【2019早稲田大学・教育】
放物線 \(y=x^2\) 上の点 \((a,a^2)\) における接線と曲線 \(y=x^3-ax\) が異なる \(3\) 点で交わるとき,\(a\) のとりうる値の範囲を求めよ.
考え方・方針の立て方について
\(f(x)=x^2\) , \(g(x)=x^3-ax\) とおく.
\(f^{\prime}(x)=2x\) より,\(y=f(x)\) 上の点 \((a,a^2)\) における接線は
\(y-a^2=2a(x-a)\)
よって,\(y=2ax-a^2\) ・・・①
①と \(y=g(x)\) が異なる \(3\) 点で交わるとき
\(x^3-ax=2ax-a^2\)
\(x^3-3ax+a^2=0\) ・・・②
②が異なる \(3\) つの実数解を持てばよい.
方程式の実数解の個数について
方程式の実数解の個数について
⇒ 適切な形に変形して,両辺のグラフの交点の個数を考える
3 次方程式の非定数分離型
②の式は,\(a= ( x\) の式 ) の形に式変形ができない・・・
このような場合はどのように考えたらよいのだろう?
※ \(a= ( x\) の式 ) の形に変形できる ⇒ 定数分離型 ( )
\(3\) 次関数のグラフの形(極大値・極小値)に注目して考えていきましょう!
②が異なる \(3\) つの実数解を持つとき,
\(y=x^3-3ax+a^2\) と \(y=0\) ( \(x\) 軸 ) と交点が異なる \(3\) つになればよいので,右図のような形になればよいね!
つまり,「極大値が正」かつ「極小値が負」の条件を満たせばよいということですか?
その条件だけでは不十分です!
これだけでは減点されてしまうので気をつけましょう!
「極大値」や「極小値」の話をするためには,「極値が存在する」ための条件を最初に記述するように!
極値が存在する条件については、「」で確認した内容ですね!
その条件において,「極大値が正」かつ「極小値が負」をそれぞれ計算すればOKですね!
極値の存在条件については忘れやすいので注意しましょう!
さらに,
「極大値が正」かつ「極小値が負」の計算については,
『(極大値)\(\times \)(極小値) \(<0\)』として計算すると,計算量が少なくなります!
\(x^3-3ax+a^2=0\) が異なる \(3\) つの実数解をもつ
\(\iff\) \(\begin{cases}y=x^3-3ax+a^2\\y=0\end{cases}\) が異なる \(3\) つの共有点をもつ
\(\rightarrow\) 次の \(2\) つの条件を満たせばよい
( ⅰ ) \(y=x^3-3ax+a^2\) が極値をもつ条件を考える
( ⅱ ) ( ⅱ ) のとき,(極大値)\(\times \)(極小値) \(<0\)
解答
\(f(x)=x^2\) , \(g(x)=x^3-ax\) とおく.
\(f^{\prime}(x)=2x\) より,\(y=f(x)\) 上の点 \((a,a^2)\) における接線は
\(y-a^2=2a(x-a)\)
よって,\(y=2ax-a^2\) ・・・①
①と \(y=g(x)\) が異なる \(3\) 点で交わるとき
\(x^3-ax=2ax-a^2\)
\(x^3-3ax+a^2=0\) ・・・②
②が異なる \(3\) つの実数解を持てばよい.
ここで,\(h(x)=x^3-3ax+a^2\) とおく.
\(3\) 次関数 \(y=h(x)\) のグラフが \(x\) 軸と異なる \(3\) つの共有点を持てばよいので,
\(h^{\prime}(x)=3x^2-3a=3(x^2-a)\)
\(h^{\prime}(x)=0\) が異なる \(2\) 実数解を持つとき,
つまり,\(a>0\) ・・・③ のとき \(y=h(x)\) のグラフは極値をもつ.
このとき,\(x=\pm\sqrt{a}\) で \(y=h(x)\) は極値をもつので
\(h(\sqrt{-a})\times h(\sqrt{a})<0\) を満たせばよい.
\((a^2+2a\sqrt{a})(a^2+2a\sqrt{a})<0\)
\(a^3(a-4)<0\)
③より \(a>0\) より,\(a-4<0\)
したがって求める条件は,\(0<a<4\)
コメント