【2002京都大学】
\(0≦\theta≦360\) とし,\(a\) は定数とする.
\(\cos 3\theta°-\cos 2\theta°+3\cos \theta°-1=a\)
を満たす \(\theta\) の値はいくつあるか.\(a\) の値によって分類せよ.
方程式の実数解の個数について
方程式の実数解の個数について
⇒ 適切な形に変形して,両辺のグラフの交点の個数を考える
\(2\) 倍角,\(3\) 倍角の公式より
\(\cos 3\theta°=4\cos^3\theta°-3\cos \theta°\) ,\(\cos 2 \theta°=2\cos^2 \theta°-1\) であるから
\(\cos 3\theta°-\cos 2\theta°+3\cos \theta°-1=a\)
\(\iff\) \(a=4\cos^3\theta°-2\cos^2\theta°\) ・・・①
定数分離
①の形より,両辺のグラフの交点を考えてもよいが,
右辺の \(y=4\cos^3\theta°-2\cos^2\theta°\) のグラフは・・・。
( ※ 数学Ⅲの微分を学習すればかけますが大変・・・ )
そこで,次のPointを考えよう!
置き換え&解の個数の対応関係のチェック
\(x=\cos \theta°\) と置き換え!
《注意》解の個数の対応関係の確認
例① \(x=\displaystyle\frac{1}{2}\) ( \(x\) の解が \(1\) 個 ) のとき
\(x=\cos \theta°=\displaystyle\frac{1}{2}\)
\(0≦\theta≦360\) において,\(\theta=60,120\) ( \(\theta\) の解は \(2\) 個 )
⇒ \(x\) の解が \(1\) 個のとき,\(\theta\) は解が \(2\) 個
例② \(x=-1\) ( \(x\) の解が \(1\) 個 ) のとき
\(x=\cos \theta°=-1\)
\(0≦\theta≦360\) において,\(\theta=180\) ( \(\theta\) の解は \(1\) 個 )
⇒ \(x\) の解が \(1\) 個のとき,\(\theta\) も解が \(1\) 個
\(x\) の値によって,\(\theta\) の解の個数の対応関係が変わります!
\(x\) がどのようなときに \(1\) 対 \(2\) 対応 ( または \(1\) 対 \(1\) 対応 ) をしているか確認(記述)しましょう!
解答・解説
\(\cos 3\theta°=4\cos^3\theta°-3\cos \theta°\) ,\(\cos 2 \theta°=2\cos^2 \theta°-1\) であるから
\(\cos 3\theta°-\cos 2\theta°+3\cos \theta°-1=a\)
\(\iff\) \(a=4\cos^3\theta°-2\cos^2\theta°\) ・・・①
\(x=\cos \theta°\) とおく.
\(a=4x^3-2x^2\) ( \(-1≦x≦1\) )
ここで \(f(x)=4x^3-2x^2\) とおく.
\(-1≦x≦1\) における \(y=f(x)\) のグラフを考える.
\(f^{\prime}(x)=12x^2-4x=4x(3x-1)\)
よって,\(-1≦x≦1\) における \(y=f(x)\)
のグラフは右図のようになる.
このグラフと直線 \(y=a\) の交点の \(x\) 座標が \(f(x)=a\) の解である.
また, \(x=\pm1\) のときは \(x\) の値が \(1\) 個に \(\theta\) が \(1\) 個,
\(-1<x<1\) のときは \(x\) の値が \(1\) 個に \(\theta\) が \(2\) 個対応する.
したがって,
\(a<-6\) または \(2<a\) のとき \(0\) 個
\(a=-6 , 2\) のとき \(1\) 個
\(-6<a<-\displaystyle\frac{2}{27}\) または \(0<a<2\) のとき \(2\) 個
\(a=-\displaystyle\frac{2}{27} , 0\) のとき \(4\) 個
\(-\displaystyle\frac{2}{27}<a<0\) のとき \(6\) 個
コメント