\(\cdots\)
第 \(k\) 群には \(c_{k}\) 個の \(k\) が並んでいるとすると,数列 \(\left\{c_{k}\right\}\) の一般項は \(k\) の \(2\) 次式で表されるとする.このとき,次の問いに答えよ.
1) 数列 \(\left\{c_{k}\right\}\) の一般項を求めよ.
2) 数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) の初項から第 \(k\) 項の末項までの和 \(S(k)\) を求めよ.
3) 数列 \(\left\{a_{k}\right\}\) の初項から第 \(n\) 項までの和が \(2500\) を超えるような最小の \(n\) の値を求めよ.
解答・解説
1) 数列 \(\left\{c_{k}\right\}\) の一般項
数列 \(\left\{c_{k}\right\}\) の一般項を
\(c_{k}=pk^2+qk+r\) ( ただし \(p\not=0\) ) とおく.
\(c_{1}=2\),\(c_{2}=1\),\(c_{3}=2\) より
\(\begin{cases}p+q+r=2\\4p+2q+r=1\\9p+3q+r=2\end{cases}\)
\(\iff\) \(p=1,q=-4,r=5\)
したがって数列 \(\left\{c_{k}\right\}\) の一般項は
\(c_{k}=k^2-4k+5\)
2) 数列 \(\left\{a_{n}\right\}\) の初項から第 \(k\) 項の末項までの和 \(S(k)\)
第 \(m\) 群の和を \(T_{m}\) とおく.
第 \(m\) 群には \(c_{m}\) 個の \(m\) が並んでいるので
\(T_{m}=m\times c_{m}=m^3-4m^2+5m\)
よって,
\(S(k)=\displaystyle\sum_{m=1}^{k}{T_{m}}\)
\(=\displaystyle\sum_{m=1}^{k}{(m^3-4m^2+5m)}\)
\(=\displaystyle\frac{1}{4}k^2(k+1)^2-4\cdot\displaystyle\frac{1}{6}k(k+1)(2k+1)+5\cdot\displaystyle\frac{1}{2}k(k+1)\)
\(=\displaystyle\frac{1}{12}k(k+1)\left\{3k(k+1)-8(2k+1)+30\right\}\)
\(=\displaystyle\frac{1}{12}k(k+1)(3k^2-13k+22)\)
3) 数列 \(\left\{a_{k}\right\}\) の初項から第 \(n\) 項までの和が \(2500\) を超えるような最小の \(n\)
\(S(10)=\displaystyle\frac{1}{12}\times 10\times 11\times 192=1760<2500\)
\(S(11)=\displaystyle\frac{1}{12}\times 11\times 12\times 242=2662>2500\)
より,数列 \(\left\{a_{k}\right\}\) の初項から第 \(n\) 項までの和が \(2500\) を超えるのは,第 \(11\) 群である.
ここで,第 \(11\) 群の第 \(x\) 項までの和が \(2500\) を超えるような \(x\) の範囲を考える.
\(S(10)+11x>2500\) \(\iff\) \(1760+11x>2500\)
\(\iff\) \(x>67.27\cdots\)
よって,第 \(11\) 群の第 \(68\) 項までの和は初めて \(2500\) を超える.
したがって求める \(n\) の値は
\(n=68+\displaystyle\sum_{k=1}^{10}{c_{k}}\)
\(=68+\displaystyle\sum_{k=1}^{10}{(k^2-4k+5)}\)
\(=283\)
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