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【数Ⅲ】複素数平面まとめ②(1のn乗根について)|入試問題演習

複素数平面まとめ(数Ⅲ)

【問題2】

【1】 次の問に答えよ.

(1) 複素数 \(z\) が、\(z^3=1\)、\(z\not=1\) を満たすとき

\(\displaystyle\frac{1}{1-z}+\displaystyle\frac{1}{1-z^2}\) の値を求めよ.

(2) 複素数 \(z\) が、\(z^5=1\)、\(z\not=1\) のとき、

\(\displaystyle\frac{1}{1-z}+\displaystyle\frac{1}{1-z^2}+\displaystyle\frac{1}{1-z^3}+\displaystyle\frac{1}{1-z^4}\) の値を求めよ.

 

【2】 次の問に答えよ.

(1) 複素数 \(z\) が、\(z^3=1\)、\(z\not=1\) を満たすとき、\((1-z)(1-z^2)\) の値を求めよ.

(2) \(\alpha=\cos \displaystyle\frac{2\pi}{5}+i\sin \displaystyle\frac{2\pi}{5}\) として、\(x\) についての恒等式 \((x-\alpha)(x-\alpha^2)(x-\alpha^3)(x-\alpha^4)=x^4+x^3+x^2+x+1\) を示せ.

(3) \(n\) は \(3\) 以上の自然数とする.

\(\beta=\cos \displaystyle\frac{2\pi}{n}+i\sin \displaystyle\frac{2\pi}{n}\) として、

等式 \((1-\beta)(1-\beta^2)(1-\beta^3)\cdots(1-\beta^{n-1})=n\) を示せ.

(4) \(\displaystyle\frac{n}{2^{n-1}}=\sin \displaystyle\frac{\pi}{n}\sin \displaystyle\frac{2\pi}{n}\cdots\sin \displaystyle\frac{(n-1)\pi}{n}\) を示せ.

 

ここでは、数学Ⅲで学習する複素数平面について、実践問題(入試問題)を使って、ポイント(考え方)まとめをしていきます。

正直に言いますと、教科書をやっただけでは、入試レベルの問題に対応するのは難しいです。

ですから、教科書と入試レベルの橋渡しとして、過去に出題された入試問題を例に、複素数平面においておさえておきたい(入試でよく出る考え方)をまとめていきます。

基本的な考え方をしっかりと身に付け、2次試験で得点源にできるようにしていきましょう!

 1の n 乗根について

【\(1\) の \(n\) 乗根について】

① \(z^n=1\) の解について

・解は、\(z_{k}=\cos \displaystyle\frac{2k}{n} \pi+i\sin \displaystyle\frac{2k}{n} \pi \)

(\(k = 0 , 1 , 2 , \cdots , n-1\))

・\(1 , z , z^2 , z^3 , \cdots , z^{n-1}\) は異なる \(n\) 個の解

・正 \(n\) 角形の頂点となる

② \(z+\overline{z}=2\cos \displaystyle\frac{2k}{n} \pi \) (実数)

③ \(| z | = 1 \iff z\cdot \overline{z}=1 \iff \overline{z}=\displaystyle\frac{1}{z}\)

④ \(z^n=1 \iff (z-1)(z^{n-1}+z^{n-2}+\cdots+z+1)=0\)

考え方・解答

【1】 次の問に答えよ.

(1) 複素数 \(z\) が、\(z^3=1\)、\(z\not=1\) を満たすとき

\(\displaystyle\frac{1}{1-z}+\displaystyle\frac{1}{1-z^2}\) の値を求めよ.

(2) 複素数 \(z\) が、\(z^5=1\)、\(z\not=1\) のとき、

\(\displaystyle\frac{1}{1-z}+\displaystyle\frac{1}{1-z^2}+\displaystyle\frac{1}{1-z^3}+\displaystyle\frac{1}{1-z^4}\) の値を求めよ.

【1】について

(1)に関しては、素直に通分し、計算していく方法でももちろん答えにたどりつく.

しかしその方法では、(2)の問題はなかなか大変である.(さらに言うと、もう少し値が大きくなったときに、非常に大変な計算になる.)

そこで、\(z^n=1\) であることを上手に利用した解法を考える.

 

【1】 解答

(1) \(\displaystyle\frac{1}{1-z^2}\) の分母分子に、\(z\) をかけると、\(z^3=1\) より

\(\displaystyle\frac{1}{1-z^2}=\displaystyle\frac{z}{z-z^3}=\displaystyle\frac{z}{z-1}\)

よって、

\(\displaystyle\frac{1}{1-z}+\displaystyle\frac{1}{1-z^2}\\=\displaystyle\frac{1}{1-z}+\displaystyle\frac{z}{z-1}\\=\displaystyle\frac{-1}{z-1}+\displaystyle\frac{z}{z-1}=1\)

 

(2)に関しても、(1)と同様に考えていく.

\(\displaystyle\frac{1}{1-z^3}\) の分母分子に、\(z^2\) をかけ、

\(\displaystyle\frac{1}{1-z^4}\) の分母分子に、\(z\) をかけると

\(\displaystyle\frac{1}{1-z}+\displaystyle\frac{1}{1-z^2}+\displaystyle\frac{1}{1-z^3}+\displaystyle\frac{1}{1-z^4}\\=\displaystyle\frac{1}{1-z}+\displaystyle\frac{1}{1-z^2}+\displaystyle\frac{z^2}{z^2-1}+\displaystyle\frac{z}{z-1}\\=2\)

【2】 (1)~(3)について

【2】 次の問に答えよ.

(1) 複素数 \(z\) が、\(z^3=1\)、\(z\not=1\) を満たすとき、\((1-z)(1-z^2)\) の値を求めよ.

(2) \(\alpha=\cos \displaystyle\frac{2\pi}{5}+i\sin \displaystyle\frac{2\pi}{5}\) として、\(x\) についての恒等式 \((x-\alpha)(x-\alpha^2)(x-\alpha^3)(x-\alpha^4)=x^4+x^3+x^2+x+1\) を示せ.

(3) \(n\) は \(3\) 以上の自然数とする.

\(\beta=\cos \displaystyle\frac{2\pi}{n}+i\sin \displaystyle\frac{2\pi}{n}\) として、

等式 \((1-\beta)(1-\beta^2)(1-\beta^3)\cdots(1-\beta^{n-1})=n\) を示せ.

(4) \(\displaystyle\frac{n}{2^{n-1}}=\sin \displaystyle\frac{\pi}{n}\sin \displaystyle\frac{2\pi}{n}\cdots\sin \displaystyle\frac{(n-1)\pi}{n}\) を示せ.

(1)であれば、単純に計算すれば求めることはそこまで難しくはない。

しかし、単純な計算だけで求めていると、(2)、(3)のような問題で太刀打ちできなくなります。

このタイプの問題は頻出ですから、一般的な求め方をしっかりとマスターしておきましょう!

 

上のPointの

① \(z^n=1\) の解について

・\(1 , z , z^2 , z^3 , \cdots , z^{n-1}\) は異なる \(n\) 個の解

④ \(z^n=1 \iff (z-1)(z^{n-1}+z^{n-2}+\cdots+z+1)=0\) を利用する。

 

\(z^n=1\) のとき

\(1 , z , z^2 , z^3 , \cdots , z^{n-1}\) は \(x^n=1\) の解となる.

この \(n\) この解はそれぞれ偏角が互いに異なるので、異なる \(n\) 個の解でるから、

\(x^n-1=(x-1)(x-z)(x-z^2)(x-z^3)\cdots(x-z^{n-1})\) ・・・(ア)

 

また、\(x^n-1=0=(x-1)(x^{n-1}+x^{n-2}+ \cdots +x+1)\) ・・・(イ) より

(ア)、(イ)から

\((x-1)(x-z)(x-z^2)(x-z^3)\cdots(x-z^{n-1})=(x-1)(x^{n-1}+x^{n-2}+ \cdots +x+1)\)

\(z\not=1\) のとき、

\((x-z)(x-z^2)(x-z^3)\cdots(x-z^{n-1})=x^{n-1}+x^{n-2}+ \cdots +x+1\) ・・・(ウ)

 

(1)については、(ウ)において、\(n=3\) のときであるから、

\((x-z)(x-z^2)=x^2+x+1\)

これに \(x=1\) を代入して

\((1-z)(1-z^2)=1^2+1+1=3\)

 

(2)については、

ド・モアブルの定理

\(n\) が整数のとき

\((\cos \theta+i\sin \theta)^n=\cos n\theta+i\sin n\theta\)

を利用すると、

\(\alpha^n=\left(\cos \displaystyle\frac{2\pi}{5}+i\sin \displaystyle\frac{2\pi}{5}\right)^n=\cos 2\pi+i\sin 2\pi=1\)

(ウ)において、\(n=5\) のときを考えると

\((x-\alpha)(x-\alpha^2)(x-\alpha^3)(x-\alpha^4)=x^4+x^3+x^2+x+1\) が成立する.

 

(3) (2)と同様、ド・モアブルの定理より

\(\beta^n=\left(\cos \displaystyle\frac{2\pi}{n}+i\sin \displaystyle\frac{2\pi}{n}\right)^n=\cos 2\pi+i\sin 2\pi=1\)

\((x-z)(x-z^2)(x-z^3)\cdots(x-z^{n-1})=x^{n-1}+x^{n-2}+ \cdots +x+1\) ・・・(ウ)

(ウ)の式において、\(x=1\) を代入すると

等式 \((1-\beta)(1-\beta^2)(1-\beta^3)\cdots(1-\beta^{n-1})=n\) が成立する.

【2】の(4)について

上で確認したPointの

① \(1\) の \(n\) 乗根について

・\(1 , z , z^2 , z^3 , \cdots , z^{n-1}\) は異なる \(n\) 個の解

・正 \(n\) 角形の頂点 を利用する

【確認】

☆\(| \beta – \alpha|\) は \(2\) 点 \(\alpha\)、\(\beta\) の距離 

\(3\) 点 \(O(0)\)、\(B_{0}(1)\)、\(B_{k}(\beta^k)\) とおく.

このとき、\(OB_{0}=OB_{k}=1\)、\(B_{0}B_{k}=|1-\beta^k|\)、\(arg∠B_{0}O B_{k}=\displaystyle\frac{2k\pi}{n}\)

また、\(B_{0}\) と \(B_{k}\) の中点を \(M\) とすると、

\(arg∠B_{k}OM=\displaystyle\frac{k\pi}{n}\) より

\(\sin ∠B_{k}OM=\sin \displaystyle\frac{k\pi}{n}=\displaystyle\frac{B_{k}M}{OB_{k}}= B_{k}M \)

\( B_{0}B_{k} = 2B_{k}M \) より

\(\sin \displaystyle\frac{k\pi}{n}=\displaystyle\frac{|1-\beta^k|}{2}\) ・・・(エ)

 

(エ)に \(k = 1 , 2 , \cdots , n-1\) を代入し、それぞれをかけると

\(\sin \displaystyle\frac{\pi}{n}\times\sin \displaystyle\frac{2\pi}{n}\times \cdots \times \sin \displaystyle\frac{(n-1)\pi}{n}\\=\displaystyle\frac{|1-\beta|}{2}\times \displaystyle\frac{|1-\beta^2|}{2}\times \cdots \times\displaystyle\frac{|1-\beta|^{n-1}}{2}\\=\displaystyle\frac{|(1-\beta)(1-\beta^2)\cdots(1-\beta^{n-1})|}{2^{n-1}}\) となり、

(3)の結果から \((1-\beta)(1-\beta^2)(1-\beta^3)\cdots(1-\beta^{n-1})=n\) であるから、

\(\displaystyle\frac{n}{2^{n-1}}=\sin \displaystyle\frac{\pi}{n}\sin \displaystyle\frac{2\pi}{n}\cdots\sin \displaystyle\frac{(n-1)\pi}{n}\) が成立する.



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