\(\alpha=\sqrt[5]{\displaystyle\frac{5\sqrt{5}+11}{2}}\)、\(\beta=\sqrt[5]{\displaystyle\frac{5\sqrt{5}-11}{2}}\) のとき、次の問に答えよ.
(1) \(\alpha\beta\) を求めよ.
(2) \(\alpha-\beta-1\) は正か、負か、0 かを判定せよ.
考え方・解答
(1)解答
(1)はそのまま計算!
(1) \(\alpha\beta=\sqrt[5]{\displaystyle\frac{5\sqrt{5}+11}{2}}\times\sqrt[5]{\displaystyle\frac{5\sqrt{5}-11}{2}}=\sqrt[5]{\displaystyle\frac{125-121}{4}}=1\)
(2)考え方
・\({\alpha}^5\) や \({\beta}^5\) は簡単に計算できる!
→ \({\alpha}^5+{\beta}^5\) や \({\alpha}^5-{\beta}^5\) の形を利用したい
→ 和の形
※ \({\alpha}^5-{\beta}^5={\alpha}^5+(-\beta)^5\)
・\(\alpha\beta\) →積の形
和と積の形を見たら
※ 対称式とは、変数を入れ替えても変わらない多項式のこと.
本問では、5 乗に関する対称式を扱いたい
5 乗の対称式
\((x^2+y^2)( x^3+y^3)= x^5+x^{2}y^{3}+x^{3}y^{2}+y^5\) より
(2)解答
\(x^2+y^2=(x+y)^2-2xy\)
\(x^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)\) より
\(x^5+y^5=\left\{(x+y)^{2}-2xy\right\}\left\{(x+y)^{3}-3xy(x+y)\right\}-(xy)^{2} (x+y)\) ・・・ ①
①に \(x=\alpha\)、\(y=-\beta\) を代入すると
\({\alpha}^5-{\beta} ^5=\left\{(\alpha-\beta)^2+2\alpha\beta \right\}\left\{(\alpha-\beta)^3+3\alpha \beta (\alpha-\beta)\right\}-(\alpha \beta)^{2} (\alpha-\beta)\) ・・・ ②
ここで \(\alpha-\beta=t \) \((t>0)\) とおくと、
\(\alpha^5-\beta^5=11\)、\(\alpha\beta=1\) より
②は
\(11=(t^2+2)(t^3+3t)-t\)
\(t^5+5t^3+5t-11=0\)
\(f(t)= t^5+5t^3+5t-11\) とおくと、
\(f(1)=0\) ・・・③
また、
\(f^{\prime}(t)=5t^4+15t^2+5>0\)
つまり、\(y=f(t)\) は単調増加なグラフ ・・・④
③、④より、\(f(t)=0\) となる \(t>0\) は 1 つだけで、それは \(t=1\)
したがって、
\(\alpha-\beta-1=0\)
(2)別解[5乗根を外す]
そもそも 5 乗根は外れないのか??
\(\alpha=\sqrt[5]{\displaystyle\frac{5\sqrt{5}+11}{2}}=\sqrt[5]{\displaystyle\frac{80\sqrt{5}+176}{32}}=\displaystyle\frac{\sqrt[5]{80\sqrt{5}+176}}{2}\)
\(80\sqrt{5}+176\) が何かの 5 乗になれば
5 乗根は外れる!
5乗されるので、あっという間に大きな数になるから、小さな数であることが予想されるね
試しに \((\sqrt{5}+1)^5\) を展開して式をまとめてみると・・・・
\((\sqrt{5}+1)^5=\cdots =80\sqrt{5}+176\) !!
よって、
\(\alpha=\displaystyle\frac{\sqrt{5}+1}{2}\)、\(\beta=\displaystyle\frac{\sqrt{5}-1}{2}\)
したがって、
\(\alpha-\beta-1=\displaystyle\frac{\sqrt{5}+1}{2}-\displaystyle\frac{\sqrt{5}-1}{2}-1=0\)
コメント