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【2023近畿大学・医学部】連続するn個の整数の和が2023、分散・標準偏差が自然数

2023年入試問題

【2023近畿大学・医学部・第2問】

\(a\) を整数,\(n\) を \(2\) 以上の整数として,次の問いに答えよ.

(1) \(a\) から始まる連続する \(n\) 個の整数の和が \(2023\) になる \(a\) と \(n\) の組み合わせについて考える.

( ⅰ ) 全部で何通りあるか.

( ⅱ ) \(a\) と \(n\) がともに奇数となるのは何通りあるか.

(2) \(a\) から始まる連続する \(n\) 個の整数の平均値を \(\overline{x}\),分散を \(s^2\),標準偏差を \(s\) とする.

( ⅰ ) \(\overline{x}\) を \(a\) と \(n\) の式で表せ.

( ⅱ ) \(s^2\) を \(n\) の式で表せ.

( ⅲ ) \(s^2\) が自然数になるときの \(n\) を小さい順に並べたものを \(n_{1}\),\(n_{2}\),\(\cdots\) とする.\(n_{k}=2023\) となる \(k\) の値を求めよ.

( ⅳ ) \(s\) が自然数になるときの \(s\) を小さい順に並べたものを \(s_{1}\),\(s_{2}\),\(\cdots\) とする.\(s_{2}\) の値を求めよ.

(1) \(a\) から始まる連続する \(n\) 個の整数の和が \(2023\)

\(a\) から始まる連続する \(n\) 個の整数の和が \(2023\) より

\(\displaystyle\frac{1}{2}\left\{2a+(n-1)\right\}=2023\)

\(n(2a+n-1)=2\times 7\times 17^2\)

\(n≧2\) より

\(n\) 2 7 14 17 34 119 238 289 578 2023 4046
\(2a+n-1\) 2023 578 289 238 119 34 17 14 7 2 1

それぞれを解くと

\(n\) 2 7 14 17 34 119 238 289 578 2023 4046
\(a\) 1011 286 138 111 43 -42 -110 -137 -285 -1010 -2022

( ⅰ ) 全部で \(11\) 通り

( ⅱ ) \(a\) と \(n\) がともに奇数となるのは \((n,a)=(17,111),(289,-137)\) の \(2\) 通り

(2) \(a\) から始まる連続する \(n\) 個の整数の平均値,分散,標準偏差

( ⅰ ) \(\overline{x}\) を \(a\) と \(n\) の式で表せ.

\(\overline{x}=\displaystyle\frac{\frac{1}{2}n\left\{2a+(n-1)\right\}}{n}=\displaystyle\frac{1}{2}(2a+n-1)\)

 

( ⅱ ) \(s^2\) を \(n\) の式で表せ.

( \(x\) のデータの分散 ) = (  \(x^2\) のデータの平均値 ) ー ( \(x\) のデータの平均値 )\(^2\)

内データの分析の基本公式については,

【2021聖マリアンナ医科大学】データの分析と整数問題|分散の最大・最小

を参考に!

\(a\) から始まる連続する \(n\) 個の整数の \(2\) 乗の平均値を \(\overline{x^2}\) とすると,

\(s^2=\overline{x^2}-\left(\overline{x}\right)^2\) より

\(s^2=\displaystyle\frac{1}{n}\left\{a^2+(a+1)^2+\cdots+(a+n-1)^2\right\}-\left\{\displaystyle\frac{1}{2}(2a+n-1)\right\}^2\)

\(=\displaystyle\frac{1}{n}\displaystyle\sum_{k=1}^{n}{(k+a-1)^2}-\displaystyle\frac{1}{4}(2a+n-1)^2\)

\(=\displaystyle\frac{n^2-1}{12}\)

計算が省略されすぎでは・・・( ;  ; )

ごめんよ。

ただここでは,この計算をすることがメインの解説ではないので省略させてもらったんだ!

今回の問題のPointは2つ!

1つは,分散は2乗の平均と平均の2乗の差で求められること

そしてもう1つが、「分散はデータすべてに同じ値を足しても引いても変化しない」ということです!

変量の変換でやった内容ですね!!!!!

その通り!「【時短裏技】共通テスト|データの分析(変量の変換・標準化)」にまとめてあるので詳細は省略するけど,分散とはデータの散らばり具合を調べる道具。

だから例えば,「2021,2022,2023,2024」の分散も「1,2,3,4」の分散も同じ!

つまり本問では,\(1\) から始まる \(n\) 個の分散を調べてあげればよいということです!

【時短裏技】共通テスト|データの分析(変量の変換・標準化)
数学ⅠA データの分析の「変量の変換」「標準化」についてまとめ。2017、2019年のセンター試験の過去問を用いて解説。 時短裏技のまとめ。平均、分散、標準偏差、共分散、相関係数公式まとめ。

( ⅱ ) 別解《重要!》

\(a\) から始まる連続する \(n\) 個の整数の分散は,

\(1\) から始まる連続する \(n\) 個の整数の分散に等しいので,求める分散は

\(s^2=\displaystyle\frac{1}{n}\displaystyle\sum_{k=1}^{n}{k^2}-\left(\displaystyle\frac{1}{n}\displaystyle\sum_{k=1}^{n}{k}\right)^2\)

\(=\displaystyle\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)-\displaystyle\frac{1}{4}(n+1)^2\)

\(=\displaystyle\frac{n^2-1}{12}\)

( ⅲ ) \(s^2\) が自然数になるとき,\(n_{k}=2023\) となる \(k\) の値

\(s^2\) が自然数になるとき

\(n^2-1\) は \(12\) の倍数となる.

よって, \(n^2-1\) は \(2\) の倍数である必要がある

つまり,\(n\) は奇数である必要がある.

自然数 \(p\) を用いて,

\(n=2p+1\) とおける.

\(s^2=\displaystyle\frac{(2p+1)^2-1}{12}=\displaystyle\frac{p(p+1)}{3}\)

これが自然数となるためには,自然数 \(q\) を用いて

\(p=3q\) または \(n=3q-1\) のとき

よって,\(n=6q+1\) または \(n=6q-1\)

\(n_{1}=6\times 1-1=5\),\(n_{2}=6\times 1+1=7\),

\(n_{3}=6\times 2-1=11\),\(n_{4}=6\times 2+1=13\),

・・・

\(n_{673}=6\times 337-1=2021\),\(n_{674}=6\times 337+1=2023\)

したがって,求める \(k\) は \(674\)

( ⅳ ) \(s\) が自然数になるとき,\(s_{2}\) の値

標準偏差 \(s\) が自然数となるには,

( ⅲ )の結果から \(n=6q+1\) または \(n=6q-1\) となることが必要である.

\(n=6q+1\) のとき \(s^2=t(3t+1)\) より \(s=\sqrt{q(3q+1)}\)

\(n=6q-1\) のとき \(s^2=t(3t-1)\) より \(s=\sqrt{q(3q-1)}\)

ここで,\(q(3q-1)\),\(q(3q+1)\) が平方数となるためには,

\(q\) と \(3q-1\) ,\(q\) と \(3q+1\) が互いに素であることに注目すると

\(q\) は平方数であることが必要である.

 

・\(q=1\) のとき \(s=\sqrt{2},2\) より \(s_{1}=2\)

・\(q=4\) のとき \(s=2\sqrt{11},2\sqrt{13}\) となり不適

・\(q=9\) のとき \(s=3\sqrt{26},3\sqrt{28}\) となり不適

・\(q=16\) のとき \(s=4\sqrt{47},28\) より \(s_{2}=28\) 

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