スポンサーリンク

【漸化式8,9】隣接三項間特性方程式(2実解,重解型)|解法パターン|数学B数列

漸化式

【例題】次の条件によって定められる数列の一般項を求めよ.

8.\(a_{1}=1\),\(a_{2}=4\),\(a_{n+2}-5a_{n+1}+6a_{n}=0\)

9.\(a_{1}=1\),\(a_{2}=5\),\(a_{n+2}-6a_{n+1}+9a_{n}=0\)

漸化式は完全暗記もの!

数学が得意不得意に関わらず,ただただパターンを覚えてなければできるようになりません!

特にパターン5以降は,初めの1手を知っているかどうか,その1手さえ突破できれば,あとは基本のパターン1〜4に帰着します。

パターン8:隣接二項間・異なる2実解

\(a_{n+2}+pa_{n+1}+qa_{n}=0\)

👉 \(x^2+px+q=0\) \(\iff\) \(x=\alpha,\beta\) のとき

\(a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_{n})\)

\(a_{n+2}-\beta a_{n+1}=\alpha(a_{n+1}-\beta a_{n})\)

※ \(\alpha = \beta\) ( 重解 ) のときはパターン9へ

8.\(a_{1}=1\),\(a_{2}=4\),\(a_{n+2}-5a_{n+1}+6a_{n}=0\)

特性方程式 \(x^2-5x+6=0\) を解くと

\((x-2)(x-3)=0\) \(\iff\) \(x = 2 , 3\)

与式は,

\(a_{n+2}-2a_{n+1}=3(a_{n+1}-2a_{n})\) ・・・①

\(a_{n+2}-3a_{n+1}=2(a_{n+1}-3a_{n})\) ・・・② と式変形できる.

①より数列 \(\left\{a_{n+1}-2a_{n}\right\}\) は初項:\(a_{2}-2a_{1}=4-2=2\) , 公比:\(3\) の等比数列であるから,

\(a_{n+1}-2a_{n}=2\cdot 3^{n-1}\) ・・・① ’

②より数列 \(\left\{a_{n+1}-3a_{n}\right\}\) は初項:\(a_{2}-3a_{1}=4-3=1\) , 公比:\(2\) の等比数列であるから,

\(a_{n+1}-3a_{n}=2^{n-1}\) ・・・② ’

① ‘ – ② ‘ より

\(a_{n}=2\cdot 3^{n-1}-2^{n-1}\)

パターン9:隣接二項間・重解型

\(a_{n+2}+pa_{n+1}+qa_{n}=0\)

👉 \(x^2+px+q=0\) \(\iff\) \(x=\alpha) (重解)のとき

\(a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\alpha(a_{n+1}-\alpha a_{n})\)

👉  \(n\) 乗型(パターン5) に帰着する

※ \(\alpha ≠ \beta\) ( 異なる2つの実数解 ) のときはパターン8へ

※ \(n\) 乗型(パターン5)は「こちら

9.\(a_{1}=1\),\(a_{2}=5\),\(a_{n+2}-6a_{n+1}+9a_{n}=0\)

特性方程式 \(x^2-6x+9=0\) を解くと

\((x-3)^2=0\) \(\iff\) \(x = 3\)

与式は,\(a_{n+2}-3a_{n+1}=3(a_{n+1}-3a_{n})\)

数列 \(\left\{a_{n+1}-3a_{n}\right\}\) は初項:\(a_{2}-3a_{1}=5-3=2\) , 公比:\(3\) の等比数列であるから,

\(a_{n+1}-3a_{n}=2\cdot 3^{n-1}\)

パターン5:\(n\) 乗型に帰着した!

この後の解法手順が不安な方は「こちら」を確認しよう!

両辺を \(3^{n+1}\) で割ると,

\(\displaystyle\frac{a_{n+1}}{3^{n+1}}-\displaystyle\frac{3a_{n}}{3^{n+1}}=\displaystyle\frac{2\cdot 3^{n-1}}{3^{n+1}}\)

\(\iff\) \(\displaystyle\frac{a_{n+1}}{3^{n+1}}=\displaystyle\frac{a_{n}}{3^n}+\displaystyle\frac{2}{9}\)

ここで \(b_{n}=\displaystyle\frac{a_{n}}{3^n}\) とおくと,\(b_{1}=\displaystyle\frac{a_{1}}{3}=\displaystyle\frac{1}{3}\) , \(b_{n+1}=b_{n}+\displaystyle\frac{2}{9}\)

パターン1:等差数列型に帰着した!

この後の解法手順が不安な方は「こちら」を確認しよう!

よって,\(b_{n}=\displaystyle\frac{1}{3}+(n-1)\cdot\displaystyle\frac{2}{9}=\displaystyle\frac{2n+1}{9}\)

\(b_{n}=\displaystyle\frac{a_{n}}{3^n}=\displaystyle\frac{2n+1}{9}\)

したがって,\(a_{n}=(2n+1)\cdot 3^{n-2}\)

【漸化式7】n振分け型(階差数列の利用)|解法パターン|数学B数列
漸化式の解き方・解法まとめ。一般項の求め方。等比数列に帰着させる解法と階差数列に帰着させる解法を2通り。頻出・重要問題。定期考査、大学入試共通テスト、2次試験対策。2012センター試験過去問にて類題。
【漸化式10】和と一般項(Snとan)型|解法パターン|数学B数列
漸化式の解き方・解法まとめ。和と一般項が与式にある場合の一般項の求め方。頻a1=S1,a(n+1)=S(n+1)-Snの利用。定期考査、大学入試共通テスト、2次試験対策。

コメント

タイトルとURLをコピーしました