倍数判定法のまとめ
・\(2\) の倍数:下一桁が \(2\) の倍数
・\(3\) の倍数:各位の和が \(3\) の倍数
・\(4\) の倍数:下二桁が \(4\) の倍数
・\(5\) の倍数:下一桁が \(5\) の倍数
・\(8\) の倍数:下三桁が \(8\) の倍数
・\(9\) の倍数:各位の和が \(9\) の倍数
・\(11\) の倍数:「奇数桁の数の和」と「偶数桁の数の和」の差が \(11\) の倍数
倍数判定法の証明
\(2\),\(4\),\(8\) の倍数判定法の考え方・証明
\(2\),\(4\),\(8\) の倍数については,セットで覚えましょう!
覚え方としては,
\(2\) の \(1\) 乗の倍数は,下一桁が \(2\) の倍数
\(2\) の \(2\) 乗の倍数は,下ニ桁が \(4\) の倍数
\(2\) の \(3\) 乗の倍数は,下三桁が \(8\) の倍数
となります。
出題されることはないと思いますが,同じ理屈で,
\(2\) の \(4\) 乗の倍数(つまり \(16\) の倍数 ) は,下四桁が \(16\) の倍数のように考えることができます。
以下では例として,\(4\) の倍数について考えてみましょう!
\(4\) の倍数の判定法の証明について
内ここでは \(5\) 桁の自然数について考えてみましょう!
何桁になっても証明の仕方・考え方は同じです!!
\(5\) 桁の自然数 \(N\) を
\(N=a\times 10^4+b\times 10^3+c\times 10^2+d\times 10+e\) とおく.
\(N=4(2500a+250b+25c)+10d+e\) より
\(4(2500a+250b+25c)\) は \(4\) の倍数であるから,
\(N\) が \(4\) の倍数 \(\iff\) \(10d+e\) は \(4\) の倍数 \(\iff\) 下二桁が \(4\) の倍数.
\(3\),\(9\) の倍数判定法の証明
\(3\),\(9\) の倍数についてもセットで覚えましょう!
証明の仕方も同様になります。
ここでは \(5\) 桁の自然数について考えてみましょう。
\(9\) の倍数の判定法の証明について
\(5\) 桁の自然数 \(N\) を
\(N=a\times 10^4+b\times 10^3+c\times 10^2+d\times 10+e\) とおく.
\(N=(9999a+a)+(999b+b)+(99c+c)+(9d+d)+e\\=9(1111a+111b+11c+d)+a+b+c+d+e\)
\(9(1111a+111b+11c+d)\) は \(9\) の倍数であるから,
\(N\) が \(9\) の倍数 \(\iff\) \(a+b+c+d+e\) は \(9\) の倍数
したがって,各位の和が \(9\) の倍数.
\(11\) の倍数判定法の例題、証明
\(11\) の倍数については,他に比べると出題される数は少ないですが,ぜひ覚えておきたい差がつく知識になります!
証明については合同式を利用しますので,合同式については「合同式とは?合同式の基本性質を理解し、使えるようにする」を参考に!
例題
《具体例》
例①:\(275\) について
奇数桁の数の和:\(2+5=7\)
偶数桁の数の和:\(7\) より
これらの差は,\(7-7=0\) となり \(11\) の倍数となる.
よって,\(275\) は \(11\) の倍数となる.(※ \(275=11\times 25\) )
例②:\(15907243\) について
奇数桁の数の和:\(5+0+2+3=10\)
偶数桁の数の和:\(1+9+7+4=21\) より
これらの差は,\(10-21=-11\) となり \(11\) の倍数となる.
よって,\(15907243\) は \(11\) の倍数となる.(※ \(15907243=11\times 1446113\) )
証明
\(5\) 桁の自然数 \(N\) を
\(N=a\times 10^4+b\times 10^3+c\times 10^2+d\times 10+e\) とおく.
\(10≡-1\) ( \(mod 11\) ) より
\(10^4≡1\),\(10^3≡-1\),\(10^2≡1\),\(10≡-1\) ( \(mod 11\) ) より
\(N≡a-b+c-d+e\) ( \(mod 11\) )
よって,\(N\) が \(11\) の倍数 \(\iff\) \(a-b+c-d+e\) は \(11\) の倍数
「奇数桁の数の和」と「偶数桁の数の和」の差が \(11\) の倍数となる.
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