\(y≦7\) のとき、\(y\) の最大値は「 7 」ではない!
結論から言うと、答えは「 7 」ではありません.
答えは「わからない」です!
多くの人が「 7 」と考えるのですが、これがちゃんと説明できるかどうかは、受験数学でも最重要テーマの「最大値・最小値」が理解できているかどうかにつながります。
最大値が「 7 」だと思った人はぜひ、最後までしっかり読んでください!
段階を踏んで説明していきます!
「 2 ≦ 3 」は間違っている?
そんな簡単だよ!当然、誤りだよね?
正解は・・・誤りではない!
えっ!?何で?
2 より 3 の方が大きいから、「 2 < 3 」としないとダメだよ!
そうだね。正確に言うと、「 2 < 3 」とする方が適切だね!
だけど「 2 ≦ 3 」は誤りではないよ。
ん??どーいうこと??
それではちゃんと説明していくね。
そもそも「 ≦ 」の記号の意味は「 < 」または「 = 」が成り立つと言うこと。
つまり、「 2 ≦ 3 」が正しくなるためには、
「 2 < 3 」または「 2 = 3 」が成り立てばよいと言うこと。
なるほど!
「または」だから、どっちか一方が成り立てばいいんだね。
だから「 2 < 3 」が成り立っているから、「 2 ≦ 3 」は真と言うことだね。
その通り!
これは数学が得意な人でも間違う(勘違いする)ので要注意!
ただ実際に2や3のように明らかに大小関係が分かっている場合は、
「 2 < 3 」と書いた方が適切だけどね。
「 ≦ 」の記号の意味は「 < 」または「 = 」が成立すること
(少なくともどちらか一方が成り立てばよい)
\(y≦7\) のとき、\(y\) の最大値は?
改めて「\(y≦7\) のとき、\(y\) の最大値は?」について考えます。
\(y≦7\) というのは
\(y<7\) または \(y=7\) が成立すると言うことです。
少なくとも一方が成り立つだけなので、\(y=7\) が成立する保証はない。
つまり、
\(y<7\) だけが成立する場合、最大値は「存在しない」と言うことになります。
だからこそ、「\(y≦7\) のとき、\(y\) の最大値は?」と聞かれたならば、
「 7 」かもしれないし、「存在しない」かもしれない
つまり「わからない」が正しい答えです。
等号成立を記述する重要性について
それでは最大値が「 7 」とするためには何が必要か??
それは、「○○のときに等号が成り立つ」という条件
つまり、「等号成立条件」です!
仮に、\(y≦7\) において、
\(x=1\) のとき等号が成立することが確認できれば、最大値は「 7 」であると言えます。
逆に、等号成立を確認する前に最大値が「 7 」であると言うと、それは数学的に正しくない!
まとめ
入試問題において、最大値を求めよと言われて答えが存在しないことは非常に稀な話である。
だからと言って、最大値が当たり前にあると記述することは絶対にやってはいけない。
等号成立を言わずして減点されることは良くある。
特に難関大学と言われる大学であればあるほど、減点される可能性がより高くなるため、記述においては細心の注意を払いたい。
とは言ったものの、入試本番で細部まで神経を張り詰めることは容易なことではない。
だからこそ、問題で聞かれていかどうかに関わらず、等号成立については常に答えることを癖にしておいて欲しい。
コメント